タキソテール効果判定④ | 父と家族の末期がん闘病記

父と家族の末期がん闘病記

2012年6月末、当時65歳だった父が突然、末期の食道小細胞がんとの診断を受けました。
現実と向かい合うため、父との日々を忘れないための記録ブログです。


( 本日更新2回目です )

主治医は、父の癌が小さくなったのはファーストライン(シスプラチン+CTP-11)が効いているのか、もしくはセカンドライン(タキソテール)なのか分からないと言う。


これは私の勝手な想像だけれども・・・
タキソテールに抗がん剤をチェンジすると決まった際、我が夫が

『 一般的にファーストラインの方がセカンドラインよりも効きが良いとされ、ファーストラインが効かなかった場合、セカンドラインはより効きにくいとされているから、タキソテールに期待しない方がいいよ。 』

と言っていた通り、きっと主治医もセカンドラインのタキソテールが効くわけがないと頭から考えていたのかも。

そもそもタキソテールは"非"小細胞"肺"癌に効くとされてるけど、父は小細胞食道癌。
タキソテールは「 効くとされるから 」投与されたのではなく、「 全身状態が比較的悪くても投与できるから 」気休め的に投与されたと考えるのが妥当だと思います。


でも、患者本人とその家族からすると、ファーストラインは全く効かなかった。

そして、セカンドラインが効いている。

そうとしか思えない・・・。


だから次回投与する薬もタキソテールに決まって、ちょっとホッとしました。
体調が悪くとも薬が効いてくれて、父の寿命が確実に延びてくれるのなら、それは辛い抗がん剤治療を受ける父の励みになる。
家族にとっても、父が不調なのは癌が進行しているからではないと思えば、前向きな気持ちを捨てないでいられる。


早速、用事を終えて実家に戻ってきた夫にも効果判定の結果を伝え、主治医から頂いたCTの比較画像を見せたら、

「 へええ、これは驚いた。びっくりだね。こんなこともあるんだね。 」

との感想。
整形外科医である夫の専門とは畑違いだから当たり前だけど、やっぱりどっちの薬が効いてるのかは分からないし、このケースは主治医も分からないのも当然らしい。
なので今後はタキソテールとシスプラチン+CPT-11の交互投与になるんじゃない?と予測。

そして最後に、

「 ともあれ、お義父さんの病気は治ることはないから、喜びすぎないようにね。 」

と、いつもながらの冷静さを付け加えてくるのも夫らしい・・・


***


そんなこんなで、翌日19日に私と夫が九州に戻る日を迎えました。

11月に私が九州に戻るときは、ファーストラインが全く効かずに癌が進行している事実と、タキソテールの副作用で苦しむ父の姿に引きちぎられるような胸を抱え、羽田空港に向かう電車の中も、そして飛行機の中でも涙でボロボロだった私。

だけど今回は、どんなに体調の悪い父を見ても(それはそれで心配だけど)、生きている父の姿を見るのはこれが最後じゃないという安心感があり、別れ際も全く涙は出ませんでした。


父の体調不良は相当なもので、いつもなら駅まで見送ってくれるのに、今回は自宅の駐車場まで。
抗がん剤が必死で父の癌細胞と戦い、父の体が戦場になっているんだな・・・ などと思う。



そんなこんなであっという間の9日間でしたが、内容の濃い9日間の帰省でした。