わたしのいる半導体業界を含め、エンジニアの業界で普通に使われている言葉に、「設計作法」とか「プログラミング作法」などという場合の「作法」がある。

たいていの人は、「作法」は「さほう」と読み、「マナー」や「エチケット」のことだと思っている。

おそらく、99%の人がそうおもっているのではないか。


実は、「作法」には「さほう」という読み方と「さくほう」という読み方がある。

「さほう」の方は、「マナー」や「エチケット」の意味だが、「さくほう」と読むと「ものの作り方」の意味である。


Web大辞林の記述


わたしが初めて「さくほう」に出会ったのは、30年以上も前。

今は休刊になってしまった、共立出版のコンピュータサイエンス誌の「bit」の連載記事だ。


「プログラミング作法」というその記事の第1回目に、「『作法』は『さくほう』と読み、『作り方』の意味である」というようなことが書かれていた。


わたしは、それまで「さくほう」は知らなかったため、「へえ~」状態で、もしそう書かれていなかったら「プログラミングさほう」と読み、プログラミングのマナーの意味だと思っていただろう。


ネットを探しても「さくほう」の方はなかなか見つからなかったが、こんなものがあった。


プログラミング作法


・ 作法(さほう)→プログラミングをする際のエチケット、嗜み(たしなみ)、礼儀のようなもの
 作法(さくほう)→プログラミングの仕方、作り方


つまらないことにわたしと同じようにこだわりを持つ人がいてうれしい。


あの、桑原武夫先生の名著「文章作法」もきっと「ぶんしょうさくほう」と読むのに違いないと思うのだが、ウラが取れていない。


本の奥付にもふりがなが振られていないし、ネットで調べてもヒットしない。


どなたか教えてくだされ。