危機の最悪期は過ぎたが、追加刺激策が必要=有力エコノミスト (7月17日9時26分配信 ロイター)
> [ニューヨーク 16日 ロイター] RGEグローバル・モニター社長で有力エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は16日、危機の最悪期は過ぎたとの見解を示した。投資家向けのイベントで述べた。
> ただ、米国は失業率が急速に10%に近づいており、恐らく年末までに、依然として第2弾の財政的な刺激策が必要になるだろうと強調した。
> 同氏は、先進国経済は底入れしつつあるか、それに近い状態にあるが、米国は年を通じてリセッション(景気後退)が続く見通しで、回復は弱いとの見方を示した。
> 同氏は「トンネルの終わりに光が見える。米経済と世界経済が底入れしつつある」とし「多くの点で、経済・金融状況に関しては最悪期は過ぎた」と語った。
> この日の株式市場は、同氏が年内にリセッションが終わるとの見通しを示し、自身の経済予想を「引き上げた」と伝えた一部報道を受けて上昇した。
> ルービニ氏は16日遅く、声明を発表し「これらの報道にかかわらず、きょう示したわたしの見解はこれまでと変わりない。何かあるとすれば、それはわたしの見解が文脈を無視して受け取られたからだ」と語った。
☆ ルービニ教授がいう「文脈」の中身を筆者は知らない(その公演の速記録のようなものを見ていないから)が,今の状況は「これ以上,今までのようなフリーフォール状況が続くことにはならないだろう」というところか。資産バブルの劇的な破裂と資金の目詰まりから,経済活動は一気に落ち込んでいったが,どうやら「どん底圏」には到達したようだというのが彼の認識なのではないか?
☆ 失業率に関する彼の見解を見ても解るように,むしろ実体経済はこれから「更なる悪化」に進みつつある。そこを通過して初めて「トンネルの終わりに光が見える。米経済と世界経済が底入れしつつある」と彼が言う状況に達するのではないだろうか?基本的にダブル・ディップへ向かい,再度の大規模対策が必要なのは彼の言うとおりだと思う。