時代劇で、色街が出てくるじゃないですか

着崩した着物からべっとりおしろいを塗りたくったうなじを露出させた女が柵越しに行き来する男達に声をかける情景

おにいさん、いい男だね、ちょいと寄ってきなよ、安くしとくよ…

あっちこっちのサイトにエントリーしていたら、ふとそんな気分になりました

なんで私、こんなすごい勢いであっちこっちに媚売ってるんだろう

四十過ぎて、それなりに経験とか積んでるのに


一方、そんな自分を客観的に見てため息をついている自分もいます

中高年の失業が増えている、というニュースを聞いて、鼻で笑っていました

新卒で縦社会にすぽっと入って、上から言われたことを右から左にこなしてれば給料がもらえていた人たち

社内の知り合いの間でなんとなくものごとを丸く収めて蓋をするのを調整力、宴会で上司に気に入られるのが交渉力と思っているような人たち

世間知らずなのに無駄に高いプライドが高い中高年

そんな不良債権を雇わない会社に同情こそすれ非難などできません

自業自得、世の中やっと当たり前になってきた、と思ってました

ああ、自分もそんな役立たずの中高年の一人なんだな


凡百のサラリーマンさんと比べたら私の能力とか経験値とか相当なもんだと思っていたのですが、何度も何度もエントリーシートに書き込んでいくうちにどんどん考えが整理されていきます

ただ青春時代迷走しただけじゃん、誇れるような実績ってじつはなにひとつ残してないじゃん、やったのは失敗だけじゃん、歳相応の責任なんてとってないじゃん

反省文を100回書かせるとかただの体罰ではないんですね、繰り返し繰り返し同じ文章を書いていくうち実に冷静に内容を客観視することができるようになります

いやいや、まだ落ちきってないぞ、まだ余裕はある