ここ数日気になってる言葉です。
死ぬと分かっていても戦わなければならない時がある、とも言うようです。
ヘミングウェイかチャンドラーあたりのハードボイルド系のセリフかと思っていたのですが、どうも誰の言葉か定かではありません。
よく覚えているのは映画版「銀河鉄道999」の中でキャプテン・ハーロックが言った時ですが、その時は既に知っていた言葉で、また松本零士がカッコいい言葉をパクったな、と思ったことです。
ここ数日の国会やアメリカ議会を見ていて、なんとなく頭にこびりついてしまっています。
とはいえアクション物や戦争物の映画や小説ではそんな設定がままあります。
「スパルタカス」もそんな映画の一本で、ローマ軍との決戦前夜のシーンでは「奴隷にとって死は開放でしかない、だから我々が殺されたとしても負けることは絶対に無い」というような悲壮感あふれるセリフが出てきます。
そのシーンは最近(?)の「インデペンデンス・ディ」でクライマックスのアメリカ大統領の演説シーンにもリスペクトされているように思われます。
ピーター・オトゥルー主演の「マーフィーの戦い」の設定は多少ヒューストンの「アフリカの女王」に似ていますが、パートナーもなく、そんな負けると分かっている戦闘にたった一人で執念を燃やし続ける姿を描いています。
そんな少数で戦いを挑む特攻隊映画のハシリのような映画で、おそらく最高傑作だと思うのが「ナバロンの要塞」です。
少数精鋭のプロが挑む決死的作戦は、古典的娯楽映画の見本のような作品でしたね。
作戦を指示したジェームズ・ロバートソン・ジャスティスに「おそらく作戦は失敗だろう。しかし戦争という狂気は人に時として思わぬ能力を発揮させることがある」というような決死的状況なセリフを言わせています。
でも、そうならなければ映画にもならないわけですけどね。
原作はナヴァロンになってます。
原作者アリステア・マクリーンの作品はかなり映画化されています。以前もチラシ特集を組みました。
その大半は少数あるいは一人のプロフェッショナルの活躍を描いています。
少数精鋭のプロフェッショナルという設定は、TV「スパイ大作戦」やその他の作戦物にも繋がっていきます。
個人の活躍というとフレミングの007がなんといっても有名ですね。
それ以上にシリアスな死地に赴くたった一人の主人公を描いた映画では、ジンネマンの地味な作品ながら「日曜日には鼠を殺せ」もあります。
革命の闘士の晩年を描き、ある目的の為、危険なスペインに戻り、最後にある決断を迫られる。その選択とは・・・。
グレゴリー・ペックがナバロンのマロリー大尉とは打って変わった主人公を演じてましたが、このいささか感情的な主人公はペックでは知的すぎる感じで、むしろカーク・ダグラスが似合う気がします。
原作のエメリック・プレスバーガーは40年から50年代にかけてマイケル・パウエルと組んで「天国への階段」や「赤い靴」等の映画を送った監督として有名ですね。
現実には、死ぬと分かっていても戦わなくてはならない時は、来なければ良いと思っています。
負けると分かっていたら行かない人間ですからね。