「脱原発」には代替電力の供給が不可欠であり、地産地消の地域発電を電力会社との協業により具現化して、原発に頼らない安定した電力の供給を実現することが必要ではないでしょうか?



背景


地域社会には各々に山林資源の豊富な地域や水資源の豊富な地域などの特徴がある。



山林資源が豊富な地域では間伐材などのバイオマス資源が多く存在している。 また、水資源の豊富な地域では位置エネルギーや運動エネルギーなどの未利用エネルギーがある。 平野では太陽光熱エネルギーが豊富であり、温泉地では地熱がある。 更に、都市部では大量の産業廃熱や空調機の廃熱が存在する。


以上のようなエネルギーを他所に移動して利用する事は困難であり、地産地消に適している。





現在、多様な資源から電気エネルギーを得るためのシステム開発や、その支援としての買取制度の整備が進んでいます。




 しかし、地域の特性を生かした循環型エネルギー社会など地域的な取り組みには至っていません。 間伐材が多く、過疎化が進む村などでは特に重要な課題となります。


電力供給会社の業務の分離化が進めば、送電コストの高い地域などは高い電力を購入せざるを得なくなると予測されます。


そのような中で、スイス等では自然エネルギーや廃棄熱を活かしたシステムが地方自治体の計画的な街づくりに生かされています。


1例としては、工業団地の近傍にスーパーマーケットなどを誘致して、工場の廃熱からヒートポンプで温熱と冷熱を作り、スーパーマーケットに供給する事で、廃棄熱の有効利用を進めています。更に、余剰の熱を利用した発電の検討も進んでいます。



このような議論が闊達に行われ、そしてパイロットプログラムが各所で始動して初めて「脱原発」の道が開けると思います。

熱仕事効率は、入力された熱量で、どれだけの仕事をしたか? と言う事を効率にしたものです。 多くの場合、仕事は発電した電力となります。 蒸気機関車などでは、どれだけのトルクを生み出したか? と言う事でした。



例えば、水を1cc蒸発させて、更に加熱し、500度の蒸気を作ったとします。 500度の蒸気を蒸気タービンなどに導入して、200度で輩出したとすると..........以下のような効率となります。


必要熱量

おおよそですが、水1㏄蒸発させるのに必要な蒸発潜熱は2300Jです。蒸気の温度を1度上げるのに必要な熱量は2.09J程度です。


よって、2300J+(2.09J×500℃)=3,345J


タービンで使用できた熱量は

                 2.09J×(500℃-200℃)=627J


タービンで使用した熱量が全て仕事に変わったとしても


       627÷3,345=0.187  18.7%です。


これが、熱機関(ランキンサイクル)のエンジンの熱仕事効率となります。


しかし、ここで、アレッと思う方もいると思います。 蒸気タービンを使用したシステムでは34%の熱仕事効率などの記載があるためです。


これはシステム全体の熱仕事効率です。


要するに、先の例で説明すると、排気された蒸気は大きなエネルギーをもったまま排出されるので、そのエネルギーを予熱回路に投入することで、熱の回収が行えます。 熱仕事効率の分母が小さくなるので、システム全体を見た場合に熱仕事効率が良くなるわけです。


エンジン単体の熱仕事効率か、システムとしての熱仕事効率かは、明確に表記する必要があると私は思います。


太陽から発せられる光は地球に生きる動植物にとって大変重要です。 太陽からの光は地域により異なりますが、真夏だと1平方メートルに約1kW、冬場でも700W程度が降り注いでいます。 その光は地表や建物などに吸収(光子が他の物質の分子などに衝突してエネルギーを伝える。)されると熱になります。


1メートル間隔で1kWの電気ストーブを点けているようなものです。 1平方メートルの場所に4面の壁をこしらえて1kWの電気ストーブを点ければたちまちサウナになってしまいます。


(^_^;)


太陽の光を衝突させて熱にして利用するもっとも簡単な? 装置は、器に水を張ってお湯にする太陽熱温水器です。 何十年も前から、家の屋根に設置されているのをよく見かけました。 


光そのものは明るさを提供してくれますが、副産物として出る熱の利用も考えないといけない時代になり、なんとなく太陽熱温水器が懐かしくなりました。 


今は、ヒートポンプ(簡単には少ない電気で多くの熱を作る装置)で効率よく冷熱や湯を作っています。 太陽熱温水器は天候に左右されるので、何時も十分なお湯が作れるわけではありませんが、熱源は「太陽の無料提供」です。 


少し考えどころかもしれません。


太陽熱温水器とのハイブリッド化したヒートポンプで、さらなる省エネ化? しかし、太陽熱温水器にはもう一つ弱点があって、光を吸収してお湯にする部分が汚れてくるので、洗浄するか? お風呂や手荒い専用にするか? 床暖房にするか? 


簡単そうですが、製品にするのはどのようなものでも困難が付きまといますね。


光の便利なところはエネルギーが収束できるところです。しかし、 熱になると発散する傾向が強くなります。


光をレンズや反射鏡で集めて、一点に集中させると700度の高温にすることも可能ですが、熱射砲のようで危険です。 温度は熱の強さを示し、熱量ではありませんので、 高い温度でも量が少ないと火傷することもありません。 虫眼鏡で太陽の光を集めても、照射時間が0.1秒だと供給される熱量が小さいので髪ももえません。 


しかし、熱は高い温度でたくさんの量があれば、蒸気タービンなどを動かして効率よく発電することができます。


何故その蒸気に水蒸気が多く使われているかと言うと、水は1秒間でたったの1ccを蒸発させるのに約2.2kWのエネルギーが必要ですが、水1ccが蒸発すると1600cc、の水蒸気ができます。 この蒸気を容器に閉じ込めて更にエネルギーを投入すると大きな圧力を持つ水蒸気ができます。


 例えば圧力鍋がその良い例です。 圧力鍋は加熱されて、内部の圧力が上がると、中にある水の沸点も上昇して、沸点が130度程度になります。 すると圧力鍋の内部の蒸気圧力は2.5気圧程度になります。 



 その水蒸気をノズルで勢いよく噴出して、風車のようなタービンを回して、発電するのが蒸気タービンです。 大きなエネルギーが必要ではありますが、体積変化の大きな水が適している訳です。 


このような作動流体(この場合は水)は原子の数の少ない分子が有利です。 水分子よりも原子数の少ない分子は常温では気体ですから、水は蒸気タービンの作動流体として非常に適しているといえます。