平和の危機 | ダビ・ナタナエル

平和の危機

世の中は今、平和の危機なので、書きます。

前にTwitterで一度少しだけ書いたけど、ドイツでは今、毎週月曜日に大規模のデモが行われています。
約25年前に初めてその「月曜日デモ活動」があって、「平和的革命」という名で1989年に東ドイツと西ドイツを一つの国にするきっかけになりました。デモは成功し、初めて東ドイツと西ドイツを自由に行き渡ることができて、離ればなれだった家族たちは再会できて、東の人も自由に旅行できるようになりました。
今年の春に新たに始まった「月曜日デモ」活動のきっかけになったのは、ウクライナの問題です。ドイツ政府やEU全体が、アメリカの言いなりになって、国民はしたくもない戦争に巻き込まれそうです。
それともう一つ。TTIPの交渉です。交渉と言っても、すでに決まったようなもんですけどね。日本のTPPとほぼ同じような内容です。つまり国家が大手企業と組むということです。
アメリカの大企業にこれ以上ヨーロッパに入ってきてほしくない。遺伝子組み換えの食べ物は要らない。緩い食品規制も怪しい薬もなにも要らない。
日本だと、「海外の食べ物は体に悪い。薬は強い」という偏った知識も聞きますけど、実際は、ドイツ人のことしか言えないけど、食品をすごく気にする人がとても多いです。殺虫剤だらけの植物、大量生産の家畜工場で薬漬けにされて虐待を受けた動物の肉を食べないなど、いろんな考え方の人はいます。ちなみに、そういう人はみんなベジタリアンというより、信用できる農家の直送だったら食べますという人もよく聞きます。とにかくドイツの全国調査でアメリカの食品を「信用できる」と答えた人は2%しかいませんでした。それと薬やワクチンも信用しない人もとても多いです。なのにTTIPの話は進んでいます…
「そんなことを我々日本人に言われてもね…」って今思ってるかもしれません。ただ、ボクが在日ドイツ人という立場で見ているのは、今ヨーロッパも日本も同じようにアメリカに追いつめられてて、国民の反対の声を押し切って、取り返しのつかない、大きな変化をしようとしています。日本の場合はTTPとか集団的自衛権とかですね。さらに原発再稼働と秘密保護法。
国民の中に賛成する人もいます。彼らの意見の根拠もしっかりあると信じたいです。でも「テレビでは必要だというから」ではもう通じないですよ!
フクシマ第一原発事故後、日本の報道の自由は国際的な比較で22位から59位に落ちました。放射能汚染の隠蔽など頑張ってるんですよ、メディアは。美味しんぼのよう漫画は異常な程の大炎上。
それに比べてドイツの報道の自由は同じ国際比較で14位です。ドイツは原発情報をもろもろテレビで流してる素晴らしい報道機関だと一時的にボクも思いました。だけど、その高位にたっても、国民は何千人も毎週月曜日に集まって不満の声をデモであげています。ドイツのメディアももちろん自分の国に不都合なことなら同じく公表しないからです。そして生まれたそのデモ活動はテレビで一切報道されなかったです。気づいてほしくないと何者かの権力者が思ってるでしょうね。でもインターネットのおかげでばれてます。インターネットで、同じ不満を匿名で言い合って、結局実際に会ってデモで初めて実名も顔も明かし、平和と自由な(食)生活を求める人たちが直接会って声を今上げています。そしてSNSでデモ情報を広めています。できるだけ国境を超える様に広めていて、ヨーロッパでも他の国でも似たようなデモがあることを知って、人々はどこでも同じことを考えていることに気づいているんです。
ボクもこれはすごく大事なことだと思ってるからこうやって日本語でそのことについて今書いています。
なぜメディアはデモのことを報道しないんだ?ということを含めてみんなはSNSに書き込みました。そうすると、メディアの反応がきました:「ネオナチのデモ活動が盛んになってる」と嘘をついたのです。平和のための活動なのにネオナチだと??みんなはメディアに失望しました。まあ、前からメディアに失望してる人も大勢いたけど。
ドイツでは第2次世界大戦後の教育上ではネオナチは一番許されないグループです。皆さんもその理由はよーくわかってると思います。あの戦争でドイツ人が犯した罪は繰り返してはいけないからです。だからこそ、不都合な人たちに「ネオナチ」というレッテルを貼れば、他の人たちが避けるんです。
日本のある現象にちょっと似てますね。放射能のことを発信する人たちは「パニック起こしでデマを流す放射脳」と言われたり、「原発や集団的自衛権に反対な人は非国民」扱いされたり… 関わりたくないような、発言しにくくなるような働きかけはありますよね。結果的にもう自由に思ってることを言えなくなるんです。
しかし今回ドイツではそのメディアの報道は逆効果があったような気がします。デモがさらに拡大し、より多くの人が目覚めて参加してます。具体的な数は知らないんですけど、最初はベルリンだけだったのに、最近はボクの地元近くのエッセンにまで広まったんです。全国で16の街で活動が続いています。何千人も参加してます。SNSを見てると、共通点のない人たち、本当に多様な人たちで、政治的な意見も合わないかもしれないような人たちはそれでも、一つになって平和のために毎週月曜日に集まるんです。
ウクライナの問題は、元々アメリカが政変させたという情報があります。メディアは中立の立場でそのことも含めて報道するはずだけど、偏った報道しかしないというはっきりした証拠を持つジャーナリストがいます。ロシア語もできるから「ロシアの声」という放送機関で一時的にフリーで仕事をしたドイツ人の若いジャーナリストのスピーチをデモの動画で聞いたんですけど、「ロシアの声」で仕事しただけでドイツのメディアでは仕事をもらえなくなりました。「あなたは”プーチン・プロパガンダ・マシン”と組んでるからもう要らない」とはっきり言われたそうです。しかし彼女はロシア派でも何でもなく、過去にそこで仕事しただけです。その女性のスピーチが印象的でした。

アメリカのプッチでウクライナ問題が始まったということは、情報操作の世の中ではボクたちには知らされていないんです。ドイツのメディアでも日本のメディアでも触れないですね。ウクライナからネットにあげられてるビデオをいくつか見たけど、アメリカとNATOが応援してる側はハーケンクロイツのマーキングをした旗を持った人たちで、町中で人々に暴力を振るうんです。でも欧米が良いというから正義の名でそんなことを堂々とできるんです。そして自分の人たちを守ろうとしてるロシアがバッシングを食らっちゃいます。
ボクこそ、ロシア派でも何でもないです。ゲイである自分はロシアの反同性愛法律があるからロシアに行きたくもないです。だけど、このアメリカとEUのやり方は間違ってます!
近年の中東の戦争と一緒ですね。アメリカが「悪人」を作り上げて、いろんな国を攻撃しています。イラクで殺された人の90%は一般人だそうです。第2次世界大戦で殺された人の50%は一般人でした。第1次世界大戦では10%でした。今こんな実態になってるのは、現在の戦争兵器の力です。化学兵器や無人のドローンとかね。何かの間違えで結婚式場の幸せな祝いを虐殺するような兵器です。操縦士は安全な家でパソコンから操作してゲーム感覚で人を殺してるんです。
シリアで戦争に使われてる武器を多く作ってるのはドイツです。国としては偽善者としか思えないですね。
それに対しても国民がデモをしてます。
そしてアジアに位置してるけど、政治的にはアメリカの言いなりになっている日本もこれから武器輸出などをしようとしてるんですよね。人が殺されていく武器です。
どんどんどんどんグローバリゼーションが進んでます。
昔はグローバリゼーションって素晴らしいことだと思ってました。国際交流、異文化を知る、そういう意味でとらえてたんですよ。ただ今行われているグローバリゼーションは、一つの大きな支配者の元で自由に動かすことができる兵隊作りです。世の中は大きなチェスボードで、キングとクイーンさえ守れば大丈夫です。みんなをまとめて、支配しやすくすれば簡単。そのためにアメリカはいろんな国と組むんです。そして悪人を作り上げてまた攻撃します。戦争は儲かりますからね。
ちょっとしたイメージ試験をやったことあるんですけど、目を閉じて「テロリスト」という言葉を聞くと、どんな人が思い浮かびますか?
…もしかして、ぼーぼーのヒゲでターバン巻きの中東のおじさんではないですか?
これがメディアの力です。
アメリカはいつも世界の警察のような振る舞いを見せていますよね。例え今回のウクライナの政変がアメリカに仕掛けられた反逆であるという情報が間違ってたとしても、なんでアメリカはそこに入る?なんでEUもアメリカが行くなら我々も行く!ってなる?関係ないでしょう?でもアメリカはヨーロッパに戦争を持って行きたいんです。
それに気づいてる人はおかげさまでたくさんいます。そしてデモに行く。戦争は平和に絶対につながらないからです。そのことは今までの戦争で学んできたはず。日本はそのことを一度理解したと思うんですけど、最近忘れかけてるようですね…
ちなみに、アメリカがどうのこうのって言っても、ボクはアメリカ人が嫌いじゃなくて、アメリカという国の政治に疑問を持っています。アメリカ人差別に聞こえたら困ります。そういう意図は一切ありません。
同じように今のドイツのこともEUのことも、日本のこともあまりよく思っていません。
政治家は結局俳優のようで、何かの狙いがあって、そのために一生懸命演じます。(もちろんごく一部の、国民の声をしっかり聞いて動く人もいますが)
そして国民はただそのシステムの中で、自分の生活に必死で、たくさん働いて、考える暇もちゃんとなくて、テレビ見て、ご飯食べて、満腹になって疲れて寝ての繰り返しです。貴重な休み時間でわざわざ外に出て意見公表する暇も力もないです。そういう風にでいてるんです。
ドイツのデモに行くたくさんの人々はそういう仕組みにハメられてることに気づいてます。もっとたくさんの人に目覚めてほしいです!
すごくドラマチックに聞こえるかもしれないけど、地球がかかってる賭け事だと思いますよ。
さらにウクライナ問題は結局古くからある、アメリカ対ロシアの問題の延長だから、下手したら「第3次世界大戦」になるかもしれないと言う人ももうすでにいます。
そこで日本はこのタイミングで集団的自衛権… 本当の狙いは別にあるとしても、もし世界的な戦争になったら日本も巻き込まれちゃうんですね。他には徴兵制度がもしできたら、原発作業員を強制的に増やしたいんでしょうね。だって長期的に働けない場所なのに、これから何年も片付かない問題ですから…
そういえば、最近は色んな国で割と同時にデモがありますよね。フィリピン、台湾、タイ、ウクライナ、エジプトなどなど。なんで今急に関係ないところでみんな抗議してるの?それとももしかして… みんなの不満が似たようなことで、もう限界にきて不満の声を上げるために外に出てるのに、ボクたちは知らされていないだけなのでは??気になるところですよね…
ドイツの平和活動の人たちは今の政治の在り方の終止を求めてます。人が苦しんだり亡くなる上でいい生活を送るのは嫌です。
昔ドイツ人は一斉にヒトラーを信じてみんなで一緒に大きな過ちを犯しました。たくさんの無罪の人が殺されました。そしてボクらはそれを歴史の授業で学んだときに、「なんであのときみんなは何もしなかったの?そんなことになってるのに、気づいてないはずないでしょう?」って疑問に思ったんです。
じゃ今の世の中の状況はどう?このままじゃダメってみんな気づいてるはずです。直感でね。だけど、見て見ぬ振りをする方が楽だから誰もが何もしないです。60年後の人々は今の世代のことを歴史の授業で学ぶときは、「なんで誰も何もしなかったんだろう?気づいてないはずないでしょう?」というでしょうね。ボクたち今生きてる人たちに責任があります!
一人か2人か3人だけでは何もできないけど、みんなは考え直してくれたら絶対にもっといい、平和な世の中にできると信じてます。
そのことを考えてほしいです。自分に何ができるか。ただやみくもに消費するだけじゃなくて、物事の裏を調べる。言われることを鵜呑みだけしないで、色んな観点から考える、話し合う。納得いかないことはしない。やり方が気に入らないお店はもう行かない。自分で選ぶ。
色んな手はあります。平和を守りながらね。喧嘩も戦争も要らない。違う意見であっていいです。むしろそうであってほしいです。
自分が信じることのいい見本になるだけで始まると思うんです!
ぜひ少しだけ考えましょう。


そしてこの勢いでもう一つ。ドイツのデモ活動の人たちは、ある大きなことに気づいてるんですよ。単純計算だから日本とか他の国でもとっくに知ってる人もたくさんいるだろうけど、ボクはここ一年間でいろいろ勉強してきてやっとこれに気づいてびっくりしました:
資本主義社会の「システムエラー」が生じてます。
ボクたちの暮らす国は本当の民主主義であれば議論されてるはずだけど、一切議論されないエラーですよ:
テレビでよく「格差社会が広がる」と言われてますけど、今の社会の末路はもっと極端な格差社会になります。これは予言とかではなくて、単純計算ですよ。
ドイツの事業主で作家で経済学の大学講師で、インターネットでWissensmanufaktur(知識マヌファクチュア)という情報サイトを他の学者たちと一緒にやってる、アンドレアス・ポップさんの話してる内容のまとめになりますけど、これを聞いたときにちょっといろいろびっくりしたので書きます。元々のドイツ語の発表会は複数のものがYouTubeで見れるので、ドイツ語ができる人はオリジナルもぜひ見てください。

彼が月曜日デモで話してる内容は英語訳のものがあったのでこちらもぜひ見てみてください。


★★★
「我々は知っててもいいことを勉強してるけど、知るべきことを勉強してない」

まず一番最初にイメージトレーニングをしましょう。
ムンバイに行くとします。極端な貧困層と裕福層が隣り合わせで暮らしています。そこの貧困層が住むスラムを訪れると、食べ物もなく、毎日生き残るのに必死で、もしも殺されても警察すら捜査してくれない人たちを目の当たりにします。この人たちとは代わりたくないなぁっと心の中で思うはずです。
そして隣のお金持ち街に行ってみます。鉄線で乗り越えられない様になってる、大きな壁の中に閉じこもって暮らし、子供を学校に送るのに防弾リムジンやボディーガードを使う必要があって、街を出るのに車が危なくできればヘリコプターで行きます。どうみても高級な刑務所のような印象を受けます。ここでも、こんなお金持ちにはなりたくないなと思うはずです。
極端な「格差」で暮らしの「質」が失われていった場所です。勝ち組はいません。
数理論理学的に考えると我々は住む社会も同じ格差社会にまっしぐらです。
これはモラル的な観点からでも許せない人も多くいれば、合理的で、悪く言えば自己中心的な観点からしてみても、自分、もしくは自分の子供が、どっち側も得しないシステムの中の人になるというのを防ぎたいはずです。
世の中には無職の人は2種類います。仕事がなくなって無職になった人はその一方です。労働者が頑張って勤勉に技術を作り、そしてその技術(機械)が彼らの代わりに仕事ができるようになったら、職を失います。
そして他方の無職の人は、お金持ち過ぎて仕事が要らない人です。多くは裕福な家庭に生まれて、働くことを知らない人です。もちろん自分の力で大お金持ちなった人もいますが。
しかしどちらも悪くはないです。ここでは人の評価をするわけではなく、システムの在り方と末路を問うここが目的です。システムをあんまり疑わないように育てられているけど、本当に他にやり方がないのか?プランBがいつでもあるはずです。
お金について考えてみましょう。働いてお金を作ると言いますけど、実際は働けばお金が作られるわけではありません。お金は負債(借金)によって作られます。現代社会の借金は利子つきの金利システムです。だけど、実はこれがシステムエラーの原因になってます。
お金の話は数字の世界で具体的ではないので一度ちょっとシンプルにした具体例に置き換えてみます。もしもあなたはミリオネアで、1億ユーロを持ってたら、一年間で利子だけで50棟の一軒家をもらえます。さらに次の年もまた50棟の一戸建てをもらいます。その次の年もまた50棟。3年だけで合計150棟の家をタダでもらえるのに、その家を建ててる人たちはどうなるんですか?
ここでピントきますね!
世の中は貧乏対お金持ちではなくて、勤勉対お金持ちです。
別の例を挙げます。自分の庭の雑草がすごく増えてきて、誰かに雑草の処理をしてもらいたいなぁと思う日がきたとします。そこで知り合いがその仕事を引き受けてくれて、2時間かけて庭で働いてくれます。最後に自分がその知り合いに「代わりに今度あなたのために2時間仕事します」という借用書を書いて渡します。知り合いが家に帰って、今度別の人に食材を譲ってもらったから、お礼にその「2時間の仕事」の借用書を渡します。借用書がいわゆるお金になりました。今度ももらった人はまた借用書を物と交換し、たくさんの人の取引が成立してからある日、自分に電話がきて、借用書に「今度あなたのために2時間仕事をします」と書いてあるんですけど、使いたいです」と言われます。「ガレージを片付けてください」と。自分の負債なのでもちろん行って、2時間ガレージで仕事をこなし、最後に借用書を破ります。負債がチャラになりました。
これが本来のお金のシステムですが、銀行だけはそれに従う必要がありません。クレジットやローンなどの利子では、仕事をお客さんだけにさせるんですけど、自分は仕事をせずに金利が入ってきます。クレジットやローンのお金を銀行が貸してくれると思ってる人は多いんですけど、そのお金は実際存在しないで、金利によって初めて作られることまではほとんどの人は考えません。ということで働く人ばかりが借金をして、お金を預かってる銀行は借金してません。格差ですよね。ドイツ国家全体で言うと、デタラメな数字だけど、20億ユーロの借金してるとするじゃないですか。アメリカは10億だとするじゃないですか。全世界の借金は合計で32億だとするじゃないですか。全世界は32億ユーロの借金してるけど、誰に対しての借金ですか?…そう、銀行に対してです。ただこれは銀行が悪人ということでもありません。銀行もシステムの中の一つの施設で、自分の役割を果たしてるだけです。いつか「もう要らない」と判断されるまで。今まで歴史上もいろんなシステムがありましたよね。そして今回のシステムの末路は、ブラックホールみたいに、お金を吸い込むだけ吸い込んでどんどん大きくなるだけです。借金が増える一方で、定期的に誰か勤勉な人の倒産がつきものです。
国レベルでは経済成長というのが必要になってきます。ドイツの場合は1年で2.5%の経済成長という計算になってると、25年後は今の2倍の仕事量と2倍の生産物が必要になってきます。50年後には今の4倍です。100年後には16倍です。16倍の数の車を作り、16倍の数の家をたて、16倍のエネルギーを消費する計算になります。物理的に無理ですね!
だからすでに有るものを壊す必要が出てきて、それは戦争につながります!
こんなことなのに、どこでも勉強できません。誰も教えてくれません。そして人々が食べてる肉とかも、鎮静剤などを含んでるからみんなが活発に考えて、不当なことに気づき仕事で疲れた日にわざわざデモに行く元気がないのも当然。ということで、何を食べているかもよく調べておいた方がいいですよ!
今の社会システムはピラミッド型で、トップにいるごく一部の人だけをお金持ちにして、下の層をどんどん広げるんです。でもこのシステムの中で誰かが悪いということもないです。みんなはそのシステムに考えずに参加してるから連帯責任があります。マーケティングだって競争=戦争です。お客さんを引き抜き、市場を攻め取る仕組みです。競合社と戦う。これは「戦・略」です。「戦略」がマーケティングという名前で大学で教えられます。ボクたちはこれが普通だと思うように育てられています。でもこれは勝ち負けの世界で、自分が優位にたつのに他の人をつぶさなきゃいけないシステムになってるんです。
このシステムの一番上にいる人は支配者。そしてどうもその下でメディアが動いてるようですね。メディアはプロパガンダを発信し、みんなの公式な意見を作る役割です。そしてその意見がもう古い=不都合になったとき、次にはまた正反対の意見をみんなに刷り込んでいきます。我々はよく、「この政治家はぜんぜんダメだから今度もう投票しないでやる!別の政党に投票してやる!」って思っちゃうんですけど、本当は逆なんです。政治の世界は、ボクたちの考えが不都合になったとき、新しい国民を作り上げていきます。メディアのおかげで極簡単です。
政治家というのはどちらかというと政治俳優って言った方がいいです。メディアを利用して、いかにデキル人を演じられるかが仕事です。大きく分けると、今の政治では政治家が2種類います。まじめに政治学を勉強してきて、悪気はないんだけど「自分はどうすればいいのかは正直よくわからない」とこっそり思ってる政治家と、腹黒い政治家で、「とにかく自分さえメリットあれば何でもする」と思ってる政治家です。後者にメッセージ:「タイタニックが沈んだときは、スイートルームも一緒に沈みましたよ」。
では、ここまでは現状です。
小さな自分はどうせ何かを変える力はないなぁと思うかもしれないんですけど、物理的な大きさで考えなくてもいいことは、一匹の蚊とともに夜を過ごしたことのある人はよくわかりますよね。
じゃ具体的に何を変えればいいかというと、まずはお金のシステムを変える必要があります。例えば税金を中止にする。金利システムのない、お金を流通させるシステムを作る。革命というより、平和的にシステムを変えること。
もう一つのフクシマは地球の許容範囲を超えます。だからこそ今。
自分も長く大手企業のマネージャーだったけど、世の中の在り方に気づいたときはやめましたね。他の人にも、気づいたら今まで通りに盲目に動くのをやめて考え直してほしいだけです。
我々は新しいお金のシステムのモデルを一つ作りました。他にも道はたくさnあると思います。我々のモデルは人道にかなったお金のシステム。これを適応するというのは、お金持ちから富を奪い取って貧乏に配るということではありません。そういう法律を作ればまた不公平なことになります。というのは現にいっぱいお金を稼いでいる人たちは、不正にお金をもらっているわけではありませんから。格差を生み出すシステムが不公平なだけです。
だから仮に来年から金利システムをもし止めたら、どうなるかというシステムを作りました。今裕福な人たちは150棟の一戸建て以上は持てなくなるだけです。そうすると、全ての人間は貧困層に陥る恐怖を乗り越えられるんです。今のシステムだとたくさんの人はお金で悩まされたり、寝れなかったり、怖がったり、自殺まで追い込まれたり… 暗い時代です。
でも変える方法は必ずあるはずです。
不景気ってよく言われますが、これはバーチャルの世界のものですよ。お店はものに溢れていて、人々はたくさんここにいるし、本当は全部大丈夫なんです。今はおかげさまでこの国では戦争もないですし、毎朝日が新たにのぼります。
でも今直面してる不幸は、ブリュッセルにいるお金持ちたちはEUという名前で国内の企業を休業に追い込み手切れ金を払うと同時に、遺伝子組み換えをしたい放題の大企業のモンサント社に田んぼを譲る実態です。
不景気とかそういうのは全部プラズマ画面上だけのバーチャルな話で、私たちとは関係ないのに。
今必要なのはお金が貯まるシステムではなく、お金が流通するシステムです。
それと土地利用についてのシステムが必要です。神に与えられた土地に値段をつけて売るというのはなぜできますか。今土地を持ってる人からそれを奪おうとはもちろんしないですよ。でも土地を利用する新しいシステムは考えました。
今はみんな土地を買って、その土地を高く売れるときを待ってるんですが、それもまた仕事に合った支払いではないんです。これはまた勤勉対裕福の社会を作るんです。
土地は、使用する土地の使用料を払うシステムにして、その料金が自分が使ってる土地を使えない他の人たちへの弁償金にもなります。今は地価税がありますけど、システム以外の誰もが得しないんです。新しいシステムでは誰もがそうやって土地の利用料金を支払います。もちろん大きさや内容によって金額は違います。そしてその土地利用料金の支払われた合計額を国民の皆さんに公平に分けます。それがみんなの生活費の基盤(基本給料)になります。生活保障ができました。
遅くともここで、「そんなの絶対無理だ!」とよく言われます。「現実的ではない」。でもそれは勘違いです。
今のシステムだと無理なだけです。金利があるから。今のシステムは格差を作り出すシステムで、いつか一方は何も所有しないで、他方は全てを所有するようなシステムだから無理です。
今のシステムは癌のようなものです。癌はどんどん大きくなる病気ですよね。今ボクたちは、その癌に勝つのに経済成長と言って、癌が大きくなるにつれて体を大きく膨らまそうとするような無茶ぶりをやってます。でも実際は平衡を持ち続けるのは不可能です。人間は成長しきったら165センチだったり180センチだったりして、それ以上大きくなれないんです。だけどそんな無理な成長を求める金利システムの中にいます。
システムを中止にすれば、実現できる世界像です。生活費は国から与えられて、さらに必要な分の仕事をします。仕事に疲れ果てることもなくなり、自由に生きることも許されます。
もう一つ。メディアを変えなければいけないです。メディアは今は支配されています。表現の自由、報道の自由というのは存在してないです。「あるよ」という人はうそつきでしかない。メディアに財政調整が必要です。小さな報道機関も、ゴールデンタイムに放送する権利が必要です。そうやって意見を一つ以上報道できるシステムになりますから。
一番大きな問題は、こういう対策を発表すると、今の権力者は「ぜひやりましょう」と言ってくれるわけがないですよね。それでも平和的にこのアイデアを早く実行したいです。
こうやってドイツの憲法うんぬん話してる間にフクシマで原発が爆発して世界が危機に陥ってるというのは、今の社会のエネルギー依存度の高さを物語っています。原発がなければエネルギーが足りないとか言われますけど、そのエネルギーはどこに消えて行くかわかりますか?一つの例でそのあほらしさがわかります:新しい車が売れるように、まだ普通に走れる車がスクラップにされます。これはエネルギーの無駄ではないですか?
「経済成長加速法案」とか、そういう言葉を考える人は朝どんなものを吸ってるか、知りたいです!
「ドイツ国民は自由な選挙の枠の内で新しい憲法作りを望むなら、憲法変更ができる」ということはドイツ憲法の中に書いてあります。
それが我々の目的です。
特に「経済」という項目を新しく作り直す必要があります。今の経済だと、例えば製薬会社の主な狙いは、「人を完治もせず死なせもしない」ということです。できるだけ長く、病気と戦わせてずっとお客さんでいてほしいからです。病気が増えた方が経済成長につながりますからね。
そんな馬鹿な世の中だから変更が必要です。医療に関しては、「国内総・生産・額」に足すのではなくて、引くのがいいのではないですか。
新しく作る中央銀行は、国民のものになります。政治家は今まで通り俳優で、今度は国民の意思を伝える役割になります。
今の世の中は、基軸通貨はドルなんですけど、実はそれはドルしか存在してないに等しいです。ユーロという名のドル、日本円という名のドルなどなど。外面が変わるだけで、中身が一緒なんです。私たちは払ってる税金も、株やってる誰かが予測間違えてミスったからというのも税金の内です。
聞いての通り、多様面で新しく対策を練る必要があります。
それが先ほど述べた4点がメインだと思います。
銀行の在り方。
土地利用の在り方。
基本生活費の在り方。
メディアの在り方。
残念ながらこういう対策を作っても、今の権力者は「喜んで明日から討論会に出してみます」なんていうわけがないです。笑われたり、無視されたりする方を予想した方が現実的です。ただそうなると何も変わらず、今まで通りみんなは毎日生き続けます。
そして末路が大きなクラッシュ!
今の政治家、メルケル首相は特にすぐに、「他に方法ないんです。ご理解を」というんですけど、他に方法がないという発言だけで私たちのインテリジェンスを馬鹿にしてるんです。どんなときでも道はたくさんあります。
ただ多くの人は国家破産というのを恐れています。誰もが何でも失うということになると思い込んでるからです。ここも勘違いです。
国家破産を奇麗に済ませられます。数年前にアルゼンチンが国家破産したとき、地図から消えたわけではありません。大量自殺もなかったし、海に沈まれたこともないです。ただみんなは元気になっただけです。
国家破産をシステム変更でいい方に向かわせることができますよ。そんなシステムのモデル一つを我々は作り上げました。我々はドリーマではなく、普通の数学者と科学者や経済学者の集まりです。
ドイツの作家ブレヒトの言葉で「不公平が進むと抵抗は義務です」という言葉があります。でもこれは紛争の意味ではありません。ただの抵抗ですよ。物理学でも「抵抗性」というのがあるんですけど、これも紛争とは関係ないのと同じです。
ただ新しいシステムを取り入れるのに、50%以上の人の賛成が必要です。国民の声で民主主義を取り戻したいです。今は民主主義ではないからです。
例えば実は税金というのは、本当はみかじめ料で民主主義では禁止されていますよ。政治家に給料があるというのも本当は民主主義ではないのです。民主主義というシステムは理解されてないのでここも勉強し直した方がいいです。本当は今ある選挙も民主主義では存在しないです。Democracyという言葉はギリシャ語由来で、demosは「村」という意味です。小さな集まりだからこそ人を騙したりすることのできない村。そしてその小さな村の中で暮らし、その村の問題点も肌で感じ取っている代表者がいて、他の村の代表者と集まり、話し合って、交流をします。それが民主主義です。今のような、法律を強行可決して、押し付けるようなシステムのどこが民主主義ですか?2000人が住む村だと、悪いことをする人はいられなくなるんです。でも今の世の中は、平気で人を騙したりする人は、気づかれないのでやりたい放題です。誰も見通しがありません。ビリュッセルなどEUの政治家はどんな議論会をするかは、我々は知らないです。政治家が表に出す難しい言葉の裏にどんな意味があるのかも我々は知らないです。「もし国民に私の言ったことが伝わったなら、表現が十分に不透明ではなかった」というような考え方の政治家が多いです。
今の世の中の成り立ち方は:
知る人は無知な人のおかげで生きてる。
無知な人は仕事があるおかげで生きてる。
そういうことです。
だから知識をつけて対策を練ることが大事です。
最後に、「殺人」の定義は、「人の命を奪う」ことである。でも今我々はやってることは、直接人を殺さなくても、人が殺されてもしょうがないというスタンスで「後は野となれ山となれ」思考で生きることです。
これも人の命を奪います。
だけど、今生きてる人々、我々の子供、これからの世代を守る必要があります。
今度自分自身の姿を鏡に映したとき、そのことを考えてください。そして、自分に何ができるか考えてみてください。

★★★

以上はアンドレアス・ポップの発表会のまとめでした。
ドイツの話だけど、多分そのまま日本や全世界に置き換えられるようなこともいっぱいあると思います。こんなに長い文章になってしまったのに、最後まで読んでくれた皆さんも考えるきっかけになればいいなぁ。
テレビを抜いて、自分の頭と直感を鍛えて、決められた路線ではなく、みんな手をつないで自分たちの歩みたい道を作りましょう。
このままじゃ、誰も勝ちっこないですからね。
もっと明るい未来になりますように☆