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今回は号外的に、この話題を書かないといけないでしょう
フィリピン、親中の"死刑執行人"がついに大統領へ
9日投開票のフィリピン大統領選は、実績はあるが暴言が絶えない“フィリピン版トランプ“と言われるロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長が、蔓延する犯罪や薬物問題を一掃した強いリーダーシップや現政権への不満を背景に、世論調査の支持率で他候補を大きくリードし、選挙戦を有利に展開。
フィリピンでは勝者決定には多数代表制が採用され、過半数を超えたか否かに関係なく、得票率が最も多かった候補者が次期大統領の座を勝ち取ることになり、（日本時間9日深夜の政府非公式発表や政府認可選挙監視組織「PPCRV」などによる情勢から）ドゥテルテ市長がフィリピンの新大統領に選ばれることがほぼ確定的となった。
一方で、教会で拾われた清廉潔白のイメージが売りの”元孤児“の女性上院議員のグレース・ポー氏や、アキノ大統領の後継指名を受け選挙戦終盤、組織力と資金力で支持率をじりじり上げてきたマヌエル・ロハス前内務・自治相は、結局、獲得票が伸びず、ドゥテルテ市長の”強固な指揮能力と強烈な個性”の前に自滅した格好だ。
若い有権者が選挙を左右
フィリピン選挙は近年、「ネット選挙」とも言われ、支持率だけでなくネット上のフォロワーの行方も注目され、ソーシャルメディアに左右される有権者の半数以上を占めるミレ二アル世代の若年層が投票結果のカギを握る。
（中略）
米国の統治下が半世紀に及んだフィリピンでは、こうした米国文化やその社会風潮を好む傾向が非常に強く、今回の選挙戦でもデジタルメディアの威力は絶大だった。
国内以上にネット拡散がヒートアップしていたのは、アジア最大、世界屈指の出稼ぎ大国のフィリピン経済を支える「国民的英雄」の海外在住のOFW （Overseas Filipino Workers＝海外労働者）だ。
フィリピンは、海外に常に1000万人以上の労働者を抱え、実に「国民の10人に1人」が出稼ぎ労働者。海外から送金される総額は1年間に約230億ドルで（2013年の政府公式統計。実際は約450億ドル=フィリピンの年間国家予算規模に相当するともいわれる）、ここ10年間で3倍増、実にGDP（国内総生産）の約1割にも達する。
海外労働者の動向も大きく影響
経済成長率平均6～7％前後とASEAN（東南アジア諸国連合）の中でも断トツの堅調な成長を下支えしているのがこうしたOFWである。
そんな経緯から、フィリピン政府もOFWの政治参加への優先的権利保護を重視しており、OFWを中心とした在外投票受付は先月、すでに受け付けを始めた。
登録有権者は約140万人で、OFWが稼ぎ出す送金は、フィリピン経済を支える外貨獲得源である背景からも、彼らの政治動向は注目され、国内有権者の候補者の嗜好をも左右するとも言われている。
米国の大統領選では、ヒラリー・クリントン氏やドナルド・トランプ氏らがインスタグラム（略称：インスタ）を愛用しているが、フィリピンでは、今回の大統領選候補者全員が、フェイスブックとツイッターを100％活用、選挙戦はSNSを舞台に展開されてきた。
特に、ドゥテルテ市長は、フェイスブックの「いいね数」ではロハス元内務自治相より多い160万人で、フィリピンで若者に絶大に人気の女子グループ「モカガールズ」や国民的英雄で世界的なプロボクサー、パッキャオの支持も取りつけ、ネットマニアの若年層有権者の取り込みに成功してきた。
アキノ政権が6年前に誕生し、経済発展の一方で貧富の格差はさらに広がり、その経済格差は犯罪の温床を招き、結果的に汚職が蔓延る結果となった。中でも、深刻化するのが、薬物問題だ。
処刑人の異名を取る
そんな中、ドゥテルテ氏は、悪名高き犯罪都市で知られたミンダナオ島のダバオ市長に1988年に当選。「犯罪者は殺す」と公言し、「処刑人（The Punisher）」「ダバオのダーティーハリー」の異名を取り、警察官が彼らを射殺することを奨励してきた。
その結果、劇的に治安を改善させ、今ではフィリピンで「最も住みやすい都市」（フィリピン観光省）と呼ばれ、外資を誘致し、高い経済成長をも実現させた。
「『ダバオ・デス・スクワッド（DDS）』という自警団があり、彼らは犯罪者を見つけると、白昼堂々射殺。背後にはドゥテルテ氏がいるとされ、処刑にはドゥテルテ市長自ら銃を持って参加する」（マニラの大手新聞ジャーナリスト）とも言われるほどだ。
さらには、選挙戦では、犯罪対策に焦点を当て、「麻薬密売人はすべて殺せ」などと警察官による犯罪者の射殺容認を強調する上、大統領になった暁にはアロヨ政権下ですでに廃止となった死刑制度も復活させ、10万人を処刑するとも公言している。
就任半年以内の犯罪撲滅や、フィリピンだけでなく、インドネシアやマレーシアなどでも腐敗や汚職の温床のきっかけとなっている軍人や警察官の低賃金の引き上げを公約している。
こうした厳格な犯罪取締の実績を誇るドゥテルテ市長を出馬当初から応援してきたのは、紛れもないフィリピン経済を支えているOFWで、フェイスブックやツイッターで支持を拡散してきた。
海外の日系企業に勤務する27歳のシンディーさんもドゥテルテの熱狂的な支持者（上の写真）。筆者のインタビューに応じ、「世界に散らばるフィリピンのFOWは皆、ドゥテルテを支持している。何十年も蔓延している犯罪の撲滅なしには、フィリピンの将来的な発展はない。その夢を叶えてくれるのは、ドゥテルテだけ」と言い切る。
（中略）
犯罪撲滅が経済発展のカギに
その中で、日本政府の代表者は「ベトナムと隣接するフィリピンは日系企業の投資先として特に労働市場の将来性において最重要の戦略国となる。もし、（ドゥテルテ氏が公約しているように）6か月以内にフィリピンの犯罪問題が劇的に改善されれば、投資を推進する準備はある」「日系企業のトップや幹部の身の上が保証されればインフラ投資を進めたい」と話す。
韓国政府の代表者も「フィリピンの大統領選で犯罪撲滅が最重要課題に上っていることを大歓迎している。韓国企業はフィリピンでの何百にも上る工場建設計画を棚上げしているが、その最大の要因は、犯罪。フィリピン南の市長が犯罪撲滅に貢献しており、その候補が大統領になれば長年の懸案が解消される可能性がある。多くの韓国企業トップや関係者が誘拐されたりする危険性もなくなる」と指摘する。
名指しはしなかったものの、日本や韓国両政府は、ドウトルテ市長が大統領に就任した場合の期待を国際社会にアピールしたとみていいだろう。
その一方でドウトルテ市長の国政や外交など一国の首長としての資質に疑問を投げかける声も根強く、「大統領が後継指名したロハス元内務自治相や、アキノ路線継承を主張してきたポー氏が理想」（米政府関係者）とする声がある。
ダバオには戦前、約3万人の日本人が麻栽培などで職 を求め移住した歴史があり、ドゥテルテ市長も父親からその歴史を言い伝えられ、「知日」だと言われる一方、「独裁的に政策を急転換することも予想され不安も隠し切れない」（日系企業幹部）との見方もある。
外交政策の重点課題の南シナ海問題でも、「フィリピンが領有権を持つ」「ジェットスキーに乗って、中国の人口島にフィリピンの国旗を立てる」と主張し、今年1月に最高裁が合憲とした米比防衛協力強化協定（EDCA）について支持する立場を表明する一方、「中国とは独自に直接対話する」と発言するなど、米国との同盟関係を優先する現アキノ政権と一線を画して、中国寄りの政策を取る事態も想定できる。
そうした場合、ASEAN全体で取り組んできた南シナ海情勢で地政学的バランスを崩しかねない。ドゥテルテ氏にとってはアキノ路線の政策継承は、現政権の不満票を彼にぶちまけた有権者からのポプュラリティを失うことにつながり、大統領に就任すれば自らの立場を危うくする可能性をも意味する。
その意味では、長年の犯罪・薬物問題撲滅の実績に期待し、「インフラ投資重視」のドゥテルテ氏の経済政策は、アジア投資拡大を狙う日本にとって朗報である一方、いざ国政や外交舞台でどのような政策や手腕を見せるかは、要注意で全くの未知数でもある――。
（出典元：JBpress）
9日投開票のフィリピン大統領選は、実績はあるが暴言が絶えない“フィリピン版トランプ“と言われるロドリゴ・ドゥテルテ・ダバオ市長が、蔓延する犯罪や薬物問題を一掃した強いリーダーシップや現政権への不満を背景に、世論調査の支持率で他候補を大きくリードし、選挙戦を有利に展開。
フィリピンでは勝者決定には多数代表制が採用され、過半数を超えたか否かに関係なく、得票率が最も多かった候補者が次期大統領の座を勝ち取ることになり、（日本時間9日深夜の政府非公式発表や政府認可選挙監視組織「PPCRV」などによる情勢から）ドゥテルテ市長がフィリピンの新大統領に選ばれることがほぼ確定的となった。
一方で、教会で拾われた清廉潔白のイメージが売りの”元孤児“の女性上院議員のグレース・ポー氏や、アキノ大統領の後継指名を受け選挙戦終盤、組織力と資金力で支持率をじりじり上げてきたマヌエル・ロハス前内務・自治相は、結局、獲得票が伸びず、ドゥテルテ市長の”強固な指揮能力と強烈な個性”の前に自滅した格好だ。
若い有権者が選挙を左右
フィリピン選挙は近年、「ネット選挙」とも言われ、支持率だけでなくネット上のフォロワーの行方も注目され、ソーシャルメディアに左右される有権者の半数以上を占めるミレ二アル世代の若年層が投票結果のカギを握る。
（中略）
米国の統治下が半世紀に及んだフィリピンでは、こうした米国文化やその社会風潮を好む傾向が非常に強く、今回の選挙戦でもデジタルメディアの威力は絶大だった。
国内以上にネット拡散がヒートアップしていたのは、アジア最大、世界屈指の出稼ぎ大国のフィリピン経済を支える「国民的英雄」の海外在住のOFW （Overseas Filipino Workers＝海外労働者）だ。
フィリピンは、海外に常に1000万人以上の労働者を抱え、実に「国民の10人に1人」が出稼ぎ労働者。海外から送金される総額は1年間に約230億ドルで（2013年の政府公式統計。実際は約450億ドル=フィリピンの年間国家予算規模に相当するともいわれる）、ここ10年間で3倍増、実にGDP（国内総生産）の約1割にも達する。
海外労働者の動向も大きく影響
経済成長率平均6～7％前後とASEAN（東南アジア諸国連合）の中でも断トツの堅調な成長を下支えしているのがこうしたOFWである。
そんな経緯から、フィリピン政府もOFWの政治参加への優先的権利保護を重視しており、OFWを中心とした在外投票受付は先月、すでに受け付けを始めた。
登録有権者は約140万人で、OFWが稼ぎ出す送金は、フィリピン経済を支える外貨獲得源である背景からも、彼らの政治動向は注目され、国内有権者の候補者の嗜好をも左右するとも言われている。
米国の大統領選では、ヒラリー・クリントン氏やドナルド・トランプ氏らがインスタグラム（略称：インスタ）を愛用しているが、フィリピンでは、今回の大統領選候補者全員が、フェイスブックとツイッターを100％活用、選挙戦はSNSを舞台に展開されてきた。
特に、ドゥテルテ市長は、フェイスブックの「いいね数」ではロハス元内務自治相より多い160万人で、フィリピンで若者に絶大に人気の女子グループ「モカガールズ」や国民的英雄で世界的なプロボクサー、パッキャオの支持も取りつけ、ネットマニアの若年層有権者の取り込みに成功してきた。
アキノ政権が6年前に誕生し、経済発展の一方で貧富の格差はさらに広がり、その経済格差は犯罪の温床を招き、結果的に汚職が蔓延る結果となった。中でも、深刻化するのが、薬物問題だ。
処刑人の異名を取る
そんな中、ドゥテルテ氏は、悪名高き犯罪都市で知られたミンダナオ島のダバオ市長に1988年に当選。「犯罪者は殺す」と公言し、「処刑人（The Punisher）」「ダバオのダーティーハリー」の異名を取り、警察官が彼らを射殺することを奨励してきた。
その結果、劇的に治安を改善させ、今ではフィリピンで「最も住みやすい都市」（フィリピン観光省）と呼ばれ、外資を誘致し、高い経済成長をも実現させた。
「『ダバオ・デス・スクワッド（DDS）』という自警団があり、彼らは犯罪者を見つけると、白昼堂々射殺。背後にはドゥテルテ氏がいるとされ、処刑にはドゥテルテ市長自ら銃を持って参加する」（マニラの大手新聞ジャーナリスト）とも言われるほどだ。
さらには、選挙戦では、犯罪対策に焦点を当て、「麻薬密売人はすべて殺せ」などと警察官による犯罪者の射殺容認を強調する上、大統領になった暁にはアロヨ政権下ですでに廃止となった死刑制度も復活させ、10万人を処刑するとも公言している。
就任半年以内の犯罪撲滅や、フィリピンだけでなく、インドネシアやマレーシアなどでも腐敗や汚職の温床のきっかけとなっている軍人や警察官の低賃金の引き上げを公約している。
こうした厳格な犯罪取締の実績を誇るドゥテルテ市長を出馬当初から応援してきたのは、紛れもないフィリピン経済を支えているOFWで、フェイスブックやツイッターで支持を拡散してきた。
海外の日系企業に勤務する27歳のシンディーさんもドゥテルテの熱狂的な支持者（上の写真）。筆者のインタビューに応じ、「世界に散らばるフィリピンのFOWは皆、ドゥテルテを支持している。何十年も蔓延している犯罪の撲滅なしには、フィリピンの将来的な発展はない。その夢を叶えてくれるのは、ドゥテルテだけ」と言い切る。
（中略）
犯罪撲滅が経済発展のカギに
その中で、日本政府の代表者は「ベトナムと隣接するフィリピンは日系企業の投資先として特に労働市場の将来性において最重要の戦略国となる。もし、（ドゥテルテ氏が公約しているように）6か月以内にフィリピンの犯罪問題が劇的に改善されれば、投資を推進する準備はある」「日系企業のトップや幹部の身の上が保証されればインフラ投資を進めたい」と話す。
韓国政府の代表者も「フィリピンの大統領選で犯罪撲滅が最重要課題に上っていることを大歓迎している。韓国企業はフィリピンでの何百にも上る工場建設計画を棚上げしているが、その最大の要因は、犯罪。フィリピン南の市長が犯罪撲滅に貢献しており、その候補が大統領になれば長年の懸案が解消される可能性がある。多くの韓国企業トップや関係者が誘拐されたりする危険性もなくなる」と指摘する。
名指しはしなかったものの、日本や韓国両政府は、ドウトルテ市長が大統領に就任した場合の期待を国際社会にアピールしたとみていいだろう。
その一方でドウトルテ市長の国政や外交など一国の首長としての資質に疑問を投げかける声も根強く、「大統領が後継指名したロハス元内務自治相や、アキノ路線継承を主張してきたポー氏が理想」（米政府関係者）とする声がある。
ダバオには戦前、約3万人の日本人が麻栽培などで職 を求め移住した歴史があり、ドゥテルテ市長も父親からその歴史を言い伝えられ、「知日」だと言われる一方、「独裁的に政策を急転換することも予想され不安も隠し切れない」（日系企業幹部）との見方もある。
外交政策の重点課題の南シナ海問題でも、「フィリピンが領有権を持つ」「ジェットスキーに乗って、中国の人口島にフィリピンの国旗を立てる」と主張し、今年1月に最高裁が合憲とした米比防衛協力強化協定（EDCA）について支持する立場を表明する一方、「中国とは独自に直接対話する」と発言するなど、米国との同盟関係を優先する現アキノ政権と一線を画して、中国寄りの政策を取る事態も想定できる。
そうした場合、ASEAN全体で取り組んできた南シナ海情勢で地政学的バランスを崩しかねない。ドゥテルテ氏にとってはアキノ路線の政策継承は、現政権の不満票を彼にぶちまけた有権者からのポプュラリティを失うことにつながり、大統領に就任すれば自らの立場を危うくする可能性をも意味する。
その意味では、長年の犯罪・薬物問題撲滅の実績に期待し、「インフラ投資重視」のドゥテルテ氏の経済政策は、アジア投資拡大を狙う日本にとって朗報である一方、いざ国政や外交舞台でどのような政策や手腕を見せるかは、要注意で全くの未知数でもある――。
（出典元：JBpress）
もう昨日から今日にかけて、FBのタイムラインは選挙関係のポストで埋め尽くされ、選挙速報が随時誰かしらから更新され、
次期フィリピン新リーダーへの関心が怖いくらいに高まっていました
しかし、これだけ若者が政治に関心を持ち、一所懸命に、そして心からドゥテルテ市長の大統領選出を応援している光景を見て、日本では考えられないな、と思いました。
そして、これだけの本気の国民の気持ちにドゥテルテ市長、いやドゥテルテ大統領は是非応えてほしいと思います。
また、個人的には、ダバオの知名度が日本でもっともっと上がればいいな、と思います。
上記記事にもあるように、日系企業がダバオやフィリピンの良さに気づき、ダバオを含めフィリピンに進出してきてくれれば双方にとってプラスになります
とにかく、おめでとうございます、ドゥテルテ新大統領
期待しています！！CHANGE IS COMING!!
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