地方自治体の首長が直接選挙で選出されることについて | 真の国益を実現するブログ

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7月2日の東京都議選挙では、小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」が過半数とはいかないでしょうけど、安倍政権の支持率急落もあり、それなりの議席を確保しそうです。
http://www.sankei.com/politics/news/170609/plt1706090059-n1.html

今後、公明党と組んで東京都政を牛耳っていくのでしょう。
これは、大阪府市で行われてきた政治状況と全く同じです。大阪では、橋下徹人気にあやかり、松井一郎等が現在で言う「大阪維新の会」を立ち上げ、知事市長職に就き、議会で第一党となり、公明党と組んで大阪を牛耳っています。
大阪の状況と言えば、先般拙ブログでも紹介した次の記事のとおりです。
『「自公」ではなく「維公」で大阪が壊れる?〈AERA〉』


さて、9月予定の堺市長選挙においては、地元出身の元読売テレビアナウンサーの清水健氏の動向が話題となっています。
『堺市長選 清水氏が出馬辞退 元読売アナ「がん基金に専念」』

大阪維新の会が擁立に動いていたようですが、どうやら出馬を辞退するようです。大阪維新の会としては、さぞかしがっかりしていることだと思います。政令市である堺市を押さえれば、いわゆる大阪都構想が一歩前進しますから。
現職が強いと言われる地方選挙ですが、知名度には勝てませんからね。まだ清水氏の出馬に関して予断は許さないでしょうが、堺市の自治はなんとか守られそうですね。


地方自治体の二元代表制について説明しておきます。
地方自治体の首長は議員と同様に、住民による直接選挙で選出されます。これをもって、二元代表制と言われます。行政府である内閣が国会で選出される国政と、そこが大きく異なります。

地方自治法第179条では、議会が成立しないときにおいては、特に緊急を要する場合や議会が議決すべき事件を議決しない場合に、首長が専決処分できるとあります。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO067.html

首長の優位と言われたりしますね。

したがって、住民による選挙時の判断が非常に重要になってきます。しかしながら、近年大阪をはじめとして、行政実務に見識がなく、公共という概念を理解していない首長が誕生し、当該自治体、ひいては周辺自治体にも混乱を巻き起こしています。

小池都知事の場合は行政経験はあるのでしょうが、公共というか理念的なものが空っぽなので、豊洲市場移転問題しかり、東京五輪競技地問題しかり、とんでもない経済的損失等々、そして周辺自治体も混乱の渦に巻き込みました。


全国どこでも、テレビ等マスコミへの露出度が高い、あるいは敵をつくって無意味な改革を叫ぶ、このような人物が当選する確率が高まっています。

この傾向が続けば(おそらくは、今後より一層そのような傾向は強まるでしょう)、大阪や東京に限らず、政令市等大都市で次々とテレビ等で名の知れた芸能人やデマゴーグが首長に就任し、地に着いた理性的なバランスのとれた施策を展開することが難しくなっていくと思われます。

こうなれば、首長の直接選挙制度の廃止しかないのですが、これは日本国憲法で定められています。また、改憲論議においても、俎上に上がっていないと思います。
改善出来るとすれば、立候補要件において、一定の行政経験を入れることくらいでしょうかね。

地方行政においては、多くの業務が国の定めによる制度の執行にとどまるのですが、住民の生活に直結する基礎的自治体ですので、行政経験なしに手腕を発揮するのは、よほど行政実務に精通したブレーン等がいない限り無理でしょう。もちろん、行政経験があろうとも、小池百合子といったような、中身が空っぽな人物ではどうしようもないのですが。。。

ところで、過日、小池知事や松井知事のような無責任な首長にとっては、ありがたい自治法の改正がありました。
https://mainichi.jp/articles/20170603/k00/00m/010/069000c
自治体の公金支出を巡る住民訴訟で敗訴した首長らに対する損害賠償額に上限を設ける改正地方自治法が、2日の参院本会議で、与党などの賛成多数で可決、成立した。首長ら個人の支払い能力を超える巨額の賠償負担を抑えるのが狙い。公金支出への関与が「善意であり、重大な過失がない」場合に限り、上限を適用する。

この自治法改正で、ますます頭に乗るのではないでしょうか。議会の与党が多数を占めていれば、なおさらですね。権利放棄議決をしてもらえれば、賠償責任そのものからも逃れられます。



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