コクがあるのにキレがある、LET IT BLEED | ONE HIT TO THE BODY

コクがあるのにキレがある、LET IT BLEED

高校生の時からずーっと洋楽ファンをやってます。
好きなアーティストは一杯いますが一番ライブを見たいアーティストは?と聞かれると迷わずローリング・ストーンズと答えます。
理由はというと単純に大好きだからという答えしかないのですが、そのストーンズの一番のピークと思われる時期にでたアルバムが「LET IT BLEED」です。
この頃のストーンズはメンバーは薬でぼろぼろ、初期のリーダーのブライアン・ジョーンズにいたってはほとんど演奏もできないという状態でした。(その後、亡くなってしまうのですが)後任のミック・テイラーも参加しています。
にもかかわらずこのテンションの高さ!!ライ・クーダーをはじめ外部のミュージシャンの力を借り(パクリ)まさにロック史に残る名盤に仕上がっています。
アルバムのテーマはアメリカ南部。それにキースがこの頃つるんでいたグラハム・パーソンズの影響でカントリーというところでしょう。
オープニングの「GIMMIE SHELTER」のイントロのギター、その後に続くまるで呪術のようなコーラス、ミックの悪魔のようなボーカル、全てが完璧です。さすが憧れの不良バンド!!
続くロバート・ジョンソンの絶品カバー「LOVE IN VAIN」、ホンキー・トンク・ウィメンのカントリーバージョンの「COUNTRY HONK」とアコースティックなブルース&カントリーナンバーが続きます。
タイトル曲の「LET IT BLEED」でのタメのきいたドラムと転がるようなピアノの美しさ、それとこれ以降ライブでのハイライトになる「MIDNIGHT RAMBLER」。緩急をつけながらぐいぐい引っ張るミックのボーカルとブルースハープ、チャーリーのドラムは他のバンドには出来ない独特のコクとグルーブ感です。この曲何度かライブで見ましたが、ストーンズというバンドの本質を見た気がしました。ある意味ホワイトブルースの頂点だと思います。
そしてジャンキーのことを歌った痙攣する快感の「MONKEY MAN」、荘厳なコーラスで始まりフレンチホルン、キースのギターが印象的な「YOU CAN'T ALWAYS GET WHAT YOU WANT」は ドラマティックな展開で終わります。
バンドとしてはめちゃめちゃな状態にありながらも、薬の勢いと才能でこういう作品を作り上げたストーンはやっぱりバケモノです。おそるべし、ジャンキーパワー!!




アーティスト: ザ・ローリング・ストーンズ
タイトル: レット・イット・ブリード