洋花を入れるとあらば趣きの
主たるものにぞなると知るべし 道舜
久しぶりの道歌です。
この時期、ミモザの花の話題がよく取り上げられます。だからといって安易に茶花に入れる方を見るとざんねんな気持ちになります。
こう言うと、「あの人は原理主義者だから」とか「うるさい人ね!」と反発されるのですが、少し勘違いをされているなーと感じます(笑)
私は何も「洋花を絶対に入れてはいけない」と言っているのではありません。
それが趣旨や趣向であるならば入れてもよいのです。
私が大事にしているのは基本であり、「常なるものとして入れるものではない」と言っているに過ぎません。
クリスマス茶会にクリスマスローズなどを入れるのは宜しいのでは?(洋花に詳しくないのであと何があるか分かりませんが)
つまり、洋花などの渡来の花は、「趣旨」として使う分には良いのです。
稽古で使わないのは稽古が「常なるもの」であり、霽(は)れと褻(け)で言えば褻にあたるからです。
それに対し茶会は霽れ。
つまり、特別な日です。
ミモザの茶会として、すべての道具にミモザにつながる物語を添えられるのであれば大いに結構と思うのですが、如何ですか?
弟子が「沖縄をテーマにした茶会をしたい」と言った際に「では琉球風炉を買いましょう」と買わせましたが、何らかの趣旨(例えば名古屋の紅雲庵さんがなさったベルばら茶会のようなテーマ)があるのならば、それに対して道具を持っている必要があるのです。
ここで出てくるのが「見立て」です。
登場人物や建物、風景、取り合わせなどで何かを表現します。
前に大喧嘩の原因になったガンダム茶会を例にとってみます。
海は青海波、それに、港を描いた洋風の道具でオデッサを表す……となると、港を描いた道具って何がありましたかね?
黒と紫と赤の入った十字の道具を作らせてドムに見立て、これを三つ使う……となると茶盌ですかね。
白漆の台子と白磁の皆具でホワイトベース、釜はアッザム、萩の茶入がガンダムで、仕覆も白地に青と赤と黄色の入った裂地を探してきて。建水は四角い紺とあかと鉄色のものでガンタンク、蓋置は真っ赤な一閑人でガンキャノンに見立てますか?
どれも見立てるだけでは難しいので、ある程度お金を掛けて作る必要があります。
変わった茶会を開くのがどれだけ大変かご理解いただけましたでしょうか。