役行者ゆかりの寺~吉野・天川の旅 | 「私的」奈良のお寺巡り~仏像の魅力

「私的」奈良のお寺巡り~仏像の魅力

あくまで「私的」な目線で奈良のお寺、特に仏像について感じたこと、もしくは読んで下さる方々に意見を求めたいと思います。

どうも、darkhorse_1971です。


ゴールデンウイークどうでしたか?


私はいろいろやることがあり忙しかったです。そんな中5/5に奈良・吉野に行ってまいりました。


吉野といえば修験道の行場でも有名ですが、特に役行者に縁のあることで有名です。


私の好きな室生寺や前回たずねた観心寺や当麻寺の創建にも役行者が関わってるわけで、とても重要な人物です。


今回初めて行く吉野ですが、もう一か所行きたいのが天川村です。


天川村といえば、「天川伝説殺人事件」。・・・TV浅見光彦シリーズでも舞台となった場所です。


この天川村にある天川弁財天神社、龍泉寺。ともに役行者ゆかりの寺社仏閣です。


今回出発前に天川村のことを知りたくてinkyodansi21さんの「奈良県の天川村は自己を見つめなおし、新たな始まりを求める人が訪れるところ。 」というブログをチェック。


この方、若くしてIT事業を立ち上げた方で日本の原風景を見たくて奈良・天川村へ来たとのこと。


飛鳥村にも日本の原風景を感じましたが、山奥にある天川村ははたしてどんな感じだろう?


天川村のパンフにはこんな記事が・・・


「奈良時代の前、飛鳥時代の壬申の乱、弘法大師の参籠や藤原道長など平安貴族の参詣、再起を図る南朝天皇や観世十郎元雅など、山中に籠もった円空や西行の歌・・・。」など多くの歴史的背景がこの村にはあるそうです。


壬申の乱のように歴史が大きく動いたり、今も当時の面影を残すこの土地は日本の原点で、この土地の自然や史跡に触れることが、自己の原点を見つめることだと言ってます。


ということは今回の訪問は自分にとって、ただの寺社仏閣巡りだけでなく大きな転機になるようなことなのかなと・・・?


まあ、おおげさな解釈は置いといて、仏像好きとしては(初心者ですが)数々の寺の創建に携わった方のルーツに近づきたいという思いでいざ、吉野・天川へ!


車で4時間近くの移動。


まずは天川村へ。そして龍泉寺へ





龍泉寺の縁起は・・・役行者が修行の際に岩場から水が湧き出してたのを発見。泉のほとりに八大竜王尊をお祀りしたのが龍泉寺の始まり。行者は竜神のパワーをもらいたくて竜神のいそうな場所を探すらしいです。(占い師談)



観光寺ですが地元の檀家寺もあります。拝観無料。境内は大きくはないんですがバランスよくまとまった感じで、池やお滝場があり、ところどころお不動さんやお地蔵さんが祀られたり・・・。見る人を飽きさせない印象。             

                   竜の口・水行場




                 お滝場のお不動さん


                   本堂


ご本尊は弥勒様ですが神聖殿には観音様が祀られております。 竜神さんと観音さん(弁財天)は基本的にセットみたいです。 戦うシンボルとしての竜神を観音や弁財天が調教してバランスを取るらしいです。(占い師談)ちなみに私の竜は戦意喪失状態(笑)。でも今年初めまで「大和八十八面観音巡礼」のおかげか、少しは蘇生したかも・・・。

                   神聖殿



天川大弁財天社


      龍泉寺から車で10分ほどです。


      山々に囲まれて、厳かな雰囲気。


      芸能人も奉納したりで・・・。






      参拝後、お札を購入。そして「古代みくじ」を引いたら大吉!




でも印字がかすれてるし、意味もわからないので神主さんに聞きました。

「たとえ、末っ子でもその家を継ぐだけの力があるし、苦労はしても種をまけば大きい実がなる。とてもいい運だよ。」


私、長男ですけど・・・。でもその言葉にきを良くし、如意輪寺へ。


道中、車窓から見える山々と川。最高!




如意輪寺


途中トンネルや、すれ違いできないような林道を通り一時間ほどで到着。

周りは木々に囲まれた静かなところ。



残念ながらご本尊は拝めませんが、後醍醐天皇自作の像は拝観できました。

                   本堂




                 楠木正行公の銅像


 そして最後に金峯山寺へ移動。


金峯山寺


正直来たいとは思ってませんでした。吉野といえば桜という印象が強いし、一般のお寺、つまり純粋に仏教を教えとするお寺と比較した時に「修験道のお寺」が何か異質なものに感じてしまって,そこに魅力を感じるのかと?

でも実際に参拝してみると・・・








今回、ご本尊の金剛蔵王権現が特別開帳で公開されていました。


とてもラッキーと思い中に入ると・・・。


正面に三体、憤怒の表情でこちらを睨みつけてる・・・。大魔神をまじかで見てるような迫力。

その青い顔や体のところどころが青いのは慈悲の心の表れだそうです。おもいっきり怒ってるのにその内面は慈悲にあふれてるなんて・・・。



スケール的には長谷観音には及ばないと思いますが圧倒されるのはこっちですね。


あと驚いたのは、堂内に使われてる柱。普通のお寺はマルなり、角なり加工された木をしようしてますが、ここは原木をそのまま使ってます。修験道の寺はみんなこんな感じ。だから堂の中にいながら山の中に蔵王権現やら如来、菩薩の像と向き合ってるような感じです。


権現さんの周りにある仏像を拝観し終えると、権現さんにさらに近づいたところに簡易な障子で仕切られててそこで、一人一人が熱心にお祈りをささげてます。順番がきて案内の方に通されると線香が一本供えられてます。合掌して祈ります。このとき懺悔の心で一心に祈ると三代にわたり権現さんの功徳がいきわたるそうです。

お堂を出ると、一心に祈りが届いたのか朝からの遠距離ドライブと多少の緊張で疲れていたのに一気に快方へ。


そのあと調子に乗って、受験生や頭の病気にご利益があるという脳天大神へ。





400段以上もある石段を下り参拝。



ぜえぜえ言いながら、帰りの石段を登り切り、あらためて蔵王権現の安置してある本堂を眺めると、とてもいい感じのお堂だなあって。


今回、役行者のルーツを自分なりに探る旅でしたが・・・。

大峰山や吉野山など今も自然に囲まれたこの地で行者達の霊が今も修行してるんじゃないかって。

観光客だけでなく行者の霊のためにも末永く維持されますように・・・そんな思いで山を下りました。


                金峯山寺の御朱印


次回は地元愛知県の寺・滝山寺について書きます。

宜しくお願いします。