佐藤秀峰先生の試みは単なる同人出版なのか | 日々だらくだるく

佐藤秀峰先生の試みは単なる同人出版なのか

出版社の力を借りないマンガって・・・単なる同人じゃん? - FANTA-G - 楽天ブログ(Blog)
内容
ほぼタイトルどおり
佐藤秀峰先生が出版社にキレてもう雑誌では書かないといったことに対するお話


いやいや、ぜんぜん同人じゃねーよ
といいかけましたが、よく考えるとあながちはずれじゃないのかもしれない

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1、宣伝してもらえるか怪しい
まず宣伝です。
上のリンク先でもちょっと触れていますが、漫画誌から姿を消すというのは漫画化生命終了レベルのやばい代物です。
今雑誌の出版部数は軒並み減少していますが、それでもバカにならない数が出ており(少ないところでも数万)立ち読み派も含めれば雑誌に掲載されるということの宣伝効果というのはバカになりません。(もちろん有名な先生の作品が逆に雑誌の宣伝になっていることも否定はできない)

ウェブページでもそれなりの閲覧数は望めますが、ウェブにはひとつの落とし穴があります。
それは「それを強く望む人しかそれにたどり着けない」というフィルターがかかっているということです。

今でこそ大注目を浴びていますが、飽きっぽい日本人のことです。いつまでも佐藤秀峰ブーム(?)が続くというのは考えにくい。
そうなると毎回チェックしてくれるのは熱烈なファンぐらいとなってしまうことも考えられます。
個人ニュースサイトが支えてくれたとしても漫画好きまで。
ヤフーなどの一般人が訪れるポータルページなどには見向きをされない可能性が高いでしょう(それこそ金を出して宣伝してもらわない限り)
残る希望は書店員さんの地道なプッシュぐらい。

漫画は一般人に売れて何ぼです。
とくに佐藤秀峰先生のような社会派の漫画家は一般人に売れないと絶望的。
一般人に売れるにはよく日の当たるところで活動していないときびしい。
そもそもあんなフラッシュ使いまくりで重いページじゃ本当にマニアしか(ry

ウェブでの宣伝ってほんとうに難しいですよ・・・

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2、販路が怪しい
第二に販路です。
同人誌と単行本の差がこの販路であり、一般の書店においてもらえるかどうかの分かれ目です。具体的には取次。
まあ、佐藤秀峰先生ぐらいになれば取次に仕入れてもらうのなんか楽勝でしょう!と思っていたのですが。

はたしてあれだけ出版社にけんかを売ってただで済むのでしょうか?

日本の社会はコネと圧力でできています(言いすぎ)
出版社が「むちゃくちゃ売れる本まわさねえぞゴラァ!」といってしまえば超強力な圧力になります。
自分が出す本が同じくらいでかい出版社なら屁でもないですが、佐藤秀峰先生が出す本は今後個人出版となります。勝てません。
そうなるとそういった圧力に屈しないところに頼るしかないのですが、そういうところはたいがいコネが重要だったりします。感情が重要ですから。

取次が無理となると直接の売り込みとなるのですが、取次はたくさんの出版社と書店の間に生まれるであろう大量の契約を、自分が間に入ることによって大幅に減らす役割を担っています。
配本数などの調整も業務としてあるわけですが、とりあえず契約業務の煩雑さを低減してくれるというのが取次が存在する最大の理由です(すくなくとも自分はそう思っている)
配本数なんかは出版社に直接言えるほうが断然うまく配ってくれるはずだし(生産数の調整方法から言って)

さて、全国に数万あるという書店。これらすべてを個人事務所で対応できるのか?
絶対無理です。
取次ならトーハンと日販をおさえておけば、終わりだというのに・・・
取次ってすげえな!
何社とかは契約できるでしょうが、それなんて同人?と言われかねません。

つまりは出版社が取次に圧力をかけてしまうと、
ざんねん!!さとうせんせいのこころみはここでおわってしまった!!となるわけです。


あの出版社とかあの出版社とかが大人の対応をしてくれればいいのですが、それはあまり望めません。
なぜなら、出版社としては失敗して欲しいから。

当然ですが、出版社が一切かかわりを持たない出版はそれが出す利益のおこぼれに出版社がかかわれないということ。
そんなもので成功例を出されたら、まねする人が出てきてもおかしくない。
有名な漫画家にそれをやられたら利益減。
とくに漫画は利益が出やすい商品なのでそれにかかわれないというのはあってはならないこと。
そんなもの認めるわけにはいかん!というのが自然な流れ。

とはいえ邪魔するのにはやっぱり社会的に大義名分がいるというもの。普通はそうそう邪魔できない。
ですが今回は「佐藤秀峰に散々貶められた」という社会的に認められそうなちゃんとした目くらましが存在します。
出版社側が邪魔をしない理由がありません。なんと言う絶望。

もしかしたら、取次どころか印刷まで邪魔される可能性も・・・それはさすがにないか。

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強大な相手に立ち向かう佐藤先生にはがんばって欲しいですが、コネと圧力が飛び交う(また誇張か!)日本では
どうにもならずに終わる可能性が高そうです。
それでも何度死のうがあきらめずにやっていればきっとなにふじゆうないせいかつが訪れるでしょう。
でもぼうけんのむしがこころのおくでさわぎはじめ

うん、無理あるなこのネタ。