前回までのあらすじ



「響けこころ」-がとあぷ


「ゴブリン・・」


「ちかちゃん。ごきぶりがどうしたって」


「ったく・・にゃあご静かにしててよっ」


ちかちゃんはにゃあごの口を手で塞いだ。


理事長はゆっくり椅子から立ち上がると

壁のスイッチを押した。


するとゴーと言う音とともに天井から大型の

スクリーンが下りてきた。


「ゴブリンは私達ライムズとは真反対の組織なの」


「私達ライムズが日本の青少年達の未来と成長を

守る立場だとしたら彼らはその未来ある青少年達

にありとあらゆる悪事を植えつけようと企むとんでも

ない組織なの」


「たとえばこれを見て・・」


理事長がそう言うと次々にゴブリン達の悪行が

スクリーンに映し出されていった。


「アメリカの高校での銃乱射事件・・」


「各国のスラムでのストリートギャング達・・」


「日本の低年齢化した覚せい剤所持・・」


「これらすべてがゴブリンの仕業なの」


「表に出てない彼らの仕事はこのほかにも

数え切れないほどあるわ」


「最近都内で起こっている原因不明の自殺や

超常現象などもすべて彼らの仕業なの」


「聞くところでは文科省の上層部にも彼らの

幹部が入り込んでいて事件をもみ消している

らしいいの」


「彼らの目的はただひとつ・・」


「全世界の未来ある青少年に不安と恐怖を

与え争そいの種をまき続けこの世から平和な

世界を奪い去ること・・」


「そして人類を我が手中に収める事なの」


理事長はそこまで話すと早紀先輩の方を見て

椅子にかけるように促した。


早紀先輩は指示されるまま理事長の机の前に

置かれた椅子に腰を下ろした。


「お話は大体分かりましたが私達にどうしろと

言われるのですか・・」


早紀先輩はまた強い口調で理事長に詰め寄った。


「なんか凄くスケールの大きな難しい話だにゃん」


「ほんと・・マザーグースの会にこんな秘密が

 あったなんて・・少し怖くなってきちゃった」


ちかちゃんとにゃあごは顔を見合わせ肩を竦めた。


「つづく」



「響けこころ」-高見ちか