皆さん今晩は
埼玉県川越市で公認会計士税理士事務所を開業している代表原 浩一です。ご覧いただきありがとうございます。
今日は複合三部形式を紹介する予定でしたが変更です。
モーツァルトとベートーヴェンをミサ曲で聞き比べてみます。
いろんな曲があるなかで、なぜミサ曲で聞き比べるか。
それは、ミサ曲は
曲の構成が同じだからです。
通常、ミサ曲は以下の5つで構成されます。
『キリエ』(求憐誦)、
『グローリア』(栄光頌、天には神に栄光)
『クレド』(信経、信仰宣言)
『サンクトゥス』(三聖頌、感謝の賛歌)
『アニュス・デイ』(神羔頌、神の子羊)作曲家はこの構成を前提に曲を作曲します。
今回はこの中から
「キリエ」に焦点をあてます。
モーツァルトは映画「アマデウス」で取り上げられた
「ハ短調ミサ曲」の「キリエ」を
ベートーヴェンは映画「不滅の恋 ベートーヴェン」で取り上げられた
「ミサソレムニス」の「キリエ」を紹介します。
どちらも合唱は
「キリエ レイソン」とひたすら復唱していますが、
これはラテン語で
「主よ(キリストよ) 憐れみたまえ」の意味です。
今回は形式はありませんので時間を区切りません。
また、2曲あるのでYOU TUBEへのリンクを貼りますので聞き比べてみてください。
モーツァルト ハ短調ミサ曲 K427 へのリンクベートーヴェン ミサソレムニス Op123へのリンクこちらは11分30秒までです。
どうでしょうか。
今まで紹介してきた交響曲や協奏曲、弦楽四重奏曲等は同じ古典派の2人
でも
それぞれの個性がありました。
個人的にはモーツァルトは、以前紹介した機会音楽という誰かに依頼されて、その人のために作曲する商売をしていたため
どちらかというと
個人的な感情表現は抑えられており、お客様にあった曲をお客様にあわせながら作曲していると思います。
それに対しベートーヴェンは、
芸術家としてお客様を意識するよりも自分の感情のおもむくままに作曲しているように感じます。
実際、ベートーヴェンの曲は当時
「あまりに官能的すぎるため青少年に聞かせないように」というお触れがでていたそうです。
いままで紹介したベートーヴェンの曲を聴いていただければそれも納得できるのではないでしょうか。
モーツァルトのような機会音楽家にとっては、こんなお触れがでてしまえばそれだけで商売が苦しくなります。
それに対し今回紹介したミサ曲ですが、
僕はこの2人に関して他の楽曲ほどの違いはあまり感じません。それは、ミサ曲に関してはモーツァルト=商売とベートーヴェン=芸術家という
2人のスタンスの違いが
表に出ないからだと思います。
ミサ曲は教会音楽であり、
教会という場所でキリストのために歌う曲であり、2人にとってこの
目的に違いはありません。商売から解き放たれてキリストのために作曲するモーツァルト
芸術から解き放たれてキリストのために作曲するベートーヴェン
2人の作曲のスタンスや目的が近づきます。
それが他の楽曲ほどの2人の違いにつながらないのかなぁとか思ったりします。
(これはあくまで私見です。)