源泉かけ流し全国温泉サミット in 十津川温泉
源泉かけ流しという言葉は、温泉業界のみならず、一般的にもずいぶん認知されてきた言葉になりました。(一応説明しますと・・・湧いてくる温泉を、循環して再利用したりせずに、あふれ出るままに排出している利用方法、のことです。)
源泉かけ流し方式、そしていわゆる循環方式、それぞれに一長一短はありますが、その温泉の持つ本来の個性(匂い・色・肌触りなど)や、効能を体感できるという意味においては掛け流し方式のほうが優れていることは言うまでもありません。
しかし、全国で掛け流し方式を採用している温泉施設は、実は全体の2割程度しかないのです。
掛け流しをするためには、まず豊富な湯量が必要になります。温泉は、空の湯船の状態から溜まりきるまでに要する時間が1~2時間くらいが理想です。これ以上かかる温泉を掛け流しにすると、お湯の質に問題が出てくるようになるのですが、この湯量はなかなかクリアできません。
規模の大きい温泉施設でプールのような浴槽を持っているところはほとんどが機械で循環しながら塩素殺菌をしているような温泉です(長湯の「御前湯」のような例外も稀にありますが)。
さらに、温度の問題もあります。湯船の温度は40~42度くらいが理想ですが、加水や加温をせずにこの温度を維持するためには、源泉温度で45度~50度前後という微妙な条件が求められます。
このように、源泉かけ流しには様々なハードルが存在するため、「大地から湧き出たそのままの温泉」に入浴できる施設というのは意外に少ないものなのです。
いわんや、それが「地域全体がかけ流しである」という条件でみるとどうなるのでしょうか?
日本には今、~温泉と呼べるような温泉地が3200ヶ所くらいあるといいます。そのなかで、「施設全部がかけ流し温泉を持っている」という温泉地は私が知るかぎりで10ヶ所もありません。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
その施設全部がかけ流し温泉を持っているという温泉地が年に一度集まって行われるのがタイトルにある源泉かけ流し全国温泉サミットなのです。
今年は奈良県の十津川温泉で開催されました。
今回で6回目を数えるこのサミットですが、実は十津川温泉では第一回目のサミットが開催されております。前述しましたようにこのサミットを開催できる条件の温泉地は全国的に非常に少なく、第6回にして仕方なく「2周目」となった次第です笑。
十津川村は日本一大きな村です。バスで村に入ってから一時間以上、
ずっとこんな景色が広がってました。
ここは飲泉場。「飲めるかどうか」は良い温泉の見分け方の一つですよ
今回は6ヶ所のかけ流し温泉地が参加となりました。
3人いるパネリストの左端が長湯温泉の伊東旅館組合長。
「ほんものの温泉」をテーマに存分に語っておりました。
最後に大切なご報告。
来年のかけ流しサミット開催地は、長湯温泉に決定いたしました!
長湯も二回目です。これから一年かけてじっくり準備していきます。
開催の折には皆様方のご参加をぜひぜひ宜しくお願いいたします!