この記事は、穂吉のブログの「2012-12-09 16:33:19」にUPした『日本の神話209. ~第四部 大和朝廷~  =第二〇章 安康(あんこう)天皇=』という記事を再編成してUPしています。



最初のお話し 『日本の神話01』     前回のお話し 『日本の神話208』




この回も、大君、穴穂命(あなほのみこと)

安康天皇(あんこうてんのう))
様の御世のお話しです。



大日下(おおくさかのおおきみ)様の

家宝、「押木玉縵(おしぎのたまかづら)」を

騙し取った、根臣(ねのおみ)は、

安康天皇へ嘘を報告したのです。



そしてその嘘を信じてしまった天皇は、

大日下王様が、未だに、

ご自分の天皇即位に反対をしているのかと、

疑念を持たれてしまわれたのでした。

さらに根臣が、



大日下様は、

 「木梨軽王(きなしのかるのおおきみ)様が亡き今は、

  前天皇の允恭天皇(いんぎょうてんのう)の御勅命に忠実に、

  履中天皇(りちゅうてんのう)の皇子様の

  市辺忍歯王(いちのへのおしはのおおきみ)様が
 
  次の天皇にお付きになるべきであろう。」

 とも、仰せにございました。』



安康天皇の心の弱き部分に塩を塗るが如く、

平然と、虚実を申す始末だったのです。



逆上した安康天皇が、

根臣がついた嘘など見抜くことは出来ませんでした。


それどころか、



『たとえ、叔父君であっても、

 天皇の即位に疑いを持つ者は許せぬ。』



と、強くお怨みになられ、

大日下様の屋敷へと、根臣と軍兵を送り出したのです。



突然の天皇の軍勢に、

大日下様のお屋敷の者たちは

ただただ、うろたえるばかりでした。

何事かと、理由を尋ねる大日下様に

根臣は、



『天皇の勅命である。』



とだけ言うと、

その場で大日下様のお首を刎ねたのでした。



- 追 記 -

本記事の中に、『大日下様が、未だご自分の天皇即位に反対をしているのかと、』という一文がありますが、この『大日下』は、『允恭天皇』ご崩御の後の天皇には、流刑の後にご自害をされた皇太子の『木梨軽王(きなしのかるのおおきみ)様』、もしくは、『履中天皇(りちゅうてんのう』の皇子様の『市辺忍歯王(いちのへのおしはのおおきみ)様』が、次の天皇になるべきであるとのお考えの持ち主であったようなのです。
そのために安康天皇が 本記事のような文章、『大日下様が、未だにご自分の天皇即位に反対をしているのか』と、仰ったわけです。

さて、ところでこの『大日下』様とは、どのような人物であったか?

大日下』様のご幼少の頃のお名前は、『波多毘能大郎子(はたびのおおいらつこ)』様と仰ります。
第16代、『仁徳天皇(にんとくてんのう)(大雀命様)』の沢山いらっしゃる御子様方のお一人です。

大日下』様の母は、嫉妬深い皇后の 『石之日売(いわのひめのみこと)』様では無く、本当ならば仁徳天皇の父、『応仁天皇(おうにんてんのう)』の妃の一人になるはずだった、『髪長比売(かみながひめ)』様との間にお生まれになった御子様です。

この『髪長比売』様のくだりは、
日本の神話174「大雀命様と髪長姫1」 
日本の神話175「大雀命様と髪長姫2」
日本の神話176「大雀命様と髪長姫3」 です。
お時間が許されるようでしたら、どうぞもう一度、読み返されてみてくださいませ。




ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

おしまい。
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