ヴァレンチーナ・シェフチェンコ  -  スタイル研究 | R I N G C H E C K !

R I N G C H E C K !

打撃系格闘技の練習や試合についてのブログでしたが、
現在は海外ボクシングとムエタイの記事が中心です。
知り合い・近親者向けに書いています。





UFC20 のメインにて

ホリー・ホルムと対戦する

ヴァレンチーナ “ バレット ” シェフチェンコ

















( ※ 最後の画像もシェフチェンコですよ ^ )




この選手、 ホルムの復帰戦の相手として

「 大抜擢された 」 というよりは 「 選ばれて当然 」 の実力者。




キックファンには以前より知られた存在ですが、

この選手に関してはジャンルの壁を取り払って、

全ての格闘技ファンに是非見て頂きたい。

そんな美しき天才ストライカーなんです。




今回も寝技は無視して打撃のみにフォーカス ^




ヴァレンチーナ・シェフチェンコは

姉のアントニーナ・シェフチェンコと共に

世界トップで活躍する ムエタイベースのストライカーです。

現在 ペルーの選手として紹介されていますが、

名前の通りロシア系でありキルギスタンの生まれ。

同国ムエタイ協会の会長である母親はテコンドーの指導者でもあり、

回転系の変則蹴りは母から習ったテコンドーのもの。

ボクサーとしても いきなりプロ10回戦でデビューするなど

パンチテクニックも素晴らしいものを持っています。




まさに四肢これ凶器と言えるような ^

ダゲキラボで特集せずにはいられない女性ファイターですね ^




ムエタイベースからの強烈なミドル、ハイキック、

腰は割と残すタイプのMMA系のキックフォームですが、

パンチコンビネーションとは相性の良い打ち方。

またミドルを蹴っておいてのハイKOも得意のパターン。




変則的な蹴り技は、テコンドーベースの

ティッチャギ、 ティットラチャギ、 ネリチャギを多用します。

これも切れ味鋭く、決定力を持ったもの。




先述の通りボクシングテクニックも素晴らしいのですが、

特筆すべきは左ストレート。

真っ直ぐを投げるタイプの、ペトロシアンにも似た左ストレートで、

同時打ちでも自分のストレートだけが当たるよう、

若干 右へ ヘッドスリップしながら、

槍投げのような全身運動 を瞬間的に行ない、

左拳に真っ直ぐ伝導させる。

それを一瞬で行なえるだけのフィジカル能力、

高いクイックネスとアジリティがある。

故にフットワークをバックギヤに入れていても、

一瞬の間で殺傷能力の高いカウンターが打てる。

※ スーパーマンパンチも多用しますが

その際には左は若干フック気味に打ち抜きます。





全ての技で倒せるものを持っている天才サウスポー …

… それって まるで 女版 那須川天心じゃないかッ ^




… さて、 試合を見てみましょう。





▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ vs リンゼイ・ヘイクラフト


↑ 自らのオフェンスに最適な距離を保つ空間把握能力があり、

 アピール出来る技が幾つもあり、ディフェンス能力も非常に高い。








▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ vs イリナ・マゼパ


↑ 最後の左ミドルを見せておいてからの左ハイは芸術的!







▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ vs ファビアーナ・デュトラ


↑ 実力差がある相手は さっさと倒す。 決定力も高い。







▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ vs モハリア・ローチャ


↑ 少し前の試合を見ると 現在のような精度の高い技術はありませんが、

 アグレッシブで荒々しいファイトスタイルを垣間見る事が出来ます。








▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ “ ハイライト ”


↑ まとめて見ると本当に多彩な技で倒せる選手だという事が分かります。







▼ ヴァレンティナ・シェフチェンコ  -  アマチュア・ボクシング


↑ アマボクでも通用する高いボクシングテクニックを持っている。







▼ “ SOHO ” 誌 グラビア撮影


↑ オマケです ^










これまで、 地元キルギス共和国の興行に始まり、

『フュージョン・ファイティング・チャンピオンシップ』

『レガシーFC』 『ライオン・ファイト』 『武林風』

ムエタイルール中心に MMA、ボクシングと、

歴戦を重ねて来ています。




代役での抜擢でチャンスを得たUFC参戦。

カフマン戦ではポテンシャルを見せ付けたものの、

ヌネス戦ではグラウンドでのビハインドを感じさせ、

パウンドで削られ本領は発揮出来なかった。

しかし、今回は最強ストライカーが相手という事もあり、

今までで一番噛み合った試合が出来るのではないか?

という思いは強いはずです。




UFCで女子バンタム級のノンタイトル戦がメイン、

これには運営側の期待値の高さも伺えます。




壮絶な打撃戦が予想されますね !!

震えて待ちましょう !!!





-----------------------------------------------------------------





※ 余談ですが、先月末、

シェフチェンコがペルーの首都リマのレストランで

強盗銃撃事件に巻き込まれたそうです。

3人の武装強盗団がレジから現金、客から携帯や財布を奪おうとしていると、

銃を所持していたシェフチェンコのトレーナー、

パヴェル・フェドトフが抵抗し発砲。 銃撃戦に !!




▼ 防犯カメラの映像






強盗団の一人は死亡、二人は負傷。

フェドトフは腹部を撃たれて入院したそうです。

シェフチェンコは無事なようで、

そこは一安心なのですが …

中南米 … 怖い …