今朝歩いて、とある自動販売機の前を通りかかったとき
何かの違和感を感じた。
 
立ち止まって見てみると
自販機下に仕掛けられていたネズミ捕り(粘着シート)に
スズメがかかっている。
 
バタつくこともなく、あきらめムードなのかかわいい黒い眼で
こちらを見ている。
 
目が合った。
「どきっ」とした。
 
周りを見渡すと誰もいない。
 
「ごめん、見なかったことにして。」と一瞬立ち去った。
 
 
しかし、
 
「ここで何もしないと、一生後悔する。」
「こいつのヒーローは俺しかいない!」
とすぐに戻った。
 
かわいい黒い眼のスズメを「チュン」と名付け
軍手をつけてそっとチュンに触れた。
 
「小さくてやわらかい。」
 
チュンも暴れることもなく、
私に体をあずけた。
 
粘着シートとの戦いは悪戦苦闘。
羽毛がはがれないように、
そぉっと、そぉっと・・・・・。
 
「がんばれよ、チュン。もう少しやぞ!」
チュンの体が少しづつ自由になっていく。
 
どれくらい時間が経っただろうか、
(実際は1・2分くらい)
 
私の今日おろしたての軍手と引き換えに
チュンは自由の身となった!
 
しかし、粘着剤が付着している羽で
飛べるのだろうか・・・?
 
と心配をよそに
チュンはわたしの手から飛び立った!
 
「やった!」
 
何かを成し遂げた感の私は
軍手をなくした右手をチュンに向かって
突き上げた。
 
チュンはそれに応えるように
何度も何度も私の頭上を飛び回・・・
 
ることなく
一目散に逃げて行った。
 
 
今晩、家に帰ってから
「舌切り雀」と「鶴の恩返し」でも読もう。
 
別に何かを期待しているわけではないが・・・。
 
 
 
 
 
半年ほど前の話である。


仕事から帰宅し、1人で晩御飯を食べていると

仮面ライダーの人形で戦いごっこをしていた3歳の息子が

突然ニコニコしながら話かけてきた。


「そうちゃん、大きくなったらなぁー·····」



そうちゃんとは息子の名前である。

息子は妻に似て可愛い。

と言っておこう。


よく母親は男の子には甘いと言うが

我が家も例外ではない。

怒り役は柄にもなく私の仕事だ。

そのせいか、息子はママにベッタリで私を敵対して見ているようだ。



その息子が、今晩はなついてきた。

私はついうれしくなり

「大きくなったら、仮面ライダーか?おまわりさんか?

それともパパの跡を継いでお菓子屋さんになりたい」

とでも言い出すのかと楽しみに次の言葉を待った。




「そうちゃん、大きくなったらなぁ…

パパ、バチンしたるねん!」


「!!!」



ご飯が喉に詰まった私の横で

息子は妻に似た不気味な笑顔で

得意気にまだ小さな握りこぶしを見せていた。


保育園に通っている2歳の息子がこの秋に、起こした実話である。



息子が通う保育園では1歳半になると強制的におむつをはずし

パンツを履かせる。


6歳の娘もこのおかげで“おむつ卒業”が早かったのを覚えている。


私に似て物覚えの早いとは言えない息子も、

この秋より保育園ではパンツ着用となった。


もちろん家では恐ろしくて今でもおむつを履かせているのだが・・・。



そこで事件はおこった・・・。


ある日、先生が気付くと幼児教室の床がうんちまみれになっている。


慌てて犯人探し・・・。



うちの息子だった。



なんと小柄で足も細い息子は、最も小さいサイズのパンツにも関わらず、

パンツの隙間があいていて、そこからダダ漏れだったのだ。


先生大集合で幼児みんなを避難させ、大掃除にて

事件は解決した・・・・・・・かのように思えた。


平和がもどったはずの部屋にみんながもどって遊んでいると

まだ片言しか話せない我が息子が先生に

部屋の隅を指差し「あっ、あっ・・・。」


そこにはうんちの残骸が転げ落ちていた。

そしてドヤ顔の息子。

それ以降、私の息子は足の付け根部分がゴムでキュッと

締まっている女の子物のパンティーを履いている。


私に似てこんなものを好きにならねば良いが・・・。



先生曰く、

「この大事件は、卒園まで語り継がれるわ!」