“差別化”の文化 (美術が広がらない理由) | 脱落しないクリエイター達

脱落しないクリエイター達

「絵描きやめますか? それとも人生捨てますか?」
…じゃないよね。どっちも欲張ろう^^
(元“脱落していくクリエイター達”~2011.09.20)

たまにペタを頂いたりしている
ガシャップさんのブログ、
国内で多くの人にもっとアートに触れてもらう案に、
私は水を差す書き込みをしてしまったけど…。
http://ameblo.jp/ruike0343/entry-10571064831.html
http://ameblo.jp/ruike0343/entry-10571247190.html
▲良案なので引用させて頂きます。


実現を可能にするには、
『なぜそれらが容易ではなかったか?』
を、解いていかないと、
今後もスムーズに行かない気がするので、
考えて見た。

他の国と同じ様にはいかない。
なぜ広がりを持たないか?と言う疑問、
日本ゆえの理由を考えて見ると、

一つ、たどり着く。

… 国内の美術は、
『差別化させる見せ方』で価値を付けてきたから。


一丸となって
協力しあえない所は、ここにあるんじゃないかな?


『皆と一緒にやる』

ではなく、
自分達だけの “特別” を生み出さなくてはいけなかった。

また、『大衆を相手にしない』事での、
特別待遇を一定のお客に与えて続けて、
満足を得てきた事もあったと思う。


お手々 繋いでみんなで “アート啓蒙” は、無理っぽい。


全体で不況ゆえ、
それぞれが美術啓蒙活動をするのはいいけれど、
以前ブログで取り上げた画廊の様に、
他の作家・画廊を批判する様な文面を目にすると、
ガッカリとする。
>>資産かゴミか?
>>メルマガもと  
※(311)のブログが削除されてますので、もう見られません。



例えば、
場所を絞り込んで分類してみると、

銀座界隈のツアーやイベントなら、
・銀座の夜会 (日動など老舗中心)
・キャンドルナイト (銀座1丁目周辺画廊とNPO有志による)
・京橋界隈 (京橋周辺老舗画廊・骨董屋・一部貸画廊)

フリーペーパーは、
art_icle TAG BOAT  等は
 コンテンポラリー系の企画画廊の広告が多い。

東京アートフェアへの参加の企画画廊、
東京美術倶楽部展示会、ほか、あまり目に触れない所でも、
『我らが王道』と日本の美術を牽引してきた画商さん達が、
結束固く活動をしている。
日本の美術界をなんとかしようと思っている。



でもきっと、『皆で美術を!』 と言いながら、
『あそことは一緒にやりたくない』 と言う差別意識満々(じゃないかな?)

一見フレンドリーなイベントや貸し画廊間でも、
仲間をセレクトしているのが大半。
(ゆえに、人数制限などが伴う)

これは、国内なら作家間でも言える。


どこも、
不特定多数 “沢山集まるビックイベント” など望んでいない。

価値観同じ人との方が労力もかからない…と言う事や、
お客を奪われる(信用を落とす)と言う理由で、
こぢんまりすることもあるのでしょう。


各々のレベルを高く設定すること、
方向性によりグループ分け…は良いのだけれど、

もし、初めて美術に触れる人が、
どこかの入り口から入ったとして、
作品の位置づけをめぐって、
『貸し画廊はだめだ』
『あそこは売り絵だ』
『あそこは素人だ』
『うちの作家なら資産価値がある』

…などと、もしそれぞれで耳にしたら、

「なんじゃこの世界は?」 と思って敬遠しそう。

競争が活性化に繋がればいいのですが、
この複雑で閉鎖的なシステムが、
足を引っ張っていそうです。


目先だけの、
『自分の所だけでも生き残りたい』 考えから、

美術全体の事を思ったり、
公平な立場で新たな美術ファンを誘導する人が
増えると良いですね。



公共施設・行政の支援を得て、
芸術・美術の支援を求めるなら、
特に、両者とも考えの変革が必要。
たとえば… ↓

●画廊は自分の画廊の事だけでなく美術全体の事を考えよう。
●作家も、自分の事だけでなく、たまに柔軟に対応しよう。
●地域の商店街、一般人・行政側は、『美術品』を文化として認め、
  経済活動に関して『他の商売と同じ』と思わないで欲しい。
 (そして、そう願うからには画廊も作家も、上記の思いを持たなければならない)
 ※ちなみに、公共の場が使えない・販売禁止は『営業行為』と認識されているから。
   すばらしい公共施設があっても、販売行為禁止では、永遠に作家支援にならず、
   商店街でのアート展示が、客寄せと地域活性の目的だけなら、単なる搾取である。


最低限、ここからスタート。


なので、
新たな観客を呼び込む仕掛け。
空いた公共スペースの利用など…
画廊や評論家を入れた時点で色が付いて難しいかなぁ…

でも誰が動くか? お金はどうするかが問題。
作家やNPOが、自立してやっていきべきか、、、?


ため息まじりに、思うのでした。