【2013/10/26】
さらに追記したので、日付を改めてUPします。

【2013/07/11】
追記したので、日付を改めてUPします。

【2013/03/30UP】
荒牧陽子(マキタソ)については別格なので、別記事でまとめてみます。


逸材!、ものまねの域を完璧に超えています。
ひたすら聴きつづけたくなる声質。おそらく1/fゆらぎ持ってると思う。


■ 2011年7月バラエティ番組「スター☆ドラフト会議」で圧倒的な歌唱力を披露。出演者のどぎもを抜く。
(それまでスタジオミュージシャン(ガイドボーカル/ゲーム系など)としてその才能は一部で知られていたらしい。)
現在、喉の調子を整えるため休業中。

Narcissu ~Moshi mo ashita ga aru nara~ Vocal Album - 世界がせつなかった日に

■ ブレーク前のPCゲーム系。声に力がありすぎてゲーム系らしくない?

以前紹介した復帰後の小室哲哉氏の手になる北乃きい「花束」のバックコーラスにも参画、安定したサポートを披露している。(収録ALBUM「心」は2011/04のOn Sale)
(小室氏のハイトーンを要求する難曲は、荒牧さんと相性がいいかも・・・)



J-Wave HelloWorld (2012/05/24放送)
1曲目の「また君に恋してる」は通しで唱うといかに凄いかがわかる名唱。
2曲目(Christina Aguilera 「Ain't No Other Man」)はしっかりR&Bマナーを身につけている証。
3曲目は自作オリジナル曲「Only Love」で作曲力も相当なもの。
ラストのトークは「話し声も唱っている」好例かと・・・。


ものまねグランプリ 元気が出る歌2012.2.10
■ 絶好調時の映像(2012.2.10)。4:38~5:22はものまね放棄して地の声色で唄ってるかも・・・。でもすこぶる美声。
復帰が待たれます。
(ゆっくり休んで、できれば実力派プロデューサーとタッグを組んだオリジナルで!)


このたぐい稀と思われる才能についてはいろいろ思うところがありますが、いまいち整理がつかない部分もあるので、
復帰を待って一気に書いてみたいと思います。

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追加です。ちとさわりだけ書いてみます。
(ここでは敬称略で「荒牧」と略記しています。今後このブログでは愛称「マキタソ」をつかいます。)

「珠玉の歌姫、荒牧陽子」
(ものまね編)

~ 聴き手の反応 ~
荒牧の唄をはじめて聴いた出演者の反応は興味ぶかい。
「似ている~。」という声も多いが、「お~!(歓声)」「スゴイ」「スゲー」「すごい歌唱力」「声がいいねぇ」「たいしたもんだ」などの感嘆詞がより目立つ。
それではなにが「凄くて」なにが「たいしたもの」なのか。
「似ている」「いろいろな声が出せる」あるいは「唄が巧い」ということに対する驚きもあるだろう。
だが、驚きの本質はそこにはないような気がする。

荒牧の歌声への反応に「鳥肌が立つ」というものがある。じっさい両腕をさすりながら寒そうに聴いていたタレントが何人もいる。
口をポカンとあけたまま自我喪失状態で聴き入っていた人もいる。そして例外なしのスタンディングオベーション。
鳥肌が立ったり、自我喪失したりということはすぐれたLIVEパフォーマンスで稀に経験するが、そうそうあることではない。
また、番組のなかで「もっと聴きたい!」というリアクションが異常に目立つ。
やはり、荒牧の歌声には、聴く人の心を揺さぶらずにはおかないなにかがあるのではないか。


■ その実力をあますことなく見せつけた最長の16連発!(2011.10.19_On Air/世界1のShow Time)。出演者のレスポンスが見もの。

(声質編)

~ 1/fゆらぎか? ~
1/fゆらぎ。バズワードのひとつともされ、はっきりと定義づけされていないが、音楽でいうと「聴く人に心地よさやヒーリング感を抱かせる音や声」ということになるらしい。
規則的な音と無秩序な音の中間的な音とされ、「ここちよくゆらぐ音(声)」のイメージがある。
1/fゆらぎをもつとされる歌い手をみると、しっかりとした声質に特徴的なビブラートをもつ人が多い気がする。
ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるのかもしれない。ただ、硬質な声質の人もいるのでやわらかな声質というのは要素ではないような気がする。
1/fゆらぎをもつものは接していて疲れない、また飽きないとされる。たとえば小川のせせらぎ、そよかぜのそよぎ、木の葉のざわめき、木漏れ日、炎のゆらぎなど・・・。
「いつまでも聴いていたくなる」荒牧の声もまた、つよい1/fゆらぎをもっているのではないか。

~ 荒牧の声質5つの特徴 ~
ここで荒牧の声質を特徴づけているものを考えてみた。

1.艶
とにかく声に艶がある。艶があるのでハードな曲でも決して破綻しない安定感がある。
これに2~5の特徴が加わって、一音一音があざやかに粒立ってきこえる。

この艶は、高音域では絶妙な甘さを帯びる。
荒牧のハイトーンヴォイスは甘いけれど透明感を感じる。嫌みのない甘さだ。
荒牧のMCやトークをきくと、艶にあふれ、めまぐるしく高音に振れる。
古いいいまわしだが「鈴を転がすような声」というのがある。
笑い声や高い声など、まさにころころと鈴を転がしたように心地よく響く。
甘いけれど透明感のある声、これは他の追随を許さない荒牧の個性だと思う。


■ トークも絶妙。2:00~ シャンプーちゃん(笑)

この美声からすると声優もぜんぜんOKのような気がするし、声優シンガー絶好調の昨今、このフィールドからアプローチした方があるいはブレークは早かったかもしれない。
でも、早くからその路線をとっていたら、ジャンルを問わず唱い倒す、いまのような凄絶テクは身につけられなかったかもしれず、ここらへんはむずかしいところか・・・。


■ 声優系の発声? 声の艶がハンパない。

2.重層ビブラート
荒牧の好調時の歌声をじっくり聴いてみると、ほぼ全パートにわたり微妙でこまかなビブラートがかかっていることがわかる。(むろんまっすぐに唱うこともできるが・・・)
歌声だけでなく話す声もそうだ。これが↑の艶とあいまって繊細かつたおやかな耳ざわりとなる。聴いていて心地よく、いつまでも聴いていたくなる声だ。
ふつう、ビブラートやこぶしはヤマや小節の〆などに”聴き場”として意識して盛り込まれる。(波長の長い音程のビブラート)
荒牧の場合、ベースの繊細なビブラートの上に波長の長いそれが乗り、本つづれ織りのような深みを創り出している。
これはおそらく天性の才能に鍛錬が重なってはじめてできるワザでは・・・?。
そして、ビブラート=ゆらぎに通ずるところがあるとすれば、荒牧の声は1/fゆらぎのかたまりということになるのではないか。

■ ビブラートばりばりの例

とくに2:50~と4:30~。MC(曲間のトーク)も唱っているよう。
(1:20~は意識してビブラートを抑え、まっすぐに唱っている。)

3.オクターブ
とにかく声域が広い。4オクターブともいわれ、これだけ出せるだけでも凄いがしかも安定している。
そのうえ低音から高音への駆け上がり(下がり)が速くて滑らかなので縦横無尽な唄いぶりに聞こえる。これは声質というよりテクニックによるところが大きいのでは。
プロ歌手でも唱える人は少ないとされる超高音フラジオレットをマスターしているかどうかは定かでないが、たぶんつかえると思う。
(MISIAの「つつみ込むように...」の頭やラストでつかわれているという説あり。タイナカ彩智もつかえるのでは?(女神系歌姫_第1弾08「最高の片想い」の4:26~))

MISIA - つつみ込むように...


荒牧は、張りと艶にあふれた甘いハイトーンだけでなく、繊細でやわらかな高音やエッヂの効いた高音シャウトを縦横無尽に繰り出す。これは発声法を完璧にマスターしていることに他ならないと思う。
個人的には、チェストボイス(地声)をかなり低いオクターブからミックスボイス(ミドルボイス・芯のある裏声)に切り替え、ハイトーン域ではヘッドボイス(同)に自由自在に切り替えているのではと思っている。
荒牧のオクターブ移動があまりにスムーズで易々とこなしてしまう(完璧な声区融合?)ので、ひょっとして声区がない(換声点より上でも声帯閉鎖&全域振動できる)のでは? とも思ったが、荒牧本人が「わたしもふつうにひっくり返りますから*」と語っているので、さすがにそれはないと思う。

*) J-Wave HelloWorld (2012/05/24放送)の17:10~ 荒牧の貴重な”裏返り声”(笑)
 

ただ、荒牧のハイトーンでファルセット(息漏れ系裏声)はあまり聴いたことがないので、ほとんど”芯のある裏声系”をキープしているのでは?
(このあたりは言葉の定義じたいも混沌としていてよくわからん部分があるので、もちっとお勉強して別に書きます。・・・(笑))


11:05~「ボヘミアン」から喉を開放して甘いハイトーンに跳ね上がるMCが凄すぎ。
声帯コントロールが完璧じゃないと、絶対こんな声出せないと思う。(個人的にはあまりやってほしくないが・・・)

4.瞬発力
荒牧の歌声を聴いたタレントがいみじくも「一気にドーンと出る」「パッと出る」などと表現したように、声に瞬発力があって立ち上がりが速い。
だからものまねでいきなりサビから苦もなくベストの状態で入っていけるのかと。(とくに”シャッフルものまね”でよくわかる。)
正直、声量や声じたいの力感という点からすると、ドリカムの吉田美和やMISIAには及ばないような気もするが、それをカバーできる切れのある瞬発力をもっていると思う。


■ 5:10からのメドレーのキレは圧巻!

荒牧は精緻なブレスコントロール力をもち、ピッチやリズムのコントロールもきわめて優れているが*、瞬発力はこれらに依って立つものではないか。
この瞬発力とほかの特徴が合わさって、荒牧の唄はすこぶるキレのあるものとなっている。
(↑の世界1のショータイム第5弾のMISIAや浜崎あゆみで出てると思う。)

荒牧がシャッフル的なものまねを展開するとき、どんなにイメージのちがう曲をつないでも音程やリズムがまったくブレず安定感にあふれている。一音一音狙ったようにアジャストしている。
また、アドリブ、フェイクなどを聴くと、ピッチやビブラートを絶妙なラインでコントロールしていることがわかる。(=ここしかないというピンポイントを完璧に捉えている)
こういうのは、ブレスやビート(ダウン(表拍)&アップ(裏拍))まで完全にコントロールしていないと体現できないワザだと思う。
荒牧が絶対音感をもっているかはわからないが、絶対ピッチ、絶対リズム感的な感性はもっているのではないか。

*)↓CDとの交互歌唱で、全身で微妙なリズムをとり、寸分違わぬピッチを確保していることからも、そのことがわかる。(とくに4:40~の浜崎あゆみ「M」、またテクニカルなマイクさばきでリズムキープしている曲もある。)

※ちなみに↑の動画では、荒牧の声の際立った”艶”も確認することができる。

*)↓わけわからん譜割りの曲でもぜんぜん破綻しない安定感!


5.高音への跳ね
これはあまり指摘されていないが、とくに演歌系やハイトーン曲を唱うときに出る。
一瞬、ごくごく微妙に声が裏返って高音側に跳ね、ビブラートに裏声が乗ってすこぶる繊細な節回しになる。
これはおそらく原曲の楽譜にはない音で、ビブラートやこぶしを連続的に重ねていくときにでやすいようだ。
これはひょっとして、ミックス(ミドル)ボイスを多用していることと関係があるかもしれない。

荒牧の場合、↑2.重層ビブラートとこれが合わさって、調子が乗れば乗るほど歌詞がききとりにくくなる傾向があるが、その時点では聴き手はほとんどトリップ&鳥肌状態になっているので全然問題なしか・・・(笑)
ここらへんがオリジナル曲でコンスタントに出せれば個性として定着していくのではないか。
(↑J-Wave HelloWorld の「また君に恋してる」や「世界がせつなかった日に」の4:14くらいから出てると思う。)

なお、現在の荒牧はすくなくともつぎの3つの系統の唄法をもっていると思われ、それぞれ次の特徴がつよくでていると思われる。

A.ビブラートが明瞭にきいているもの (倖田來未、浜崎あゆみ、演歌系など)
  1~5すべて。とくに2の「重層ビブラート」。

B.甘くかわいい感じのもの (「甘かわいい系」、ゲーム系やアニメ系など)
  1.3.5。とくに5の「高音への跳ね」。

C.R&B系の曲でみせる低音でシャウトの効いたもの
  1.2.4。とくに4の「瞬発力」

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A.ビブラートが明瞭にきいている例

2:17~の「Jupiter」、荒牧はこの曲ビブラート抑え気味に唱うこと多いが、ここではかなり効かせている。
そして、つづく「-SEASONS-」(3:17~)。冒頭&”思っていたあの頃”の重層ビブラートが圧巻。


B.甘かわいい系の例

ヒツゼンでしょ!(Happy Man Japanese Version - KONAMI Pop'n Music 13 カ-ニバル CS) ”あ-たん”名義
KOMAMIのWebで紹介されていて、あーたん(荒牧陽子)本人の解説というか感想がカキコされている。)

C.R&B系の例

2010/1/13_On Saleのオリジナルアルバム「Anytime musix」収録のタイトル曲。


BとCのミックス?

■ Nightfall (2004)

2004年の時点でこの実力。R&Bに舵をとっていった想いがわかる気がする・・・。

また、荒牧の声は倖田來未に似ているという人がいるが、倖田來未はビブラートと高音への跳ねは確実にもっているので、そのせいもあるかと思う。

□ 縦横無尽のアジャスト力
荒牧がピッチやリズムを外すことはほとんどないが、稀にビブラートの効き具合、声色や強弱の表現などで納得いかないような表情をするときがある。そんなときは、次の小節でかならずすばらしいフレーズを繰り出し挽回?している。
これは自分の歌の仕上がりを一音一音チェックしている証と思われ、ビブラートが絶妙に効いたり、高音が芸術的に抜けたりしたときは、うなづきつつ会心の笑顔をみせたりする。
いちばんわかりやすいのは「ご本人登場」で、その場で本人の微妙な声色や個性をよみとり、つぎのパートで見事に再現してしまうことが多い。
こういうのはおそらく練習してできることではなく、天性の音感をもっていてこそのワザだと思う。

■ 荒牧のご本人登場ダイジェスト

2:13~ 岩崎良美
岩崎宏美よりも声質が似ているかもしれぬ。岩崎良美って、かなり歌うまいと再認識。

3:46~ さくらまや
冒頭のソロではやややわらかな声を出しているが、さくらまや本人の声を聴いて、次のパート(『御輿かついで 祝い節』~)でこぶしの効いた強い声に速攻でアジャストしている。(じつは演歌もお手のもの。)

5:38~ 麻倉未稀
メリハリの効いた曲で得意だと思う。soloパートではなんとなく自分なりのニュアンスで唱いたい感があってふっきれない雰囲気も・・・。本人がでてきてからの方がむしろ楽々と唱っている。 

7:20~ 山本リンダ
山本リンダのワイルドな発声&シャウトは圧巻。本人登場の後半アジャストしていっているが、めずらしくやや手こずり気味。

8:59~ 麻丘めぐみ
こういう素直な歌を唱うと声の艶がきわ立つ。曲が見事に引き立っている。

11:53~ 小柳ルミ子
縦横無尽に声を散らす小柳ルミ子はとらえどころがなくて、唱い終わったときの表情からしても相当に難しそう。繊細なテクを駆使しているが、どこに照準を合わせていいか迷っている感じ。

13:36~ 南野陽子
甘かわいい系をさらに鼻にかけてデフォルメ。でもあふれでる声の艶はどうやっても隠せない。

16:27~ 由起さおり
波長の長いビブラートに見事にアジャスト。由起さおりは声が綺麗で高音が伸びるので、むりなデフォルメ不要なためか唱いやすそう。ハモリも綺麗。

18:32~ 小林幸子
ゆったりとしたこぶしを泳がせて、気持ちよさげ。一緒に唱いながら微妙なニュアンスを吸収している感じ。

20:33~ 夏川りみ
ガチか? もの凄い声の艶。こういうハイトーン系名曲唱うと天下一品。
夏川りみがいまいち調子よくなさそうなのが残念だけど。
「満天の星」や「月のかほり」など、夏川りみのハイトーン系名曲を唱ってほしい。

■ 「満天の星」 by 夏川りみ


□ ガイドボーカルとしての荒牧
荒牧はガイドボーカル(カラオケのお手本ボーカル)の仕事も多くこなしている。
ガイドボーカルはその性格上、自身の個性をうすめ、ある程度元歌のArtistの歌い方に似せる必要があると思われる。
しかし、荒牧の唱った曲は本人に似ていながらも「荒牧Voice」とわかることが多い。とくに↑の特徴をつよめに出しているものはほぼ確実にわかる。
デュエットで裏メロをとっていたり、コーラスのなかにいるときでさえ、その際立った歌声でそれとわかることがある。
そして、荒牧の唱った歌は、どれも曲本来の魅力がいきいきと立ち上がってくるように聴こえる。
これは、荒牧のたぐい稀な才能を如実にものがたるものではないか。


■ CD聴き比べ。元歌より声がのっている?

【参考ページ】
■ ジョイサウンドカフェのマキタソ (J-POP版/Artist別編-1)
■ ジョイサウンドカフェのマキタソ (J-POP版/Artist別編-2)

□ 『あらまきる』 ~ 聴き手を虜にする力 ~
荒牧のコアなファンのあいだで、『あらまきる』という言葉がつかわれることがある。
荒牧の動画を視たり、CDを聴いたり、ガイドボーカルを聴いたり、情報を集めたりすることを指すようだが、「荒牧の歌声にはまって、寝るに寝られぬ状況に陥る。」というニュアンスを含んでいるように感じる。
すくなくとも、わたしはこの状況に陥り、気がつくと夜明け近い3時、4時ということがすくなくない。
なので、疲れている深夜など、なるべく荒牧の動画には近寄らない(笑)ようにしているのだが、疲れていればいるほど聴きたくなるのが、荒牧Voiceのおそろしいところ。


■ いかに美しい声質をもっているかがわかる癒し系のパフォーマンス。

荒牧のものまねを聴くと、そのオリジナル曲を聴きたくなる。オリジナル曲を聴くと、また荒牧のものまねを聴きたくなる。(この時点で彼女の圧倒的実力を改めて思い知らされる。)
荒牧の実力を再認すると、今度は「ジョイサウンドカフェ」で荒牧のガイドボーカルを聴きたくなる。ガイドボーカルを聴くと、今度は荒牧のオリジナルや過去曲を聴きたくなる。荒牧オリジナルを聴くと、またぞろ荒牧のものまねを聴きたくなる・・・。 という無限ループに・・・。

とくにガイドボーカルは数百曲が確認されており、聴き始めると曲の途中で離脱するのはほぼ不可能なので、非常に危険だ。


■ 荒牧のものまねのなかでも1.2位を争う名演。(2012.2.13_On Air/HEY!HEY!HEY!)。バックの出演者の表情がその凄さを物語っている。

さらに危険なのは(笑)、他のアーティストの曲を聴いていても、やにわに荒牧の歌声を聴きたい衝動に駆られることだ。(これはとくに歌の巧いアーティストを聴いているときに多い。)
たしかに巧いが、荒牧ならばどう解釈して唱うか、どんな声色で捌くか、そしてオリジナルを凌げるか・・・、などと考え始めてしまい。気がつくと「荒牧無限ループ」に引きずり込まれていることがすくなくない。

荒牧の歌声は繰り返し聴いても飽きることがない。聴くほどに新たな発見があって、さらに重ねて聴きたくなる。
これは、おそらく音楽を聴き込んでいる人ほどセンシティヴに感じると思われ、荒牧のメイン支持層はコアな音楽好きやプロという噂もこんなところによるものか。

~ ミュージシャンズミュージシャン ~
確証はとれていないが、荒牧は音楽のプロや音楽を聴き込んできた層からの評価が高いといわれる。
その意味ではすでに荒牧は「ミュージシャンズミュージシャン」(音楽のプロである同業者から高い評価を受けているミュージシャン)の地位を確立している可能性がある。
メジャー新人シンガーですでに「ミュージシャンズミュージシャン」という存在はちょっと記憶にない。

音楽のプロが評価するのは、荒牧の類い希なテクニックもあるだろうが、もっと大きいのはプロならではの優れた感性で「聴く人の心を揺さぶらずにはおかないなにか」を感じたからではないのか。

□ 曲本来の魅力を引き出す力
こうしてみると、荒牧の本当の凄さは、↑に書いたような優れた声質やテクニックもさることながら、じつは「曲本来の魅力を引き出せる力」にあるのかもしれない。
そして、その力は当然のことながら楽曲が優れているほど強まる。

ヒット曲=名曲という図式はかならずしも成り立たないが、荒牧が親しみのある「ものまね曲(ヒット曲)」で聴き手を魅了したのも無理からぬところか・・・。
しかも、荒牧が唱ったものまね曲は、楽曲のできが優れているものが多いように思う。


■ 「大きな古時計」 (しゃべくり007 20121024_放送)
(声色を変えてもそれぞれに曲のよさが表現されている神ワザ的パフォーマンス)

ここは大きなポイントで、聴き手は「本人に似ている」という点よりも、むしろ「この曲はこんなにいい曲だったのか・・・」ということに驚き、それに気づかせてくれた荒牧の歌声に心打たれたのではないか。

たとえば↓のパフォーマンス。
とくに5:10~の「渡良瀬橋」は、↑に書いたような声質の特徴をむしろ抑え気味に唱っているにもかかわらず、楽曲そのもののよさが鮮やかに伝わってきている。

■ バラードメドレー (行列のできる法律相談所 20121120_放送)
(ゲスト総立ち、鳥肌続出の名唱)

「森高千里に似せる」という枠にはめられてこの仕上がり。枠を外して自由な解釈で唱ったらどれほどのものになるのか、ちょっと想像がつかない。


■ 昭和の名曲もこのとおり。2:09からの津軽海峡冬景色!

スタドラ出演のきっかけとして「本人にそっくりのガイドボーカルがネットで話題になった。」という逸話がある。
もちろん「似ている」ということもある。それもあるが、荒牧のガイドボーカルそのものに期せずして魅せられてしまったというのが本当のところではないのか・・・。
優れた指揮者が楽曲のよさを十二分に引き出して観客を魅了するように、荒牧もまた、楽曲のよさを最大限引き出せる天性の才能をもっているのではないか。


■ 曲のよさを際立たせているパフォーマンスの例。
「Aitai」(0:47~)、「部屋とYシャツと私」(1:31~)。


ここまで声質やテクニックについてクローズアップしたきらいがあるが、荒牧はそんな範疇では収まりきらない、なにか音楽の本質にかかわるような魅力を備えているように思う。
荒牧を「珠玉の歌姫」と讃えた理由もじつはここにある。
(なお、この点については荒牧ファンの大先輩shorotouさんが鋭い考察を加えられています。)

また、この「本質論?」はとってもびみょ~なので、本人の復帰を待って歌声を聴いてからつづけたいと思います。


■ 音も画像もばっちりの名唱メドレー。珠玉の歌姫!


■ 2012/05/06放送「誰でも波瀾爆笑」で本人が語る誕生からブレイクまでの秘話?
リズム感あふれるトーク。「しゃべってても唱っているような・・・」というコメントも。
冒頭の8連発はかなりできがいいと思う。とくに1:41~の八神純子の高音の抜け。

■ マキタソのEarly Years

※ ゴシップがあろ~がなかろうが、そんなものは彼女の歌姫としてのたぐい希な価値に、いささかも影響するものではありません。復帰を待っています。


自分にしか出来ない音楽を
自分にしか表せない表現で
REALにREALに
(2008/02/16荒牧陽子公式Blogより)



■ 自作オリジナルの代表曲「Only Love」。シャウト~フェイク(アドリブ)~美声のフィナーレ。