その65  あなたは10年後にいくつになっていますか? | あなたのとなりにいる 中年男子の本棚

その65  あなたは10年後にいくつになっていますか?

サブプライム後の新資産運用 中原圭介 フォレスト出版 1575円

最近話題の本ですが、書いてあることは結構普通の様な気がしました。

著者はファイナンシャル・プランナー兼エコノミスト。著者に『株の勝ち方はすべて外国人投資家が教えてくれる』など。

 この本の序章で、もう皆が薄々感じている日本の明るくない先行きについて触れられています。少子高齢化のスピードは私たちの想像以上で進行しており、それに伴い日本の成長力は減退し、逆に福祉や年金の社会保障費は年々膨張していきます。
 今後成長が見込めない日本の金融資産のみを保有していれば、先々目減りしていくことになります。そこで「貯蓄から投資へ」。しかし金融知識も持たないまま、『「国際分散投資」「長期運用」だから安心』という言葉を信じて購入した投資信託も、サブプライム問題を前ににあっけなく裏切られました。かつては国際分散投資は確かに有効であったのですが、2000年前後を境に世界金融は強く連動するようになったのです。世界同時株高・世界同時株安と言う言葉も、このころから聞かれるようになりました。また、投資信託での運用はプロが運用するという安心感はありますが、必ずしも個人の運用に勝るものではなく、むしろ手数料が嵩むので著者は勧めていません。
 では個人が資産管理するにはどうすれば良いのか。この問題に様々な金融本では投資対象を8つ程度にすることを勧めていますが、実際これらの商品を個人投資家が理解・管理するのは困難です。そこで著者は国内株式・外貨預金・現預金の3種類または、それに外国株式を合わせた4種類の分散投資を勧めています。
 それぞれの配分はタイミングと年齢によります。景気が悪くなりそうな時は株式比率を限りなく0にする。景気が拡大期に入りそうだと判断したら、逆に増やしていきます。若い方は株式比率を高めにとっても良いでしょう。外貨預金は基軸通貨の米ドルとユーロを中心に、他の高利率通貨を少し入れて構成します。日本は産業構造上、国際競争力を維持するために人件費が永らく抑えられており、インフレが起きにくい体質があります。(つまり低利率)。また、予期される成長力減退と国家破綻の危機に備えて外貨預金を勧めているようです。国債等の債権はリスクの割にリターンが小さいとして、あまり勧められていません。外国株式は銘柄選択の困難さから、ここではノーロードの投資信託活用も可としています。
 私は分散させるほどの資産もありませんが、この著者も結局のところ投資配分のタイミングの重要性を説いているようです。そして国内金融商品だけを持つことも先々リスクとなる事を説いています。
 

 著者が日本株上昇の条件として、法人税の減税を挙げています。日本の法人税率の実効税率は40%。米39%、独38%、英・仏30%、韓27.5%です。OECD平均は31%で世界平均は27%であり、日本は最も高税率の一つです。せめて20%台に落とし、同時に消費税増税とセットで行うべきだと述べています。


 今回、麻生総理は一人当たり12,000円の給付金と同時に、3年後の消費税増税を明言しました。

一人12,000円?これくらいで日本の景気が良くなりますかね。給付金ばらまきは、連立の方の意向を汲んだものでしょうか。

「消費税をアップします。そのかわり法人税を世界標準に減税します!」じゃ、選挙に負けますか?

「企業優遇で庶民を犠牲にしている」と批判する人が必ずいますからね。でも、多くの労働者はそうは思っていないと思うのですよ。会社が儲けんと、私たち労働者の賃金もありませんから・・。


むしろ「12000円位で消費税を上げるな!」と日本国民は怒るべきだと私は思いますが。
「麻生がやりぬく!」が空しく響きます。
 
中年男子の「定額給付金で本書を買うお勧め度」は★×4

サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践/中原 圭介
¥1,575
Amazon.co.jp