無名が何言ってんだといわれりゃそれまでなのですが、ご質問も頂きましたし、仲間たちのことも考えつつというおためごかしで書かせて頂きます。

まぁ、なんか長い前置きをさせて頂いたのですが、「駅やお店で見かけたときに声をかけていいか?」というようなご質問を頂きました。

すぱっとかけられちゃうこともあるので、ご質問を頂くという真心に感謝して、この度お返事をこちらで書かせて頂きます。

その件につきましては、

大変恐れ入りますが、ご遠慮頂けますと幸いです。


私ども俳優というものは、本番に全エネルギーを賭して表現をしております。

そこでしか生きられないと思っておりますし、そこで生きる為にたくさんの準備をしています。

みんないろんなことを抱えながらお芝居をしているし、みんなどんなことがあっても本番中は笑顔でそれぞれの仕事をしております。

そこに集中をしているのです。

僕たちの全てを。

そこを皆さんに見てほしいと思っているからです。

簡単に言いますと、それ以外の時は構えてないのです。

女性だったらメイクもしていない。

そんな顔で皆さんと会うのは、プロとして嫌なのです。

ちゃんと、しっかりと準備運動をして、声を出して、メイクをして、完璧な状態で皆さんと会いたいと僕らは思っています。

どんなにアドリブの練習をしていても、急に声をかけられてはやはり気のきいたことも言えませんし、そうなったときの、僕らの後悔というものはとてつもなく大きいです。

僕も、現に声をかけられると、「あ、もっと明るくこたえればよかった!」「いまの俺の返しつまんねー!」等と後悔ばっかりしています。

かといって、四六時中構えて、スイッチを入れておくと、いざという時のパフォーマンスを落としてしまいます。

だから、本当に偉そうで大変心苦しいし、言わずに済めば一番かななんて思っていたのですが、そういうわけでプライベートで僕を見かけたら、

「あ、あいつ今顔面の完成度も落ちてるし、面白い返しもできないだろうから、ほっとこう。」

と思って頂けますと幸いです。

そんな抜け殻の俺の写真を撮るなんてもってのほかだからね!!

あ、でも。

僕が出演している舞台公演のロビー客出しとかではもちろんお声掛け頂いて結構ですよ!

楽屋戻って、客出しの為に気合を入れなおしてから向かいますので。



そんなこんなでした。