鹿児島ヒトットビ | 音楽的間食

鹿児島ヒトットビ


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九州には仕事でよく行ってたんだ、以前。
飲み友達と言えるたくさんの善い人たちに会ってお世話になった。
基本的に酒が強くて夜は遅くまで付き合ってくれた。

(付き合わされた、の方が正解に近い)


酒が強いというのは僕のようにアホみたいに飲み過ぎることなく、
どんなに飲んでも明るく気丈にいるということ。
飲み方の勉強になる方が本当に多い。


明るく親切で、どこか武士のような粋を見せてくれる。
雄大な九州そのものを映しているようだ。


鹿児島行きの始発便が到着したのは午前8時30分、
ライブまではたっぷりと時間があった(Menozの出番は22時過ぎ)。



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特に予定も決めていなかったので、霧島方面へ北上。
霧島神宮駅に在った足湯に浸り、高千穂牧場へ。
韓国岳が綺麗に見える場所にある牧場、週末ということで寒かったけど、
多くの家族連れやグループが遊びに来てた。


地物のジャンクフードを買い食いしてから、ジンギスカンの朝食。
軽めに食べたけど安かったなー。1200円。食べきれないくらい。
地図で確認したら宮崎県だったw



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霧島神宮は神話時代の皇室神を祀る由緒ある宮。
多くの人が参拝に訪れていた。一の宮なんだろうな鹿児島の。
人々が深々と頭を垂れて参る姿を見ているとその歴史の深さに敬意を禁じ得ない。


クニウミの物語は神話であるけれど、祭神であるニニギノミコトは天照大神の孫であり、
高千穂峰に降臨したとされこの周辺全体が山岳信仰の対象であったりもする。

日本はどこかアニミズムというか精霊信仰が強いし、僕自身もそうだ。
歴史有る自社仏閣というのはその精霊たちが住む結界のように思える。

霧島温泉と一言で言っても沢山の一軒宿の温泉旅館が広域に存在する。



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その中の「さくらさくら温泉」という泥風呂で有名な温泉に浸かってきた。
小さな宿だったけど僕らのようにお風呂だけを楽しみに来る観光客も多く、盛況。
少し早い時間に行って正解だった。


徹夜で羽田行きした僕らはホテルへチェックイン後、少し仮眠を取った。
目覚めると18時を過ぎていて慌てて鹿児島中央の中心部へ。
(泊まったホテルはもう少し南の海沿いだったんだ)



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先にSR HALLの場所を確認して行き当たりばったりで明るい店内の串焼き屋の暖簾を潜った。
まーまー、いい値段のするお店だったけど、食材はどれも美味しく、
トモダチが卵料理が食べたいと言うとメニューに無いのに店長オリジナルのオムレツを作って出してくれた。


満腹になったけどまだ時間はまだ8時、
店の兄ちゃんに近所に飲み直せるようなバーは在るか訊くと、店名を即答。

店からも近かったので行ってみるとJAZZの流れる不思議なカウンターバー。
満席かと思いきやマスターが「奥へどうぞ」と案内してくれた先はお洒落なソファが並ぶクラブ形式の洒落た部屋だった。
眠くなりそうな半間接照明の中でウィスキーなどをゆっくりと飲み干してライブハウスへ。



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SR HALLは多目的ビルの上に在る空中ライブハウス。
もうお客さんもたくさん入っていたので賑やか。
MenozとCrimsonのメンバーに挨拶をしてホールへ。


素晴らしい照明機材で、音もパワフル。
Menozの出番を楽しみ待ちながらドリンクのお代わり。


「200円です」「え?」「200円です」「(^ω^)」


新宿Marbleよりもドリンクが安いライブハウスがここに在った!!


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Crimsonまでは正気を保ってたけど、その後のことはあまり憶えてないよ、はい。

バンドを1つ挟んでCrimson登場。凱旋ライブは盛り上がりに盛り上がった。
東京で見ている時と何かが違うとしたら、空気というか雰囲気。
これはMenozが大阪でやる時もそうだけど今回のツアーのテーマである「バンド生地」への感謝と自信だと思う。

(東京に帰って激突した2マンではERAでその感じを両バンドに覚えた。素晴らしいことです。)


帰った記憶が無いなー(笑)


翌日は枕崎へ行って美味しい魚でも食べようってことで、出発。
九州の南西端にある野間岬を経由することにしたんだけど、このルートがタフだった^^。
野間半島へ到着するとどこまで行けるのか分らないけど岬先端を目指して細い道を進んだ。



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もうこれ以上行けないだろうって所に駐車場が在ったので停車。
降りると頭上に九電の大きな風車。野間半島全体が風力発電地帯になってた。


友人がどうしても行きたいというので海岸線を更に進み坊津の丸木浜を目指した。
なんでもフーテンの寅さんのロケが行われたことがあるそうなんだけど、
とても美しいシーンで記憶に残っているってことだった。


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到着するとちょうど夕暮れで静かな海に西日が綺麗だった。


枕崎に到着。
きっと港に地物の食堂が在るに違いないと踏んで、枕崎港のお魚センターを突撃。
店内に入ると「あったー!」「ごめんなさい。5時で閉店です」「わー!」

しょうがないからカツオのお土産を買いながら、

「この辺に美味しい料理を食べれる店は有りますか?」と訊くと
「まんぼう」と即答。



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17:30を待って「まんぼう」を突撃。これが大正解。安い上にマヂ美味い。
枕崎はカツオが有名なんだけど、お薦めを片っ端からオーダーして、
〆の出汁茶漬けまで華麗に走り抜けた。炙りしめ鯖が死ぬほど美味かった!

さんざ、食べ飲みしたんだけど2人で5千円もしなかったー◎


鹿児島市内へ戻ると仕切り直しして鹿児島中央へ繰り出す。
この日は鹿児島中央駅近くのホテルでござった。

行き当たりバッタリ(いつもこれ)。



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明るいホルモン焼きさん「サクラジマドラゴン」が見つかったので突撃。
旨かったなー、肉(笑)青汁サワー飲みすぎたよ。

照明だけじゃなく店員さんもみんな明るくて親切。
会話をしながら肉を焼いてくれるのが面白かったな。



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ドラゴンを後にした酔客はホテル近所に在る屋台村に展開。おでんを食った。



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翌日、行くとこも決めてなかったので桜島へ渡ることに。
遅めに出発して港の近所にある奄美大島料理を供する飲み屋で鶏飯を食べた。
鶏飯(ケイハン)は奄美地方の伝統料理で、食材をご飯にのせて鶏スープを掛ける出汁茶漬けみたいなもの。二日酔いのカラダには頗る合うのです。


フェリー乗り場が感動したなぁ。
鹿児島側からは受付も何もしないでそのまま車をフェリーに載せ、
到着した桜島のゲートで支払をする仕組。よくできてると思った。
復路はたぶんその逆パターンなんじゃないかな。



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溶岩遅滞を走り、桜島を一周。車を降りて歩くとザリザリと火山灰の感触が足の裏に有る。
地元の人が利用する白浜温泉に浸かって、大正時代の大噴火で埋まった神社の鳥居を見て桜島を後に。

その大正の大噴火で桜島は九州本土と地続きになった。そこを通って垂水から九州に再上陸。

最後の晩餐を道の駅で食べた。そういえば豚肉を食べてないなーってことで笑
(実際は鹿児島空港がホントの最後の晩餐)




・・・
旅っていうのは小さな死とというか彼岸に渡るようなところがあるよね、

知らない時空を行くわけですから。


滞在時間の長い九州旅行。
非日常的な背景と時間の中でいつも観てるバンドの演奏が展開するという不思議。


僕が遠征までしてライブを観るのはその異常な取り合わせ、ヴィヴィッドなコントラストを味わうためだ。
ライブ無しでここまで印象的な諸々を体験できただろうか、というと否。


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・・・
新宿の雑踏を黙々と歩いていたとして、
何も意識的に見てもいないし、聴いてもいないよね。


ばったり誰かに「やー、すーさん!」って声を掛けられると、
ぶわっと灯りがついたようになって二言三言の言葉を交わす間だけ周りの音が聞えだして、彼の背景に在る看板が目に入ったりする。
「じゃぁまた」となってまた無音の世界へ歩き始める。


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旅というのは、極端化するとアリスの不思議や鏡になるのかもしれないけど、

目と耳と胸を本気で動かす為の「何か」なんだろうな