未来世代の不良債権リニア新幹線ゴリ押し ・・・ ~すべては国民のツケに | いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.

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ベルトルト・ビレヒト: ガリレイの生涯、第13幕

未来世代の不良債権リニア新幹線ゴリ押しでJR東海がJAL・東電の二の舞になる危険~すべては国民のツケに
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リニア新幹線計画って、こんなに狂気な計画だとは思いもしなかった……。

リニア新幹線についてどう思うか?と聞かれて、
「何が何でも絶対に反対だ!」という人は少ないのではないか。
だって税金を使うわけではなくJR東海が全額負担するわけだし、
夢の超特急ができるなら一度くらいは乗ってみたいぐらいの感覚ではないか。
私もそうだった。

このため、
「来年から建設着工予定のリニア新幹線計画をなんとして止めたい。
しかし国民の関心はあまりに薄い。
ブログを拝見し、この問題についてぜひブログで書いてほしい。
現地を案内しますので」と、建設予定地の南アルプスそば、
長野県大鹿村に住む浮島仁子さんからメールをいただいた時、正直ぴんとは来なかった。
だから「取材はしますが、リニア反対という記事を書くとは限りませんよ」
と返信したのだが、それでもいいというので行ってきた。

・・・

その理由はズバリ、どうやっても必要性が見い出せず、
明らかにJR東海の収益悪化をもたらし、それが最終的には国民の負担になる不良事業だから
だ。

はっきりいってリニア建設計画は狂っている。
例えるならJR東海が9兆円の借金をして、
万馬券の馬に全額賭けますといっているような話だ。
あまりにバカげていて建設する意味がわからない。

ただこのリニア計画がミソなのは、
税金ではなくJR東海が全額負担して事業を行うことだ。
国民の血税を使うわけじゃない。JR東海がやるんだからいいだろうと。

でも果たしてそうだろうか?
リニア計画がどっかのベンチャー企業がやるならともかく、
国民にとってなくてはならない生活の足を、
ほぼ独占的に保有している極めて公共性の高い鉄道会社がやるわけだ。
9兆円もかけてリニア作ったのに、
まったく採算が合わずに赤字になってしまえば、
その負担は通常のJR東海の運賃に上乗せされる形になる。
失敗が目に見えている大バクチをしたせいで、
そのツケは結局は国民に降りかかってくるのだ。

リニアが失敗してその会社が倒産するなら、国民には何の被害もない。
融資したアホな銀行が不良債権を抱え込むだけだ。
しかしそうではない。そのツケは国民の生活の足に上乗せされるのだ。

JALの破綻や東京電力の“破綻”と同じことだ。
ずさんな経営で、かけるべきところにお金をかけず、いい加減なところに金をかけ、
経営が悪化したら、そのツケは国民が背負わされる。
赤字経営になろうが破綻しようが、JALや東電は潰せない。
なぜなら代替手段がほとんどないからだ。
JR東海もそれと同じ。自社負担だからいいではないかでは済まされなくなる。

9兆円もかけてJR東海がリニアで建設費を回収できるとは思えない大きな理由は2つ

1:そんなに速くない。
リニアは東京ー大阪間を67分で結ぶという。
東海道新幹線は138分。
2時間が1時間になると考えれば早いかもしれないが、
東海道新幹線のように在来線の乗り換えが便利な、地上にホームがあるわけではない。
地下奥深くにホームがある。
在来線からの乗り換えで、東京、大阪ともに、
地下ホームの移動までに10分ずつかかったとしたら、
乗っている時間が1時間でもそれにプラス20分もかかることになる。

まして所要時間が短かったとしても、
現在の東海道新幹線並みの本数の多さがあるのかどうか。
例えば30分に1本しかないなら、所要時間が短くても待ち時間がかかってしまい、
トータルで見たら本数の多い東海道新幹線とたいして変わりないなんて話になりかねない。

・・・

2:需要がない。採算が合わない。
そして何よりも9兆円もかけて作っても、
到底需要があるとは思えないことだ。

第一に、最も競合するのは東海道新幹線。
自社の収益源から客を奪うだけでは、
当然、莫大な借金をしてコストをかけた金は回収できない。

そもそも大阪開業する2045年には、
現在の人口から約2600万人減る
と予想されている。
(約1億2800万人→約1億200万人)
さらにその後は1億人を割り、2060年には約8700万人になると予想されている。
今ならまだしも、30年後、人口が今より激減した時代に、
やっと完成するような代物に9兆円もかけて代金回収できるのか。

例えば、富士山が見える絶景路線で、
外国人観光客がいっぱいになるとかいうならともかく、
ほとんどが地下で、車窓の楽しみはまったくない。暗黒車窓列車だ。

また30年後の社会を考えると、
通信技術の発達で今よりさらに出張需要が減っている可能性が高い。
わざわざビジネスマンが大阪や東京を往復しなくても、
30年後はネットや情報機器の発達により、
たいがいのことが移動せずに済んでしまう可能性もある。

需要激減が予想されるのに、なぜ9兆円も大借金して、
驚くほど速くはないリニアを作らなければならないのか、
まったく理解ができない。


・・・

リニア計画はあまりにも狂気の沙汰だ。
にもかかわらず何が何でも建設せねばとゴリ押ししているJR東海は、
採算が合わないにもかかわらず、リニア計画を猛進させるのは、
政治的な圧力があるからなのか建設業との裏取引でもあるのだろうか?

結局、リニアも原発やダムと同じく
必要があるかではなく、国民のためになるかではなく、
失敗した時のコストや事故というリスクをすべて国民に押し付けて、
計画したら絶対に見直しやストップはせず、
政治的な理由から推し進めてしまえというまがい物としか思えない。

一体、日本の狂気な行動は何が原動力になっているのだろうか。
そりゃいくら増税し続けても、借金が増える一方に決まっている。
誰か何のためにこのリニアをゴリ押ししているのだろうか。

いい加減な需要予測で特定の人間だけが儲かる目的のために、
採算性のない事業に突っ込み、最終的にすべてのツケは国民が負わされるという、
詐欺投資話みたいな事業をゴリ押しする日本の慣習はもういい加減やめるべき。
やるならハンをついた人間に失敗した時のツケをすべて負わせる仕組みに改めるべきだと思う。

・・・