汚染水「コントロール」 菅官房長官「発言は当然」 | いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.

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「真実を知らない者は愚か者でしかない。
だが、真実を知っているにもかかわらず、それを嘘という奴、
そういう奴は犯罪者だ」

ベルトルト・ビレヒト: ガリレイの生涯、第13幕

安倍首相の発言には呆れましたが、単に現場の状況を良く知らないだけで無知なだけの発言だったのだろうと、これ以上の細かい突っ込みを入れるつもりはなかったのですが、取り巻きからこんな発言を聞いてしまうと、またむらむらと怒りが。

汚染水「コントロール」 菅官房長官「発言は当然」
http://news.tbs.co.jp/20130909/newseye/tbs_newseye2011892.html

菅官房長官は、安倍総理がIOC(国際オリンピック委員会)の総会で、福島第一原発の汚染水漏れの問題について「状況はコントロールされている」と明言したことについて、「発言は当然だ」と語りました。

 安倍総理はIOC総会で、汚染水漏れの問題について「状況はコントロールされていると私が保証する」と明言しました。この発言について、菅官房長官は9日の会見で次のように説明しました。

 「汚染水が漏れたといわれる湾内にシルトフェンスを設けて外に出ないようにしています。フェンス内においても基準値以下になっていますし、湾外については検出をできないくらいの値以下しか出ていないということですから、これをコントロールしているというのは、ある意味で当然のことじゃないでしょうか」(菅義偉官房長官)

 菅長官はこのように語り、安倍総理の発言に理解を求めました。(10日00:40)


こんな説明を理解しろと。(怒)


安倍首相:汚染水「完全にブロック」発言、東電と食い違い
http://mainichi.jp/select/news/20130910k0000m040073000c.html

毎日新聞 2013年09月09日 21時07分(最終更新 09月10日 01時09分)

安倍首相が言及した「0.3平方キロ」のエリア
拡大写真 安倍晋三首相が、7日にアルゼンチン・ブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会の五輪招致プレゼンテーションで、福島第1原発の汚染水問題をめぐり、「完全にブロックされている」「コントロール下にある」と発言したことについて、「実態を正しく伝えていない」と疑問視する声が出ている。

 9日に開かれた東京電力の記者会見で、報道陣から首相発言を裏付けるデータを求める質問が相次いだ。担当者は「一日も早く(状況を)安定させたい」と応じた上で、政府に真意を照会したことを明らかにするなど、認識の違いを見せた。

 防波堤に囲まれた港湾内(0.3平方キロ)には、汚染水が海に流出するのを防ぐための海側遮水壁が建設され、湾内での拡大防止で「シルトフェンス」という水中カーテンが設置されている。また、護岸には水あめ状の薬剤「水ガラス」で壁のように土壌を固める改良工事を実施した。

 しかし、汚染水は壁の上を越えて港湾内に流出した。フェンス内の海水から、ベータ線を出すストロンチウムなどの放射性物質が1リットル当たり1100ベクレル、トリチウムが同4700ベクレル検出された。東電は「フェンス外の放射性物質濃度は内側に比べ最大5分の1までに抑えられている」と説明するが、フェンス内と港湾内、外海の海水は1日に50%ずつ入れ替わっている。トリチウムは水と似た性質を持つためフェンスを通過する。港湾口や沖合3キロの海水の放射性物質は検出限界値を下回るが、専門家は「大量の海水で薄まっているにすぎない」とみる。

 さらに、1日400トンの地下水が壊れた原子炉建屋に流れ込むことで汚染水は増え続けている。地上タンクからは約300トンの高濃度汚染水が漏れ、一部は、海に直接つながる排水溝を経由して港湾外に流出した可能性がある。不十分な対策によるトラブルは相次ぎ、今後もリスクは残る。「何をコントロールというかは難しいが、技術的に『完全にブロック』とは言えないのは確かだ」(経済産業省幹部)という。



シルトフェンスって、要するに、ただの水中カーテンです。
誇張でも何でもなく、ただの布切れを浮き輪から垂らしているだけなのです。

こんなもので海水がブロックされていると?
$いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.-汚染水 2ch図 GIF


呆れてしまいます。
カーテンで海水が止められるなら、防波堤なんか簡単に作れてしまいますね。

現に東電も一日に半分(50%)の水が入れ替わっていると言っています。
放射性物質の濃度が下がったのは単に外洋の水と混ざって薄まっただけ。こんな水中カーテンでブロックされているわけではありません。


唖然(あぜん)? シルトフェンスがこんなちゃちなものとは。。。
http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1189.html

汚染水拡散防ぐフェンス製造開始 前田工繊、福島第1原発用に
(福井新聞。2011年4月6日午前7時42分)
(写真説明)前田工繊のシルトフェンス。浮きの下にカーテン状の布が垂れており、水の流れを止めることができる(版権のために写真は略します)

 福島第1原発から放射能汚染水が流出している問題で、流出拡散を防ぐために、土木資材・災害復旧資材製造の前田工繊(本社福井県坂井市、前田征利社長)が製造する「シルトフェンス」が使われることになり、5日から製造を開始した。

 シルトフェンスは汚濁防止幕とも呼ばれ、浮きの下に、重りを付けたポリエステル製の布を海中に垂らすカーテンのようなもの。通常は護岸工事などで使用し、砂などが海や川に拡散しないよう設置される。

 東京電力は同原発2号機の取水口前にこのシルトフェンスを設置し汚染水の拡散を防ぐ計画で、大手海洋土木業者が施工を担当する予定。前田工繊によると、フェンスの総延長は約540メートルのうち約半分で同社の製品が使われるという。

 同社製品は、直径30センチの筒状になった浮きの下にカーテンを垂らしたもので、カーテン部分の深さは6メートルと10メートルの2種類。カーテンの大きさが規格外であるため、5日から西宮工場(兵庫県)で製造に取り掛かった。

 同社は「災害復旧に携わる企業として、一日でも早く安全が確保されることが最優先」としており、工場をフル稼働させ、採算度外視で製造に当たっている。完成すれば、今週末と週明けの2回に分けて同原発に搬入する予定。

 ただ、フェンスは土砂用のため「放射能汚染水に対しどれほどの効果があるか分からない。少しでも汚染水が海に流れ出る速度を遅らせることができれば」と話している。




もうひとつ、衝撃の事実を。

堤防で、これによって(上記の水中カーテンの部分を除けば)汚染水が(完全に)ブロックされていると言っている福一の防波堤。コンクリート製で見かけはいかにもそのようにも見えます。

$いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.-1F防波堤


福1には、タービン建屋前を岸壁沿って冷却水取水口を守る入り江にするための約100m×450mの防波堤(東波除堤)、原発敷地左右から大きく斜めに突き出た港湾全体を外洋と仕切るための北防波堤および南防波堤の合計3本があるが、いずれもその構造は、透過堤といって海底に石とコンクリートブロックを堤防上面まで積み上げ、その天端だけを50cm厚のコンクリートで覆った(ケーソン)もの。

福島原子力発電所土木工事の概要(2)
http://cryptome.org/0004/daiichi-build-02.pdf

このタイプの透過堤は海水交換型防波堤に分類され、その名のとおり防波堤の内外を海水が行き来できる。
http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00027/1997/33-B05.pdf
p15

$いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.-1F透過堤防


要するに、こんな堤防では海水はダダ漏れ、透過して、港湾内の汚染水のブロックなど全くできてはいません。これは、所詮、防波堤なんです。波を止めるだけのもので、海水を完全に遮断するような機能は初めから考えられてはいないのです。

つまり、ちゃちなシルトスクリーンの問題以前に、福1の「放射能水はスクリーンと防波堤により港湾内に留めてある」どと言うのは初めから大ウソだったということです。

東電は福一の堤防(防波)は海水ツーツーの構造だというのは当然知っているはず。「外洋に出てる可能性は否定できない」なんて言っているけど、完全に確信犯です。


東電も首相も単に無知だけなら(立場を考えれば無知でも犯罪ですが)、百歩譲って、単なる愚か者として罪が減じられたかもしれません。しかし、ウソはいけません。

このブログのタイトルにもありますが、知っていてウソをつくのは、完全に犯罪者!