さらに増え続ける甲状腺ガン 〜 男女比だけは言い訳が効かない | いわき市民のブログ I am An Iwaki Citizen.

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ベルトルト・ビレヒト: ガリレイの生涯、第13幕

さらに増え続ける甲状腺ガン ~ 男女比だけは言い訳が効かない
http://blog.livedoor.jp/hardthink/archives/52015178.html

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今回は、これまでに全く明らかにされていなかった甲状腺ガンに患った子供の年齢、性別が公開されております。(これまでは、個人情報に当るという言い訳で公開されておりませんでした。)

<福島県 8/20>第12回福島県民健康管理調査 甲状腺検査

人数はもちろんですが、私が特に注目しているのは、年齢と男女比率です。

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上記の通り、一般に甲状腺ガンの罹患数を男女比は、女性の方が3倍も多いことが分かります。

翻って福島県民健康管理調査における疑いを含む44人の男女比は、26÷18≒1.4倍と、男性の比率が2倍以上も高いことが分かります。

国際的な知見においても、放射線による小児甲状腺ガンでは、男性の割合が高まることが指摘されております。

<参考>UNSCREAR Report 2000

チェルノブイリ原発事故の2000年時点でのUNSCREARの報告書では、甲状腺ガンのリスクの男女比(女性のリスク÷男性のリスク)は2.1倍と示されております。

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私は、検査機器の精度向上や、大規模甲状腺検診というこれまでに無かった検査を行っていることが原因で、甲状腺ガンが増大しているという理由付けを全て否定するつもりはありません。

しかしながら、福島県民健康管理調査で明らかになった甲状腺ガンの男女比1.4倍は、そのような誤摩化しでは説明が付きません。

それらの要因があったとしても、少なくとも放射線の影響では無いとは断定できないと考えております。

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私には、もう一つ小児甲状腺ガンについて強く懸念していることがあります。

それは「肺への転移」についてです。

菅谷昭(すげのや・あきら)・現・松本市長は、甲状腺の専門医として、チェルノブイリ原発事故後、5年間医療支援でベラルーシに渡り、奇跡のメスでチェルノブイリ・ネックレスという手術痕を無くし、多くの命を守りました。

<参考文献>菅谷昭 著: 新版 チェルノブイリ診療記 福島原発事故への黙示

その菅谷昭・松本市長は、上記の書籍の中で「甲状腺ガンに患った子供の内、約6分の1に肺ガンへの転移が認められた」と書いております。

最近では、YouTubeでも甲状腺ガンの摘出手術後に、転移した癌で亡くなられた子供の父親がインタビューに応えるという動画も掲載されております。

手術で甲状腺を摘出された子供達は、ホルモンバランスを保つ為に一生涯ホルモン剤を飲み続けなければなりませんし、上記のように将来の癌への不安とも闘い続けなければなりません。

先に動画で紹介した福島県民健康管理調査の会合では、時折、笑いが漏れるなど、緊張感に欠ける場面がありますが、私はとてもそんな心境にはなれません。

会議に参加している有識者達は、もしかしたら甲状腺を摘出して健康になったのだからもう問題は無いとでも誤認しているのかも知れません。

私は上記の懸念から、甲状腺ガンを患った子供達、その親御さん達への術後のサポートを十分に行って頂くことを、福島県民健康管理調査に強く進言させて頂きました。