因みに前回ブログの最後で記載した股関節脱臼した患者さんは、梯子に登ってクリスマスツリーの飾り付けをしている最中に誤って落下したらしく、この時期の北米で起こりやすい事故です。。(>_<)
 
このように事故・ケガには地域性があって、例えば僕の故郷北海道では冬になると雪かき中屋根から滑落したり落雪事故が増加します。。
 
緊急性の高い上記患者さんを処置しながら、友人ドクターと彼に”金魚の糞”のようにくっついた僕は別の部屋にも行ったり来たりしながら、さほど緊急性のない患者さんたちも同時に診察しました(^_^;)
 
今回はあくまで傍観者としてER入りした僕なので、その様子を客観的に観察する余裕があり、その中を見廻すと実に多くの人たちが働いていることに気づきました(・o・)
 
医師、看護師を筆頭に、レントゲン・検査技師、ソーシャルワーカー、事務員、パラメディックと呼ばれる救急隊員、掃除や物品運送のヘルパー、警備員などなどそこにまるで一つの社会が形成されているかのようです(^^
 
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上写真のようにベッドサイドで友人ドクターが患者さんの容態について説明していますが、僕は患者の気持ちでその話しに耳を傾けましたが、医師の一言の責任がいかに重たいかに改めて気づかされました。。
 
働きっぱなしで疲れた僕たちは午後5時過ぎに休憩室に戻り、病院に来る前にベトナム料理店で買った春巻きとコーヒーを口に入れ一息つきました(^_^;)
 
休憩室のパソコンで患者待ち状況を確認すると、相変わらず30人近くがリストアップされていました。。
 
僕は友人ドクターに「この待ち患者達はいつになったらいなくなるのでしょう?」と尋ねると、彼は「365日24時間ゼロになることはなく、常に待ち患者さんが居続けるのです。。」と肩をすくめながら答えました。
 
僕たちは一息ついた後午後8時までの残り時間まで仕事に戻り、診察をひたすら待ち続ける患者さん達を次々に診察しました。
 
多忙な時間はあっという間に経過するもので、時計が午後8時を廻り友人ドクターが帰宅準備をし始めたところ、救急車で緊急性の高い患者さんが担ぎ込まれました。
 
今度は傷害事件に巻き込まれた若い女性のナイフ刺傷ケースでしたが、このような症例は僕も一度も遭遇したことがなく、この患者さんの処置に立ち会うことにしました(O_O)
 
このケースは事件性の高いため、警察も立ち会う物々しい雰囲気の中でまずはバイタルサイン(生命徴候)の確認、点滴ルートの確保、刺傷状態の確認を行いました。
 
創傷(傷跡)は形成・美容外科で常日頃遭遇するので、僕はER勤務する医師に紛れて間近でその状態を確認させてもらいました。
 
この患者さんの刺傷は、不幸中の幸いにも筋層にまで達しない命に別状のない程度だったので、診察を行った医師・スタッフたちは皆安堵しました。
 
犯人はすでに逮捕されていましたが、こういった凶暴事件がERに運び込まれるのも北米ならではのことと僕は感嘆しました。
 
直ちにレジデント(研修医)が四肢に生じた何カ所かの刺傷の縫合を始めたのを見計らって、僕たちはようやくERを離れました。
 
時計を見ると時刻は午後9時を廻り、この時間から勤務する新しい救急ドクターがバトンタッチして仕事を開始していて、この国の救急医療が24時間ノンストップで行われている実態を目の当たりにしました。
 
”金魚の糞”の僕はこの8時間、慌ただしくその様子をひたすら観察することに徹しましたが僕がここにいた証を何か一つくらい残したいと考え、友人ドクターとERジムで下写真を撮影しました(^-^)
 
美容医療とは直接関与しないER(救急)医療ですが、人体を扱う以上ERでの基礎知識を備えていることは必須と確信しています。
 
今後またこういったチャンスがあれば、積極的に参加したいと思っています\(^O^)/