++点滴++ |  sleeping cat*

++点滴++

32 指の触れた先にある空虚を

滲み落ちていく空すら認めてくれませんでした


そろそろ近付いてくる頃でしょうか

泣きごとを言っている暇は全くなくて

あなたの返事だけ 救う術として捕まえたのです


ただ 願う ひとつのすべては

そこにいて欲しいという事象



宙に浮いた音に付く名前を

教えてくれそうなひとは誰もいないようでした


そろそろ終わっていく時間でしょうか

慌てふためいている暇は与えられなくて

あなたの偽りの相槌がたとえ多少の苦痛であっても


ただ 願う ひとつのすべては

そこにあなたがいるという事象



それが

わたしの治療なのです



わたしの治療だったのです