と~っても、ひさびさにリクエストにお応えしたお話をアップします。


リクエスト第7回目は、モチさんからのリクエストひらめき電球


★琴子ママのお墓参りのエピソードで、直樹が琴子ママと話した秘密の話について、お話を書

 いて欲しいとのリクエストをいただいていました。


このリクをいただいた時は、まだkiss16の放送前で、そのエピがドラマにあるかどうかもわから

ない時だったので、まずはそのエピがあるかどうか、もしあるのならそのエピを見てからお話を

書くかどうかを決めさせてくださいと、お返事していました。

そして、kiss16でこのエピをしっかりと見ましたので、リクエストにお応えすべく、今回のお話が

出来上がりましたので、どうぞお読みくださいませひらめき電球



ご期待に添えているかどうか、とても心配ですが、どうかお楽しみいただけますように・・・


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 ~空に返した約束~


―やっと、会えましたね、お義母さん・・・


オレは、琴子の母親の墓に手を合わせながら、ココロの中でつぶやいた。





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琴子が、感無量の面持ちでオレを見上げているのが目の端に見えていたが、オレは真っ直

ぐにお義母さんの墓石を見つめたまま、静かに話し始めた。


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・・・そう、囁くように、もちろんココロの声で・・・



  やっと会えましたね、お義母さん。
  何から話しましょうか・・・
  オレと琴子がどうして出逢って、どうして結婚したかなんてことは、今さら話す必要はな

  いですね?
  だって、あなたはきっと、オレ達の最初から今この瞬間までの全てを、空の上からずっと

  見ていたはずですから・・・


  だけど、オレはどうしてもここへ来たかった。
  あなたに会って、お礼が言いたかった。
  そして、あなたの前で、誓いたいたかった。


  オレは、たぶんもう琴子のいない人生など考えられない程に琴子を愛していて、それは

  本当に眩しいほど鮮やかにオレのココロを染めている想いです。
  そして、こんなにも愛することの出きる存在にめぐり合えたのは、あなたなしではありえ

  ないことなのだということをいつも考えていました。
  だから、ココロから感謝します・・・琴子を産んでくださって、琴子をこの世に送り出してく

  ださって、ありがとう・・・


  あなたがいなくなった後、あなたの分までお義父さんがたったひとりで琴子を愛して来ました。
  でも、今はオレとオレの家族がお義父さんに負けないくらい、あなたの琴子を愛しています。
  だから安心してください・・・そして、今日のこの青空のように澄んだ瞳で、これからもオレ達

  を見守っていてください。
  オレは、決してあなたをがっかりさせたりしないことを、今ここで誓います。


  それにしても・・・琴子は本当にあなたにそっくりだ。
  だからきっと、オレとあなたは、とてもいい親子になれたことでしょう・・・
  オレのオフクロは、何があっても息子のオレより琴子の味方だから、もしあなたが生きてい

  たら、あなたが、オレの唯一の味方になってくれていたかもしれませんね。


  あなたに会いたかった・・・本当に、ココロからそう思います。

 




オレは、合わせた手を降ろすと、隣に立つ琴子の肩を抱いた。
琴子は、何も言わずにオレに寄り添っていた。
オレは、ずっとココロの中に秘めていた願いが叶えられてとても清々しい気持ちになっていた。

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「入江君、帰ろう・・・」
いつまでも、飽きることなくその場に立ち尽くしているオレに、琴子がポツリとつぶやいた。


「ああ、そうだな・・・」
オレは、琴子の肩を抱いたまま、お義母さんの墓を後にした。


―そうだ!


膝まで漬かる水に足を取られそうになりながら、オレはひとつ言い忘れたことがあったのを思

い出して、もう一度、お義母さんの墓を振り返った。


―お義母さん?・・・今、オレが言ったことは、琴子には内緒ですよ・・・間違っても、琴子の夢

 の中なんかでこっそり教えたりしないでくださいね・・・約束ですよ。


突然立ち止まったオレに、不審気な目を向けている琴子に、オレはニヤリと笑って見せると、再

び琴子の腕を抱えるようにしながら歩き出した。



そんな時、オレの耳に微かな声が聞こえてきた・・・
それは、琴子の声にとてもよく似ていて、でも決して琴子ではない声・・・


~直樹さん・・・琴子をどうぞよろしくね・・・~


オレは、強く瞼を閉じて、その声をココロに刻み付けた。
静かにココロに沁み込むその声を、オレは何度も何度も反芻した。


―はい、必ず幸せにします。


オレは、精一杯のココロを込めて、空へと約束を返す。
なんだか、胸の中が温かなもので満たされていた。




「ねえ、入江君?さっき、お母さんと何を話していたの?」


「それは、オレとお義母さんの秘密さ・・・」


「いつも、そうなのね・・・」



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湾内の穏やかな波に、夕陽が反射してキラキラと光っている。
爽やかな海の風が、優しく頬を撫でていく・・・
オレは、やけにゆっくりと沈んでいく夕陽の中で、琴子を抱きしめた。


明日になれば、オレは再び馬祖へと旅立つ・・・
この短い休暇で、また離ればなれになってしまうオレ達だから、今だけはほんの少しだけ時間

も足踏みしてくれているような気がした。


―そうか・・・


もしかしたらそれは、あの夕陽の向こうで、オレと琴子を見つめている優しい眼差しの、オレ達

のための温かな配慮なのかもしれないと、なぜかその時オレは思った。


―きっと、そうですね?お義母さん・・・ありがとう。




オレは、今日のこの日を決して忘れない。
お義母さん(あなた)に会えたこと・・・
お義母さん(あなた)と約束したこと・・・


そして、自分の気持ちを本当に素直に語ることの出来たこの日を・・・


                                             END


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さて・・・いかがだったでしょうかはてなマーク


このエピ、直樹がとても楽しそうでとても優しくて、良かったですよね合格

そして、琴子ママのお墓に向かって手を合わせているとき、直樹の口元を見ると、微かに唇を

動かして何か言ってるんですよね・・・(まさかお経じゃないと思うけど(≧m≦)ぷっ!)

それを見ていたら、やっぱりこのシーンは書いておきたいって、思いました。


モチさんは、気に入ってくれたかな・・・



とても久しぶりにリクエストの作品を書いて、なんだかとっても緊張してしまいました。

他にも、1吻のエピでのリクエストをいくつかいただいていて、なかなか書けずにいるのですが、

今は、やっぱりどうしても2吻のことで頭がいっぱいなので、お許しくださいね。

いつか機会があったら、きっと書かせていただきますので・・・


次回もどうぞお楽しみに音譜



                                               By キューブ





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