アレルギーの治療は、ステロイド剤(免疫抑制剤)、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬などの薬剤を使用した対症療法が主に行われます。

猫の薬物治療は、犬に比べると副作用を引き起こす危険性は少ないと言われていますが、猫は犬に比べると体が小さく、肝臓や腎臓などの臓器も小さいため、解毒能力が低く、嘔吐や下痢などの体調不良を引き起こす場合がありますので、治療中は十分な経過観察が必要になります。

また、長期間の薬剤の使用は薬への耐性や依存性が生じる事がありますので、食事の変更や生活環境の改善を行いながら、成分の弱い薬剤に切り替えたり、薬の量を減らすなどして、休薬を目指して行く必要があります。

他にも、アレルギーの治療にはインターフェロン製剤の投与によって、免疫機能の補助や正常化を図る場合もあります。

減感作療法は、意図的に微量のアレルギー物質を体内に取り入れる事で、少しずつアレルギー物質に慣れさせていく根本療法ですが、頻繁な注射が必要であったり、アナフィラキシーショックと呼ばれる全身性のアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、年齢や体調などを考慮して行う必要があります。

また、薬物治療のような即効性がありませんので、皮膚の痒みを抑えるには、痒み止め薬などの何らかの薬物治療が必要になります。

舌下減感作療法と呼ばれる口腔粘膜への減感作療法の場合には、頻繁な注射を必要としないため、注射を嫌がる犬や猫には有効な治療法と言われています。