今回はキネシオテーピングについてコラムを掲載させて頂きます。


キネシオテーピングは、他のスポーツテーピングの様に安静や関節の固定を目的として使用するのとは違い、皮膚に貼り付くことで筋膜と筋の間にわずかな隙間(=0.01mm。細い髪の毛でも0.05mmと言われており、それよりも小さいです)を作る事に使用目的があります。この効果によって皮下の還流を促し、自然治癒能力を高めることができるテーピングです。軟部組織(筋膜・筋肉)の障害はスポーツ選手では非常に多く、肉離れなどは長年苦しんでいる選手も多いのではないでしょうか。そんな軟部組織障害に対して効果を発揮するのはキネシオテーピングです。筋肉などに張りを感じている場合や痛みを感じている場合に効果を期待できます。貼り付け方も難しいテクニックは少ないことも重なり、広くスポーツ現場では利用されています。そんなキネシオテーピングの基本的な効果・貼り付け方・注意点などについてご説明させて頂きます。


まずはキネシオテーピングの効果として、

①筋機能の改善

②血液・リンパ液の循環改善

③疼痛抑制

④関節矯正

以上の4の効果があります。


わずかな隙間が作られることで血液やリンパ液の循環が改善するだけでなく、異常な筋の緊張を正常化させることで筋機能が改善し、皮膚への刺激が疼痛も緩和させます。関節の矯正に関しては、スポーツテーピングのように直接関節を誘導するというよりは筋機能が改善することで関節のズレを整えてくれるということです。





次にこのテープは伸張性があり、その伸張のかけ方によって対象となる部位が変化します。



010%:皮膚や筋膜、浅層の筋肉が対象であり、皮膚への負担は少なく14日使用可能

1050%:深層にある筋肉が対象となり、皮膚への負担は大きくなります

5075%:腱・靱帯が対象となり、さらに皮膚への負担は大きくなります

75%~100%:関節矯正が対象となり、皮膚への負担が大きく、2時間程度のみの使用



そして、キネシオテーピングの基本的な貼り付け法についてご説明します。

①テープを貼付する部位は、皮膚と筋が最大限に伸張された状態である必要があります

テープを貼る方向と反対の方向に皮膚を伸張し、皮膚の遊び(皮膚の動きを無くす)を取ってから貼付する必要があります

テープは伸張しすぎず、方向付け程度に伸張して貼付します



最後にキネシオテーピングの意外と知らない注意点をご説明させて頂きます。普段使用している方でも間違った使用方法をしている方も見受けられるため、ご参考にして下さい。



まず、キネシオテーピングにおいては前回ご紹介させて頂いたスポーツテーピング(主にホワイトテープ)の様なテーピング自体の作用で関節の固定作用はありません(例外として、靭帯を伸ばした程度であり、筋機能の向上で関節の制動が可能であれば適用となります)。そのため、足関節捻挫などで靭帯を損傷してしまい不安定性がある場合はキネシオテープでは関節を固定できないため、固定作用を目的とする場合は前回ご紹介させて頂いたテーピングで関節を固定して下さい。



次に貼り付ける方向にも注意が必要です。キネシオテープは皮膚の上に貼り付ける事で隙間を作り、その隙間のおかげで筋肉の活動がしやすくなり筋機能の改善が得られます。つまりは目的とする筋肉の走向に沿って貼りつけなければ効果は得られ難くなります。また、筋肉が付着している部位で、身体の中心に近い物を起始部、身体の中心から遠い部位を停止部と呼びます。




この起始部と停止部に沿ってキネシオテープを貼り付けることで筋機能改善の効果が得られやすくなります。そのため筋肉がどこからどこに付着しているのかの知識が必要となってしまいます。ただなんとなく痛みがある部位に貼り付けるだけではなく、そういった工夫で効果が発揮されます。


そして、大会などでトレーナー活動をしていると、選手自身やチームの指導者様などがキネシオテープを貼り付ける際にテープ自体を伸張しすぎてしまっている方をよく見かけます。先ほどご説明させて頂いたようにキネシオテープは皮膚と筋肉の間にわずかな隙間を作る事で効果を発揮させるものです。特殊な貼り方で75%~100%伸張させて(テープの最大の伸張が100%として)関節を矯正させる方法もありますが、しっかりとした知識・技術を有していない場合は逆に痛みなどを出現させてしまう危険があるため、オススメしません。あくまでも貼り付けたい筋肉を伸張位にして(大腿四頭筋であれば膝を曲げた状態で)テープには伸張を軽くかける程度をオススメします。


以上でキネシオテーピングについてのご説明とさせて頂きます。

手軽に使用できるテーピングではありますが、その貼付方で効果が大きく変わってしまいます。しっかりと基本的な使用方法を理解してから御使用下さい!



次回は『基礎的なキネシオテーピングの貼り方』の情報をUPします!


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