有能すぎる人は、リーダーに向かない | コミュニケーションの学校 回覧板(錦糸町&両国&浦和)

有能すぎる人は、リーダーに向かない

大きい組織の会社ではたらくと、
本当にいろいろな人の栄枯盛衰が見れて勉強になります。

自分も新卒のころはたくさんの同期がいました。
なかにはすぐに結果を出し、高い評価を受け最初から優秀な人も
いましたが、そういう人がそのまま優秀でありつづけたとは
限りませんでした。なぜか途中から急速にしぼんでしまうのです。

多くの場合、それは何かスランプ、というものではなく、
仕事にマネジメント業務が加わったとき、
つまり、管理職に昇格すると、いきなり問題児になる。
チーム内の人間関係がギクシャクしだし、
雰囲気が悪くなり、パフォーマンスが落ち、
やがて組織崩壊を起こして、かつてのオーラを失います。

会社にとって、管理職とは、いわば家の柱のようなもの。
(役員は大黒柱といえるでしょう)
それが、腐ってしまえば、会社としても一大事のはずです。
なのに何も手を打たずそのままにしておくケースは少なくありません。
これもまた、不思議なことですが、
まぁ、かつての貢献度とかいう気持ちもあるのでしょう。

でも、あえていいましょう。
管理職には適性があり全員ができるわけじゃない、と。

特に不適格なのは、次の2パターンです。
1.まったく仕事ができないひと
2.仕事ができすぎる優秀なひと

前者は、何も語る必要はないと思います。

では、後者についてですが、よくよく観察してみるとわかります。

まず、第一に、
優秀すぎる人は、その存在自体がプレッシャーです。
部下たちは「自分もこんなに成果を出さないといけないのか」と
内心では気が気ではなくなります。

それなのに、優秀すぎる人は「やればできる」「できないのは
やらないからだ」という勝手な妄想にとらわれている場合が多く、
何も口に出さなくても重圧なのに、さらに「がんばれ!」と
無駄にポジティブなプレッシャーを部下にかけてしまいます。

過度なプレッシャーがどのくらい人間のパフォーマンスを落とすか、
わかりやすく例えてみましょう。

あなたがもし、幅30cmの平均台の上を歩くとき、
高さ1mくらいだったら、きっと難なくできると思います。

では、
高さ1000mのビルとビルの間にかかる幅30cm平均台だったらどうですか。
実際にイメージしてみてください。

どうでしょう。同じ幅なのに、スイスイ渡れませんよね?

はい、それから、第二に、
優秀な人は、優秀でない人の気持ちがわかりません。
しかも理解しようともしません。

「どうしてできないか、おれには理解できない」
「わからない理由がわからない」
「おれはすごいんだから、おれの言うことを聞け」
「とにかくおれの言うとおりやってればいいんだ」

…が口癖で、
とにかく一方的で高圧的なコミュニケーションが発生しています。

そんな人の下で、いいパフォーマンスが発揮できるかっつーの!

なので、優秀すぎるひとのもとで働く部下は、
必ず精神的に追い詰められ、やがて組織崩壊を起こしていきます。

でも逆に、入社早々いきなり壁にぶつかり、
悩み苦しみ、スランプを突き抜けた人には安定感があります。
そして周囲からの信頼も厚い。

これだから人生はおもしろい。


>優秀すぎる人の上司へ

残念ですが、あなたの愛する優秀な部下はリーダーに向きません。
本人とその部下のためにも管理職にするのはやめてあげてください。

>優秀すぎる人の部下へ

残念ですが、あなたの上司はあなたに的確なアドバイスができません。
上司の言うこともほとんど当たっていません。答えは自分で探すよう
努力し、将来よい上司になれるようがんばってください。

>優秀すぎる人へ

マネジメントだけが人生ではありません。あなたが上司になると
迷惑をする人がたくさんいます。謙虚に管理職は辞退しましょう。


(おまけ)
最後に、若すぎる、というのも管理職には向かないと思います。
20代前半で管理職になれる会社もありますが、どうなのかな、と。
本人にとっても部下にとってもあまり良い効果は生まれない気がします。
仕事のスキルだけではなく、人生経験、しいては人間力こそ、
じつはマネジメントの重要な要素ではないかと思えてなりません。