はい、日曜の高校サッカー選手権大会福岡県大会決勝、九州国際大付V.S.東福岡、すごい試合となりましたね。

ふつうはPK戦、各チーム5人が蹴って終了なんですけど、今回はなんと22人目まで蹴りました!

驚異的ですよ、本当に。


幻の左前足

ちなみに実際のPKの結果は下記です。


       1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

東福岡  ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

九国大付 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○


       12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

東福岡   ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ○

九国大付 ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ ×



な、長い!!

そしてみんな、PK蹴るの上手すぎ!!


さて、ところでこのようなPK戦で、キッカーが22人目以降までもつれる確率っていったいどのくらいなんでしょうね?


気になりません?


てことで計算してみましょう☆



まず大前提として、一般的にPKでゴールに入る確率、ご存知でしょうか?


80%と言われています。

確か昔読んだジャンプに書いてありました。


この数字を基に、確率を計算してゆきます。



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【問い】

PK戦において、1チームのキッカーが22人目まで到達する確率を出せ。

尚、回答の単位は%で表し、小数点第4位は四捨五入の上、第3位まで記述の事。


【ルール】

PK戦は通常両チーム5回目まで蹴ります。

それまでに勝敗が決まればそこで終了。

5回を蹴り終わった時点で同点の場合、6回目、7回目と点差がつくまで続きます。


【条件】

ここでは、キッカーのPK成功率は8割とする。

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さあ、一体何パーセントになるのでしょうか?

計算してみてください!






え?


皆目分からない?



う~ん、ではヒントを出しましょう☆

まず、計算は2段階に分かれています。


【A】

すなわち、双方5回蹴った時点で同点である確率。

これがまずひとつ。


【B】

もう一つは、6回目以降、常に両チームが同時に外すか決めるかして、同点であり続ける確率です。


上記AとBを掛け合わせれば、確率が出てくるわけですね!

いってみよう!


幻の左前足



まずAです。

同点で5回まで終えればいいので、例えば以下のようなパターンがありますね。


【全部決める】

       1 2 3 4 5

東福岡  ○ ○ ○ ○ ○

九国大付 ○ ○ ○ ○ ○



【3本決める】

       1 2 3 4 5

東福岡  ○ × ○ ○ ×

九国大付 ○ ○ ○ × ×


このような全パターンの中から、上記のような同点の時を抽出しなければなりません。






では順に出していきましょう。

ちなみにCは高校数学で習ったコンビネーションを表します。


【0】PKが双方1っこも入らない確率


(1/5)^5^2=0.00001%



【1】PKを双方1点ずつ成功の確率


{5C1*(1/5)^4*(4/5)}^2=0.004%



【2】PKを双方2点ずつ成功の確率


{5C2*(1/5)^3*(4/5)^2}^2=0.26%



【3】PKを双方3点ずつ成功の確率


{5C3*(1/5)^2*(4/5)^3}^2=4.2%



【4】PKを双方4点ずつ成功の確率


{5C4*(1/5)*(4/5)^4}^2=16.8%


【5】PKを双方5点ずつ成功の確率


(4/5)^5^2=10.7%


ということで上記を全部足して、32%となります。

5回まで蹴って延長戦に入る確率は32%です!

これでAが出せました。


幻の左前足



次にBを出します。

すなわち、”6回目以降、常に両チームが同時に外すか決めるかして、同点であり続ける確率”を出してみましょう。



6回目から21回目まで、同じ得点であることが求められますね。


まず、双方がPKを決める確率。

80%の2乗で、64%。


次に双方が外す確率。

20%の2乗で4%です。


よって両方を足して、68%ですね☆


6回目から21回目までは両チーム16回蹴る機会があるので、常にその68%を出し続けなければなりません。

よって、68%の16乗が答えとなりますね。

これを計算すると、0.21%となります。


すなわちBは0.21%です。



さて、ここで先ほどのAの確率、さらに今出したBの確率を掛け合わせてみましょう。


32%×0.21%=0.064%


そう、答えは”0.064%”でした~!

正解された方、おめでとうございます☆


0.064%がどんな数字かというと、PK戦を見る機会が1万回あったとして、そのうち6回しかそのような場合に出くわさないという数字ですね。


いや~道のりが長かった!


幻の左前足



さて、ここからは余談ですが、実はトーナメントにおいて、PK戦になること自体はそんなに多いわけではありません。

2010年、2009年の高校サッカー選手権福岡県大会二次予選において、PK戦までもつれた試合はそれぞれ、23試合中5試合、23試合中3試合です。


よって、トーナメントの試合でPK戦までもつれる確率を、仮に8/46としましょう。

だいたい17%ですね。


0.064%×17%=0.011%


ということで、通常のトーナメント戦をあなたが見に行ったとき、その試合がPK戦までもつれる確率は17%。


もっと言うと、PK戦が22人目までもつれる確率は0.011%なのでした~☆

1万回に1回の確率やな。


す、すごい☆




今回は数学の話を交えて、サッカーを考えてみました。

ちょっと難しかったかな?


こんな風に偉ぶってみましたが、実は計算の半分は友人の手を借りた僕なのでした(汗)


ではでは~