ぎゃああああああああ | 無職候補生定あき

ぎゃああああああああ

えぐい


 現代アニメのグロい表現ならそんなに問題ないんだが…、エグいのはキツい。

 グロいのも、まぁ表現次第で結構精神的に来るものがあるけど、なんていうか、直接的にくるグロい表現より、どちらかというと想像するだに身の毛もよだつようなエグい設定とかのがキッツい。

 「新世界より」を見てると変なトラウマができそうで怖い。


 「新世界より」は、貴志祐介のSF小説原作のアニメ。

 友人の一人に「新世界より見てる?」って言われて、1話だけ見て良く分からなかったので見てない。と言うと、「俺見始めたの途中からだけど、面白いよ」と返され、それならと見始めてみた。

非常に面白い

 半年スパンで考えると、今期はコレとサイコパスが面白い。

 職場の大上司に、その時期放送されてるアニメはとりあえず全部録画してるって人がいるのだけど、その人は見ておらず、ただ自分の感想を伝えると


「定あきさんはやっぱり他の人と違いますね。あのアニメを楽しんで見れるなんて」


 と褒め言葉なのか愚弄されてるのかよく分からない言葉をいただいた。

 その人曰く「宗教臭いんで切りました」とのこと。

 ま、確かに前半は宗教の香りがしないでもない。



 プロローグ自体は、現代社会のシーンから始まるのだけど、プロローグは本当に意味が分からない。ただ中盤後半になってくるとプロローグの意味がようやく分かるようになる。

 たまにある、プロローグ自体が物語りの中盤で、物語が進んでくとプロローグのシーンに辿り着くとか、そういう感じとはちょっと違う。

 プロローグ自体は物語の時代よりはるか過去のシーンで、過去の出来事がそのままプロローグになってる。


 本編が始まると、無垢無邪気な少年少女達が共に遊びまわっていて、その子ども達は学校で「呪力」と呼ばれる超能力のような物を学んでいる。これだけ見ると、ファンタジー的な作品に見えなくもない。

 この作品は、大雑把に分けて、幼少編、青年編、成年編の三つに別れている。ってのが設定らしいんだけど、見てる分には、小学生編、中学生編、高校生編、大人編の四つだと思った。


 物語の主役は、サキ、スグル、シュン、マモル、マリアの5人の男女。

 呪力と呼ばれる超能力を学ぶ子ども達は、大人の見ていない所で呪力を使ってはならないという約束事を守りながら学校で呪力を学んでいた。

 班で行動する彼らは、夏に森へ出向いてキャンプをする夏季キャンプで、偶然、様々な知識を持つ「図書館の端末」と出会う。そこで5人は、通常なら知りえるはずのない、呪力にまつわる人類の歴史を知る事となる。


 というのがまあ幼少編なんだけど、各世代編でいろいろ事件が起こりすぎるから簡単にまとめようがない。


 以下、現状までのネタバレ


 冒頭に主役が5人と書いているけれど、1話では6人いる。

 1話でいきなり1人消される。

 世界設定として、幼少期に呪力の操作に資質が見出せない人間は処分するという決まりごとがある。細かいところまでは覚えていないけれど、呪力の素質がない者、呪力の使用に関して倫理が守れない者は処分というルールがあるらしい。

 レイコという少女が、作中で呪力がほとんど上手く扱えないという描写があり、1話の最後にレイコが姿を消したというナーレションが入って終わる。

 ただ、大人たちは、子どもの記憶を改変する力を持っていて、皆レイコが消えた事を忘れた状態で2話がスタートする。

 そして夏季のキャンプで、何故そのような世界なのかという理由が明らかになる。

 そもそも大人たちが呪力の弱い子どもを処分するのは、後々呪力の強い人間だけを使役するとか、そういう利己的な行為ではない。

 多分アニメでは厳密に語られていないけど、呪力の弱い人間は大人になって自身を守る事ができないからというのに近いと思われる。ルールを守れない人間は能力を悪用する可能性によって処分される。


 ここで世界設定の話に移ると、この作品が2000年過ぎに人類に超能力を持つ人間が出現しはじめた。

 その初期に関しては微弱な力しか無かった超能力だが、強力な力を持った個体が出現し、その力を以て猟奇的な殺人を行う人間が出現しはじめた。

 そこから世界は一変し、超能力者の暴走によって、人類が最盛期の2%程度まで減少したとのこと。

 そして世界は、超能力を以て非能力者を使役する勢力、そこから逃れた非能力者の勢力、超能力を以てただただ暴虐を行う勢力、ひっそりと科学を維持して傍観する勢力の四つの勢力に分かれた。

 しかし、前三者の勢力は全て崩壊し、世界は再び科学技術によって統治されるようになった。

 こういった経緯で、世界は一度崩壊し、そして再興を始めた。しかし、超能力はどんどん一般に浸透してしまった為、どうやって能力によって危険な行為、現象が起こらないようにするかが重要視され、争いが起こらない社会が構築されるようになった。


 その為、呪力の使用について特定の傾向が見られる人間は処分されるという社会が構築された。

 特に「悪鬼」と「業魔」という存在が出現するのをなんとしても阻止しなくてはならない。

 物語上、「悪鬼」と「業魔」は御伽噺に出てくるバケモノのような存在。

 科学者達の努力で、人間は人間を攻撃できないという遺伝子レベルでの性質を植えつけられた為、争いというものはほとんど発生しない社会になった。

 が、その遺伝子の制限が適用されず、また強い攻撃特性を持って他者に能力を使えてしまう存在を「悪鬼」という。「悪鬼」とは、作品上のラーマン・クロギウス症候群と呼ばれる症例患者を事であり、御伽噺上の存在でもなんでもない。

 まだ文明が強く残っていた時代、人間が極端に減少する原因になったのがこの「悪鬼」である。

 そして、「業魔」とは意図せず能力が周辺に漏れ出て他者に影響を及ぼしてしまう人間の事。この漏れ出た能力を浴びた存在は、異形化して死んでいく。

 これも、橋本・アッペルバウム症候群と呼ばれる症例の人間を指す。


 こういった様々事情が絡まりあって再興された世界の物語。その世界で子ども達が成長していく話。

 まず、1話でレイコという少女が処分される。

 そして青年編で、同世代中、最も能力が高いと評価されていたシュンが、業魔化してしまい処分される。

 後、マモルが能力不足で処分されかかるが、それに気付いたマモルが逃げ出し、それに追いついたマリアがマモルと共に逃げて姿を消し、死亡する。

 大人編まで残るのはサキとサトルのみ。

 そして、この大人編で、再び人類の存在を脅かす事件が起きる。


 人類は労働力として、バケネズミと呼ばれる存在を管理している。

 ネズミが進化し、平均的に小学生程度の体格を持ち、人語が理解できが、呪力を使える人間を神として崇めてしたがっている。

 サキとサトルは、幼少編と青年編で何度もこのバケネズミ達と接触し、大人たちに自分達の行いがバレぬよう便宜を図ってもらっていた。

 しかし、そのバケネズミが人類を攻撃し始めたのである。

 本来呪力を持ってすれば、一般人として平均的な能力でもバケネズミの集団を殲滅する事は難しくない。しかし、バケネズミの中でも特出した知能の持ち主であるヤコマルという個体の指揮によって、人間側が窮地に立たされる。


 サキ達がまだ5人健在だった頃、夏季キャンプで史実をしった後、外来種と呼ばれる人間の管理下にないバケネズミの大軍に襲われる。そこでサキとサトルだけ他の3人とはぐれて危機に陥ったところを、ヤコマルに救われる。

 ヤコマルはサキとサトルの能力を以て、外来種を駆逐する事が目的ではあったが、結果的にバケネズミに救われて村に帰る事が出来た。


 後、青年編でシュンが業魔となって死亡後、マリアとマモルが逃亡した際、サキとサトルは再びヤコマルと出会う。

 サキとサトルはその事実を知り、2人を連れ戻そうとするが見つけ出せなかった。しかし既に大人達に様々な事情を教えられていたサキは、マリアとマモルが無事に生き残る為にもなんとしても村に連れ戻せと信頼できる大人から命じられていた。

 結局2人を見つけ出せなかったサキとサトルは、捜索を手伝っていたヤコマル含めバケネズミ達に、マリアとマモルは死んだと、大人たちに口裏を合わせて欲しいと頼んだ。

 ヤコマルはそれを了承したが、そこから人間の危機が始まった。


 人間は社会の中で、悪鬼が出現しないよう残酷な管理社会を築いていたが、ヤコマルの指揮で大祭りの夜にバケネズミが人類に総攻撃をしかけてきた。

 争う事を忘れた人間は、従順で無力なバケネズミに対して大した危機を感じず、油断しきっていたが、夜闇の中で行動するバケネズミ達に、油断した大人たちはどんどん殺されていった。

 そんな中で、強大な能力を持った高僧が着実にバケネズミを殲滅を行うが、目を疑う出来事が起こる。

 このタイミングで悪鬼が出現したのである。

 高僧は、遺伝子の制限から悪鬼を攻撃できず、バケネズミだけであれば一瞬で殲滅できる力を持ちながら、悪鬼に惨殺される。

 バケネズミに悪鬼が加わる事で、人間は自分達を守る術の一切が無力化し、ただ逃げ惑う事しかできなくなった。



 というのが少し前までの話。

 全体の話に筋が通っていて非常に面白い…のだが、見えないところで非常に嫌な事が起こっているようで、それを想像すると苦虫を噛み潰したような気分になる。

 少し前にこの話をスカイペで空想さんとあんこさんとしたのだが、空想さんが、バケネズミの全力を以て人類を駆逐する作戦を立てた。

 だいたいその通りになった。


 何故バケネズミに悪鬼が加わったかという点において、空想さんが、人間の子どもをさらって、人間ではないものとして育てればいい。と唱えた。

 で、高僧を殺した悪鬼は、赤い髪の毛をした少年。

 この作品、赤い髪を持ったキャラが1人だけいた。マモルと共に消えたマリアである。

 そして、バケネズミは自身を生み出す女王に、脳外科手術を施して意思を奪う技術まで確立していた。

 この辺から定あきとしては、死んだ事にしたマリアとマモルをヤコマルが捕らえて、脳をいじって人格を壊したと考えた。

 大人がマリアとマモルが死んだという報告を信じた判断の一つに、バケネズミが証拠として大人達が2人の骨を提出していたのである。

 殺さずに人体の一部切除し、その骨を人間に提出して死んだ事にして、脳をいじって悪鬼化させたんじゃないかというのが定予想だった。

 正直その時点でかなり嫌ーな感じがした。

 が、どうやら、マリアとマモルの間に子どもを産ませて、それを人外として育てる事で人間に対する攻撃制限を無効にしたらしい。


 想像するだにぬあああああああああああああってなる。


 マリアとマモルが逃げた先で愛し合って産んだ子どもを攫った…っていうのならまだ軽い。

 が、多分そうじゃない。

 サキに対して逃げた2人を絶対に連れ戻せと命令した理由に、人間社会で行方不明の人間が出ることは社会全体にとって大事件であり、周辺地域全てに処分命令が下される為、逃げたから安全。ではなく、逃げた方が危険らしい。

 そうならない為にも2人を連れ戻せと命令した。

 が、その中で結局2人は人間側では見つけ出せずに、その2人の子どもがバケネズミの手に落ちてたって事は、サキとサトルが探してた時点から既に捕まっていたと考えるのが妥当。

 捕まったタイミングはともかく、捕まった後に産まされた子どもなのは間違いない。

 後はバケネズミが2人の骨を提出したタイミングだが、2人が逃げ出した直後にすぐに骨が提出されたのだとしたら、2人は身体の一部をもがれた状態で捕らえられ、そして子どもを産まされるに至ったという予想ができる。


ふぁああああああああああああああああ!!


 想像するだに不愉快である。

 現れた悪鬼が、髪の色がマリアで、声がマモルっぽいんだよなぁ…。

 2人の子どもなのは間違いないんだろうなぁ。

 状況がどうしようもなくなって、サキとサトルが「サイコバスター」なる兵器を取りに旅に出たのだけど、もうなんかハッピーエンドが予想できない。

 すごくしんどい。


 でも来週が楽しみ。