テープ起こしライターから見た効果的なインタビューのコツ | 英語テープ起こしクリプトンのブログ

テープ起こしライターから見た効果的なインタビューのコツ

インタビュー」とは、質問をする人(インタビュアー)とされる人(インタビュイー)の2名以上からなる質疑応答の発話形式を指します。よいインタビューとは一般的に、テーマが絞られており、発話の対象が逸れることなく直線的なキャッチボール形式で会話がされる場合を指します。またインタビューは、複雑な状況を理解したり第三者の視点で物事を捉えるのに最も効果的な手段です。。テープ起こしライターの視点から言うと、理想的なインタビューとは、騒音の少ない静かな部屋で行われるインタビューです。これは質の高いテープ起こし原稿を作るのに非常に重要なポイントになります。

インタビューのテープ起こしをしていて、最初にそして最も必須の情報となるのが、インタビューに登場する人たちの自己紹介です。それぞれの名乗り・自己紹介はテープ起こしをする上で発言者の識別をするのに大きな手がかりとなるだけでなく、その発話者に関するバックグラウンドや知識を得る絶好の材料であり、結果としてインタビューと発言者の内容を理解したライターによる完成度の高い原稿を可能にします。

優れたインタビュアーというのは、常に質問内容や背景知識、情報の出自といったあらゆる情報をプロフェッショナルな姿勢で準備してくるものです。インタビューを行うにあたっては、クリアに・ゆっくりと・そして重要な単語は繰り返すよう心がけます。インタビューのペースは、制限された残り時間に応じて調節されます。

一つのインタビューの中に、複数のインタビュアーが参加するケースがあります。その場合、インタビュアー同士の用意周到な連携が欠かせません。質問内容が互いに重複しないように事前に取り決めておく必要があるほか、あるインタビュアーが質問をしている最中は他のインタビュアーが割り込み・遮りをしないことが肝心です。

また、インタビューを受ける側は質問の回答にできるだけ簡潔明瞭であることが望まれます。トピックから脱線しないよう、常に気をつけなければなりません。また、インタビュアーの質問が終わらないうちに話し始めるのも良い作法ではありません。また、インタビュアーがどんな情報・回答を意図しているのかを常に念頭に置きながら、簡潔で分かりやすい回答を心がける必要があります。

別のケースでは、複数のインタビュイーが同時にインタビューを行われる場合があります。やはり先の場合と同じように、この場合でもインタビュイー間での相互調整が欠かせません。他の回答者を遮ったり、割り込むことは極力避けるべきです。インタビュイー側もこれを防止するため、特定の質問に答える人を毎回はっきりと指定してガイドする必要があります。

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インタビューが期待通り進行しない場合、理由として挙げられるのは①当事者たちの準備不足、②インタビュアーが質問を十分整理してこなかったため、または③質疑応答のフォーマット自体がある一定の形式に則っていなかったため などでしょう。また、インタビュアーがぼそぼそとしゃべったり、急ぎ調子で話しかけても、回答者は質問の内容を理解することができなかったり、何度も質問を聞き返す羽目になってしまいます。このような「効果的でない」インタビューは、概してテープ起こし原稿の質にも影響を及ぼします。インタビューをする側だけでなく、される側としても、事前に準備や下調べをしてインタビューに臨まなければ効果的なインタビューにはつながりません。

以上に挙げた以外にも、効果的なインタビューを行うためには集中の妨げとなるもの(携帯電話、外部者の部屋への割り込みなど)を極力避ける努力が欠かせません。電話インタビューの場合は、なるべく携帯電話ではなく固定電話を使用するのがいいでしょう。インタビュー中にパソコンを使用する場合は、キータッチの音が響かないキーボードを使うなどのきめ細やかな配慮があるだけで、集中の障害を最小限にすることができます。

ここまで挙げたポイントは、どれも至ってシンプル・基本的なことばかりですが、全てをうまく実践に取り入れるのは至難の業。改めて、インタビューをする際にはこれらの事項が実践されているかどうか、毎回レビューすることをお勧めします。また効果的なインタビューほどテープ起こし原稿にも反映してくることを、再度強調したいです。