宝塚は贅沢で豪華な舞台に立てる、とても素晴らしい場所です。
前記事で「満喫してから退団」が良いのでは?と書きましたが、現実には経済的な問題で、十分な期間在団するのが難しい人が居るのが実情だと思います。
特に娘役さんは大変と聞きます。
舞台で使う鬘(全員お揃いのもの以外)やアクセサリー、お稽古着等出費が多いです。
鬘(全鬘、部分鬘等色々)はオーダーなので、それなりのお値段がします。
それを公演毎に何個も(出番数によりますがトップ娘役さんだと10個以上)つくらねばなりません。
アクセサリーも場面毎、お衣装毎に要ります。
お稽古着も最近のようにスカイステージで見られるようになると気を抜けません。
場面の長の上級生から「明日は○色のスカートで揃えるから!」
と、言われたら持っていない生徒の母は徹夜で縫ったり。
以前お会いした娘役さんのお母様の中には
「音楽学校入学希望者の方には、男役になれるならば・・・と、お勧めしている」
という方も居られました。
そう言われて公演を観ると、男役さんは地毛だけの場面が多いし、アクセサリーもそんなには付けてません。
お稽古着も動き易い服装でOKで、組んで踊る相手に合せてヒールの高さの違うシューズに替える必要もありません。
それに、男役さんはファンの数も頂き物も多いです。
以前お花を入れても良かった頃、同じマンションだった男役さん(もう退団されてます)から「蘭鉢もらってください」と、よく頼まれました。
大きな鉢で場所を取るし、世話するのが面倒なので
「マンションの玄関に置いて管理人さんに世話してもらいましょ」
と、管理人さんのところに持っていってもらいました。
これが娘役さんの場合、新人公演で目立つ役が付いたりしたら
「うちの○○にお花入るかしら・・・」とお母様は心配されてましたね。
演出家の先生等に配るために、ある程度の数のお花が必要だったのです。
今はお花禁止になっていて、ほんとに良かったです。
少しでも居易い場所になるよう願っています。