タンクレストイレ比較 その2 |  クリエイション 設計の記録

タンクレストイレ比較 その2

ここ川崎は昨夜から未明にかけて雪が降り、今朝はバルコニーの手摺に雪が5センチほど積もっていました。

雪が降ると音が消え街が静かになりますね。

寒いですけどこの空気嫌いじゃありません。



さて、

タンクレストイレ、どこの何を選んでいいのか悩みませんか?・・・その2。



イナックスのサティス


TOTOのネオレスト


パナソニックのアラウーノ


の3つの便器の比較です。



前回のおさらい。


【価格】

サティス、アラウーノは20万円~

ネオレストは28万円~


【大きさ】

奥行きがあるのがネオレストで約70センチ

サティス、アラウーノは約65センチ


【ふたを上げた時の高さ】

ネオレストが一番高く1145mm

次にアラウーノで987mm

一番低いのがサティスで940mm


【給水管の最低必要水圧】

サティスとネオレストが動水圧0.05MPa

アラウーノがちょっと高めで動水圧0.069MPa



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



続いて



【重さ】


サティス  32Kg

ネオレスト 43Kg
アラウーノ 17Kg


サティス、ネオレストが従来通り陶器なのに比べて、

アラウーノはプラスチックということでダントツの軽さ。

とはいえ、重さがネックになるということは無いでしょう。




ここからが注目の使い勝手のところです。



先ずは

【洗浄水量】


サティス    大5L、小4L

ネオレスト   大4.8L 小4L
アラウーノ   大5.7L、小4.5L


サティス、ネオレストが吐水口付近で水を噴出する2段式排水であるのに対し、

アラウーノは1段式排水と、汚れ防止のために鉢部分に多く貯めておくことが水量の多さに出ているようです。

INAXは3年前くらいにはTOTOの2段式排水をXXXと言っていたのですが、

XXXしてしまったようです。。。




【洗浄時の音量】


サティス  75dB  騒々しい事務所内の状況程度
ネオレスト 74dB  騒々しい事務所内の状況程度
アラウーノ 62dB  普通に会話している室内の状況程度



アラウーノが一番静か。

トイレがLDKに隣接する場合などはこのデータが一番重要かもしれません。




【汚物を排出する能力】

トイレットペーパーを750mmに切った物を丸めたものを50個流す実験での流れた数


サティス  32
ネオレスト 50
アラウーノ 45


ネオレストがパーフェクト!サティスは物足りなさがあるようです。

しかし、サティスでも十分みたいですけど。。。




使い心地で意外と重要なのが次の


【おつりの多さ】

水面までの距離と鉢形状が関係しています。


サティス  少ない
ネオレスト やや多い
アラウーノ 多い



アラウーノは汚れにくくするために水面を広く取っているために、おつりが多いという結果に。

男の人が立って小をする場合も、跳ねが問題になるようです。




【タンクレス便器本体の清掃性】


サティス  隙間を広げて掃除をしやすくする

ネオレスト 隙間をふさぐ構造で汚れを防御→隙間を広げる構造に変更
アラウーノ 有機ガラスの特徴を活かし隙間レス構造



アラウーノが一歩リードですが大差はないようです。




【使ってはいけない洗剤】

どちらも中性洗剤推奨です。・・・ドメストは塩素系=アルカリ性なのでNGです!


サティス   アルカリ性洗剤で表面を傷める

ネオレスト  酸性・強アルカリ性洗剤でもほとんど影響がないが、酸性ガスが脱臭機能を傷めることも
アラウーノ  アルカリ性洗剤で表面を傷める



ドメストは良く落ちるし、私の愛用品でもあります。。

以前、メーカーの開発の担当者に質問したことがあって、

「使ってもすぐに良く流せばいいでしょう・・・」と歯がゆい答えが。。。

なので、現在も愛用品なのですが、本当はサンポールとかのほうがいいのでしょうね。。。




【便ふた自動開閉センサーの感度】


サティス   1
ネオレスト  3
アラウーノ  2


これは同じ条件での感度比較なので、ネオレストがだめということではないでしょう。

センサーの感知する方向など考慮して配置すれば問題ないのではないでしょうか。




そして最も注目される

【汚れにくさ対策】


サティス

抗菌機能を付加する銀イオンと、硬度を高める鉱物(ジルコン)を加えて改良した釉薬「ハイパーキラミック」を採用。水あか対策には、水中のケイ酸が陶器表面の釉薬と化学結合しないように、表面の質を化学的に変化させる「プロガード」を使う。再施工可能。15年に1度程度の頻度を推奨。


ネオレスト

セフィオンテクトは、ガラスの純度を高めた釉薬の一種だ。陶器表面をナノレベルで平滑になるように焼き付けた。ブラシなどでの傷も付きにくく、水あかなどの汚れもたまりにくい。「経年変化で多少、陶器表面のガラスが溶けるものの、10年程度は表面に凹凸が生じにくい。使い方などにもよるが、防汚機能を長期間保てる仕組み。
 

アラウーノ

有機ガラス系の樹脂を便器に採用したアラウーノは、洗浄水の中に含まれるケイ酸と化学結合するものが表面にないため、水あかが固着する心配はない。付着した油汚れの洗浄に泡の力と中性洗剤を利用する。洗浄ボタンを押すとまず直径5mmの泡が上部の吐水口から水と共に流れ出る。この泡が汚れにぶつかり破裂すると、その衝撃が汚れをたたくように落とすという。


簡単に言うと、サティスが表面処理、ネオレストが練り込み形成、アラウーノが表面処理と洗剤による洗浄による対策をしているということです。





※総まとめ


それにしても・・・されど便器であります。


歌手のマドンナが日本に来た時、お尻を洗う便器を持ち帰ったなんて話があるように、便器に関しては世界一を独走しているのではないでしょうか。。。技術立国日本を象徴する物の一つであることは間違いないでしょうね。ここまでやるかというレベルまで来ているんじゃないでしょうか。


こうして比べたものを見てみると、本当にされど便器。各社特徴があって、何を基準に考えるかで選択が異なる状態にあるのだということが分かります。

またスタイルも個性的です。特にアラウーノはずんぐり型。座り心地重視ということですが、逆に違和感を感じるかもしれません。実際に座ってみることをお勧めします。


また、各シリーズグレードやオプションで10万円以上の開きがあります。

音楽が流れたり、照明がついたり。私はいつもそれらはいらないですよと言っています。

なぜなら、あってもいい理由はそれぞれありますが、値段が上がりすぎですから。

たとえばサティスの最低グレード、オプションなしでも十分な高性能ですから、それでOKだと思います。


それから、タンクレスの場合、手洗いの問題があります。

忘れずにあらかじめ設計でスペースを考慮する必要があります。


最後に、未来の便器像。

日々の体重想定や、便や尿で健康状態をチェックなんて機能があったら便利だと思うんですけど、いかがですか?




サティスHPは→こちら


ネオレストHP→こちら


アラウーノHP→こちら


引用・参考にしたのはケンプラッツ、HP→こちら