粋と絆の日本橋 | クリエイジ コラム ◆ 一週一冊良い本を読もう ◆

粋と絆の日本橋

 日本橋は江戸、東京の中心地。ビルが林立する中にありながら気風が良く、それでいて心優しい江戸情緒の息遣いが聞こえる。代々、自分たちの町に誇りを持ち、丹精こめて育んできた伝統のなせる技である。丸の内のように裃をつけたような格式ばった緊張は無い。気分ゆったり、心安く街を楽しむことができる。「榮太樓」(菓子)、「榛原」(和紙)、「山本山」(海苔)、「にんべん」(鰹節)など老舗は暖簾を磨き育ててきた。接客を通じて心意気が伝わり、日本橋の粋を肌に感ずる。まさに江戸の原点である。
 「お江戸日本橋七つ立ち」と謡われた日本橋は5街道の起点であることはつとに知られる。人だけでなく物資出入りの玄関口でもあった。電車も自動車も無い当時の流通は舟運、その集結点が日本橋。魚市場も関東大震災まで日本橋にあった。本年10月30日、日本橋架橋百年祭の一環として「日本橋お江戸舟運まつり」が開催された。小江戸といわれた香取市(旧佐原市)、川越市、栃木市から当時の装束に身を固め物資を乗せた舟が川を下り祭りに参加した。絆を大切にする日本橋、次の世代に大事に伝えたい。
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