古利根川右岸と馬場川【水が奏でる前橋の魅力を発見しよう!(前橋市+東京スリバチ学会)】② | 活学問~生涯、学習!by Crazybowler

古利根川右岸と馬場川【水が奏でる前橋の魅力を発見しよう!(前橋市+東京スリバチ学会)】②

古利根川流域フィールドワークとも言えます。「前橋の水系めぐり」は前橋市と東京スリバチ学会のコラボ企画です。スタート地点が地形的に重要な場所でした。

古利根川が削った前橋台地と広瀬川低地の境にある傾斜です。
前橋市
【拡大できます】
カシミール3Dで前橋市市街地の立体図を作成してみました。高低差が少なく標高100mから色パレットを1m刻みで設定してみました。

利根川の流れに準ずることなく大地は南東へ傾斜しています。
馬場川(前橋市)
馬場川は国道50号線から北に道を一本入ったところに流れています。準用河川※という事でネット上に情報が少なく全様は分かりませんでした。

※準用河川:国でなく市町村長が管理する川です。
馬場川(前橋市)
地図上で馬場川を上流へ辿ると国道17号線と50号線の交差点手前で暗渠化されていました。利根川水系である事は分かるのですが取水口が分かりませんでした。

臨江閣横を流れる風呂川も同じエリアで暗渠化されてしました。
馬場川通り(前橋市)
馬場川通りはフィールドワークのスタート地点でありゴールでもありました。一部の写真は行きに、他は帰りに撮影したものです。
前橋台地の境 古利根川の際
かつて古利根川右岸だったと分かる場所を撮影しました。国道50号線から馬場川通をつなぐ坂です。国道50号線と馬場川通りの三角点で確認しました。

2点の高低差3.0m、距離は約87.5mです。大体34‰(パミール=1000mで34mの高低差)の坂です。
前橋台地の巨大岩石 馬場川(前橋市)
馬場川遊歩道沿いに「前橋台地の巨大岩石」と書かれた案内板がありました。その横には岩。説明を読み込んでいくと重要な情報が詰め込まれていました。

◯古利根川は室町時代まで市街地の中央を流れていました。

◯古利根川と地形
 古利根川の右岸=前橋台地
 古利根川の流域=桃の木川、広瀬川、(馬場川)=広瀬川低地
 古利根川の左岸=赤城火山斜面

◯前橋台地の地層
 -----------------
 黒土
 -----------------
 赤土=前橋泥流堆積層=約2万年前 前橋台地の形成
 (地下18m付近)赤城山系溶岩が点在
 -----------------
 (地下20m)シルト層=2万1千年前の姶良Tn火山灰(九州)
 -----------------
 前橋砂礫層 100m以上続く
船つなぎ石 馬場川通り(前橋市)
遊歩道沿いには「船つなぎ石」もあります。古利根川が流れていた頃に船をつないだという伝承がある石です。元々は前橋駅から伸びる「中央通り」の「えびす坂」にあったものです。

「えびす坂」は馬場川をここより350mほど下流にあります。
馬場川通り(前橋市)
馬場川を検索していくと馬場川遊歩道公園愛護会という団体が出て来ました。国土交通省の「みどりの愛護功労者国土交通大臣表彰」を受賞しています。

手入れの行き届いた馬場川遊歩道は市民の力により盛り立てられている事が分かりました。
古墳と古利根川
古利根川は1400年中頃に前橋台地を貫き今の流れになりました。それ以前の流れを端的に分かる方法はないものか?と考えました。

古墳です。古墳は権力の象徴であり見える所に造ります。

一万基超えるとさえる群馬県の古墳は古利根川沿いにあるはずです。古墳地図を見付け河岸と思われる所に線を引きました。

精度は低いのですが古利根川の姿が見えます。

時間があればカシミール3Dで古墳をプロットして、等高線と見比べ線を引きたいものです。当時の姿がより鮮明に浮かびあがるでしょう。

この後、古利根川の澪筋(みおすじ)だった可能性がある広瀬川へと向かいました。

つづく…ほいじゃ