43時間 あとがきと解説
いやぁ・・・長かった。
何が?
執筆時間だよ(笑)
仕事を終えて、自宅のPCに毎日2時間くらい座って書くのだが、最初書きだしたのが、昨年の12月。
書き終えたのがGWだ。
途中で投げ出してしまおうと思ったのは、何百回あったことか(笑)
軽い気持ちで、年末好例の小説シリーズでもちゃちゃと書いて、本年(2012年)の注目事項を書いて・・・
今年はビジネスモデルの事でも描くか・・・なんて思っていたら、すでに5月だ。
大体、アメブロの40000文字の制限が来ると次のページにするのだが、リンクや画像も文字数としてカウントされていると計算して30000文字としても
Part26まであるから、約78万文字だ。
ざっくり計算で文庫本2冊分のページ数にあたる。
掲載写真や画像の数はなんと300を越えている。私は、掲載する場合の写真は相当時間をかけて世界中を探し回るので、膨大な時間だな(笑)
挿入した曲も50を越えて実際にベスト100をやっているみたいだ(笑)
もう1回描けといわれても絶対無理だな。
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さて、この物語で言いたかった点はいくつかある。
第一は、
M&Aはそんなかっこいいものじゃなく、人間臭い泥試合だと言うこと。
自分の育てた会社は経営者にとっては子供のようなモノであり、社員にとっても生きる糧であり、株主にとっては大切な資金を増やしてくれる場所だ。
そして、全ての関わる者にとっては、そこは〝特別〟な場所であり、〝夢〟を叶える場所でもある。
そんな〝場〟を敵対的買収はぶんどって行くわけだから、そこには涙もあれば、憎しみと行ったドラマが存在する。
M&A業界に憧れる者は多いが、人間を知らない者は、この業界は務まらない。法律や会計の知識はもちろん必須だが、最も重要な点は人間を知る心だろう。
物語で、WAVE同盟軍が最後に勝利したのは、徳之助を味方に付けた点にある。
バロンは、徳之助の心までを金で買おうとして、自滅する。
第二は、
メディアについてだ。
最近のメディアはちっとも面白くない。
特にマス・メディアのつまらなさと言ったら酷い。
田原総一郎がある雑誌でこう書いていた。
「マスメディアは波風を立ててなんぼだ。」
まさにその通りだ。
ニュースゼロが、つまらなく、朝まで生テレビがなぜ面白いのはなぜか?
キャスターに差がある。
ニュースゼロのキャスターは、テレビの前の者にいかに〝何が正しいか〟を必死になって説得している。
田原総一郎は、何が正しいかよりも、いかに番組が盛り上がるかしか考えていない。
当たり前だが、何が正義かなどテレビに教えてもらう必要などない。こちらで判断するだけであり、真顔で
「行政には早急になんとかしてもらいたいですね。」などとまるで考えていない、お決まりの締めくくり文句など
しらけ以外の何物でもない。
物語のPart23ぐらいだったけか・・・書いたことだけど、
昨今のTVは、考える力を見るモノに全く提示できなくなった。
ぶっつけ本番のバラエティーショウは、リアクションと突っ込みが巧いものだけが芸能界の上にのし上がるシステムを構築し、クイズ番組は、yahoo知恵袋のように、答えをすぐに誰かに聞く脳の構造を作り上げる。
TVばかり見ていると思考するクセを奪われていく。
当たり前だが、雑学王で金になるのは芸能人だけである。ビジネスマンは必要ない。
そう言えば、日経のTVCMで面白いことを言っているのがある。
取引先との会話に困るから日経新聞を読んでおこうという内容だ。
これはバカだなと思った(笑)
私から言わせれば、取引先も読んでいるんだろ。ならば、同じネタしか言わないやつは必要ない。つまり、日経に書いていないことをしゃべれなければ、取引先はその者を必要としない。
バロンに言わせたことは、私の本音だ。
今日、工業社会中心で、製造業が雇用者数の40%を占めていた時代はとっくの通り過ぎ去った。
言われたことだけを間違いなくこなす、レールの上のロボットマンは、必要なくなりつつある。
少なくとも日本においては。
なぜかと言うと、バロンが言った通り、偏差値教育ばりばりの中国やインドや新興国が、日本の数分の1の賃金で、数倍の偏差値の高い労働者を、まさに工場のように生産しているからだ。
日本が同じことをするのは、ジョブスのバラの話しと同じになる。
世界は現在二つの雇用市場を形成しつつある。
ひとつは決められた道を猛烈に走るロボット軍団としての人間。もうひとつはシリコンバレーのように知恵、何度でも挑戦する根性、型破り、ギャンブラー、創造力を兼ね備えたイノベーター軍団。
いずれこの二つしかビジネスマンは生き残れなくなるだろう。
今日、最も重要な点は、YAHOOの知恵袋に聞いても、雑学王に聞いても答えのでない、正解のない世界でのアンサーを導き出せる〝考える力を持った〟者が求められているということだ。
ある学校のテストで
下記の四字熟語の〇の部分を埋めよ。という問題があった。
一〇一〇という四字熟語があり正解は一期一会であるが、
ある生徒は
一●一●と〇を鉛筆で黒く塗りつぶして解答したらしい。
なるほど、〇の部分を埋めている。
これも正解だ(笑)
一期一会などという井伊 直弼が考えた四字熟語を知っているより、〇を●で埋めるクリエイティビティのほうが、
今後日本には必要ではないかとさえ思う。
第三に、
正義について、カワカミの章でたっぷりと書いた。
裁判をバカみたいにしていると・・・何が正義で何が悪かたまに分からなくなる。
絶対正義で有るはずの警察の不祥事の事件を、クライムとのエピソードを絡めることで物語性を持たせた。
もっとも過激な表現が含まれており、特に死体の写真と日常の子供のコントラスト・・・
自身〝どうよ?〟とも思ったが、正義は自分の思う正義と自分で書いておいて、読者やアメブロの削除制限に
おもねるのはどうかと思いそのまま乗せた。
ブログ初のミステリー刑事ものだが
実はもっとも、気に入っているパートで、カクヒのアヒルはシリーズ化してもいいなと思ったぐらいだ。
当然、リクエストがなければ書かない(笑)
裁判所は、いつも判決をしているわけではない。命令や決定もおこなっている。
それらいろいろな事をしているのが裁判所だ。
しかも、判決において、一般人から見ると有罪・無罪と言うように二極化した正義と非正義を竹を割ったように
判断しているように思うが、良識ある裁判官でも、喧嘩両成敗じゃないが、どっちもどっちと言う事例だってある。
100%、どちらかの言い分が正しいなんてことはこの世の中にない。
それを、最終的には相撲の行司のごとく〝こっちの勝ち〟とやらねばらないのだから裁判官も大変な仕事だ。
つまり、40%はあんたで、60%はあんたの勝ちなんてのが民事ではほとんどで、
その場合、和解を勧告する。
いわゆるYESorNoを決めないという判断もあるわけだ。
正義はなんとなく100%の正義を考えてしまうし、人間は100%の正義をロマンティックに望む傾向がある。
だが、実際には100%の正義などない。
第四に
最初に、この物語は、ノンフィクションで有ると宣言したが、実際書いているうちに、こりゃぁ・・・書けんわな。っていうところが何個も出てきた。
守秘義務もあるし、こんなこと知っているのは、お前だな!何てこともある。
よって、ベースド・オン・トゥルーストーリーだが、フィクションを40%ぐらい混ぜた。
また、読みなおしてみると結構矛盾する点も実は多くある。
例えば、放送局の電源停止だが、実際は非常電源装置がすぐに働く。つまり、切られても30分かそこらは
通常に放送できるシステムにどんな放送局でもなっている。それらの設備は、
通常、監督官庁が免許を認定する要素のひとつである。
また、電源が停止しているにも関わらず徳之助の電話は電源を使用するスピーカーフォンから流れている。
良く良く考えればおかしい(笑)
そんなおかしいだろ!と突っ込みを入れたくなるところはけっこう散見する。漫画的に笑って許してほしい。
第5に
今回は、多くの人物の背景を書きこむことで、なるべく登場人物にキャラクターを持たせた。
これが長くなった最大の原因だと反省している(笑)
M&Aは多くの人間の価値観や考え方や生き方がひとつの会社をめぐって絡まる人生ドラマなのだと
いうことを知ってもらいたくて、こう言う構成にした。
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あまりの長さに、最後まで読んでくれるような奇特な読者はいただろうか?
心配だ(笑)
ちょっとでも良いので・・・
感想など・・・・いただけたら、至極幸福である。
ブログを書かれている多くの皆さんと同様・・・・反応なき記事は、極めて寂しい(笑)
「まぁまぁだな。」ぐらいでもうれしいので是非コメントしてくれたらありがたい。
「つまらん。」「先が読め過ぎ。」
「はぁ~い。ローラだよ♡」
でも・・・・
何でもいいので、コメントをいただけたら次回作の励みになります。
今後とも当ブログを御贔屓にしていただきたく。よろしくお願いいたします。
cracking
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