43時間 Part2 | cracking-my-ballsのブログ

43時間 Part2

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ミッション


ことの顛末(てんまつ)を簡単に描くとこうだ。

守る企業は、放送事業を営む「W社」。

敵は「放送免許」という既得権益を欲しがる投資家「Z」。

放送事業を行う、その企業は仮に「WAVE」とでもしておこう。

その「Z」から「WAVE」におこなわれるM&Aを阻止するのが、今回の我々「殺社屋」のミッションになる。


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業界背景


WAVEは、ご多分にもれず、赤字会社だ。ご存じのように日本の放送事業に関わる会社は、ほとんどが赤字企業だ。

”穴のあいたバケツ”と評されることが多い、放送事業業界。東京の地上波キ―局以外は、「放送」に関わるそのほとんどの企業が赤字である・・・ぐらいに思っていた方が正しい。

よって、地方の大きな局も含め、穴のあいたバケツには文字通り、湯水のように金を注いでくれるパトロンが必要となる。しかし、放送局のパトロンになるには相当の勇気が必要である。

例え、利益を生み出す「金のなる木」をグループにやっとの思いで育てた新進気鋭のイケイケ企業でも、この穴のあいたバケツを一度持てば、野球やサッカーのスポンサード同様・・・あっという間に火だるまにされる。金のなる木は簡単に枯れ果てる運命となる。

そのぐらい穴のあいたバケツは・・・大きい穴を持つ。

放送業界のキー局を経営する大物取締役と会食の際、言われたことがある。

「crackingくん・・・ウチの業界には来るなよ(笑)・・・どんなに百戦錬磨と言われようが・・・生きて、もとの世界には戻れないから。(笑)」

正しい。

エンターテイメント業界は、前述したレコード会社の社長のように、日々運営資金に困っている。

世界初の〇〇と派手に宣伝したこの放送局の「WAVE」も名だたるレコード会社が株主として名を連ねていたが・・・

凄まじい勢いで赤字を垂れ流した。赤字は自転車操業どころか一輪車に火が付いた状態。

ボヤ騒ぎが有ったと思ったら、あっという間に全焼さわぎ・・・10万を越えるリスナーを置き去りに、最初の有名社長は簡単に逃げた。

続いて火事場泥棒的に社長になったのが現在の社長Tだが・・・

T社長は、その容貌どおり、ハゲ散らかすどころか、経営もエキサイティングに散らかし、全焼騒ぎにとどまらず灯油を辺りかまわず撒き散らかすしまつ。

あっちでボウボウ、こっちでボウボウ・・・

監督官庁の某官僚から・・・密かに私が呼ばれ・・・

「なんとかしてほしい・・・」と強制依頼が有った時は、すでに放送局「WAVE」は放火魔と化していた。

このWAVE・・・有料で放送していた。スカパーとかWOWOWと一緒と言えば分かりやすいか・・・

数十万のリスナーから前払い(プリペイド)で聴取料金をとるという、ナイスなビジネスモデルを持っていたのだ。

イコール・・・飛べば・・・数十万のリスナーが怒る。

金返せと。

どこに?

決まっている。

免許を与えた監督官庁にだ。そうなると免許を与えた監督官庁の担当官の責任になる。

官僚は、間違ってはいけない。いや間違いを認めない。

で・・・

私の会社の電話が鳴るわけだ。


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既得権益市場


放送事業というのは完全なる既得権益市場である。

一般人は知らないが、電波は有限だ。国際的に取り決めが行われ、「イタリア」にはこれだけ「中国」にはこれだけ、「米国」にはこれだけ・・・というように割当分というのがある。

よって、「日本」にもこれだけの電波を使ってもいいよと割り振られている。電波という資源は有限なのだ。

有限なら当然・・・政治力が働く。電波法という法律があり、それが電波業界をディフェンスしている。

新規参入はまずできない。できないから、したいやつは既存の企業をM&Aするしかない。

ホリエモンもそうだった。

ホリエモンが達成できなかったので分かる通り・・・この業界いかにディフェンスが固いか・・・新規参入が難しいか・・・理解していただけるであろう。

と言うわけで・・・ボヤ騒ぎを何度も起こしている免許保有企業であるWAVEは格好のM&Aの対象企業となる。


重要な点をここで言っておこう。一般人には分からない点だ。電波は何もTVやラジオだけに使われるのではない。

電波には帯域と言うのモノが有り、いわゆる770~960MHzの周波数帯域はゴールデンバンドとかプラチナバンドとか言われている。

特に


波長が1~10Mの超短波(VHF:Very High Frequency)

波長が10cm~1Mの極超短波(UHF:Ultra(ウルトラ) High Frequency)

波長が1~10cmののマイクロ波(SHF:Super High Frequency)


下に行くほど直進性及び情報伝達容量が増えるため多種多様の通信システムに利用が可能となる。

例えば、携帯電話を中心とした移動通信システム、アナログ放送、衛星通信、空港監視レーダー、FM放送等に使われている。

極超短波などは電子レンジでも使われているし、デジタル放送でも使われる。山や建物が有っても回りこんで情報を伝達する事が可能である電波である。

マイクロ波は、かなり直進性に優れているため、ワイヤレス通信や無線LAN、FWA、船舶のレーダーや気象レーダー等に利用できる。

ちなみに、これより短いミリ波になると画像転送や自動車の衝突防止レーダーに使われたりしている。

その上のサブミリ波になると、0.1mm~1mmというとてつもない短い波になり、特性は光に極めて近くなる。天体望遠鏡や、軍事利用されている。


このように電波とは有限の資源であり、一方で無限のビジネスチャンスを生む恰好の市場である。

昨今の携帯のWIFIブームではないが・・・誰もが欲しい。

よって、携帯キャリアなる企業はどこも「その帯域」を狙う。

つまり、ラジオ局だった企業がある日突然携帯電話会社になることだって可能なのだ。

もちろん監督官庁の審査は厳しい。

しかし、所詮・・・官僚。お前は妖しいからダメだ。とは言えない。

コップの水(許可条件)を満たせば、許可せざる得ない現状が横たわる。


「Z」のしかけるM&Aでは、WAVEという「企業」が欲しいのではない。WAVEが持つ「帯域」という聖なる既得権益が欲しいのだ。


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国益


今回の敵の投資家「Z」と言う人物は、いうなれば地上げ屋だ。

既得権益の地上げ屋と言えば通りがいいか。

そのZに標的にされた。

「WAVE」は。

このまま赤字経営の末に会社が飛べば数十万人のリスナーが雪崩を打って監督官庁に抗議・・・

一方で、投資家ZにWAVEが渡れば、日本国の免許・・・電波が外国資本の良からぬ国のオーナーに渡ることになると言うわけ。

電波法で外国人は放送事業の会社のある一定以上の割合で株主にはなれないが・・・そんなものはプロからすれば、ざる法に他ならない。監督官庁の調査官はもちろん入念にチェックをするが、そのチェックも裁判になった時に放送法に則り一連の調査はしており「ミス」はありませんでした。と証言できる「範囲」に限られる。

本気でプロがしかければ、監督官庁の元警視庁あがりの調査官でもブロックできない。

もちろん発覚すれば処罰されるのであるが・・・発覚など先ずない。


多種多様に利用できる電波。

例えば極端な例を出すが、単に北朝鮮に日本のキー局がM&Aされたとしよう。

あり得ないが・・・地上波で「将軍様の軍事施設謁見(えっけん)」の様子が毎日見せられて、語気荒らげる例の賛辞ばかりのアナウンサーが出まくる放送では困るのだ(笑)

あるいは、巧妙に仕組まれれば、某TV局のお台場デモ騒ぎではないが、番組編成が一定の国の礼賛に偏るハメになる。昨今の韓国バブルはこれである。

これらは、古くはナチスがおこなったプロパガンダに繋がり、今日ではカレーナ5で有名なイタリアのベルルスコーニではないが、マスメディアというものの扱いを間違えれば「国」は、大多数の国民の幸せと反対の方向に突き進む運命となることは歴史が証明している。

最も怖いのは、携帯といった通信手段を奪取されれば・・・米国のNSAではないが・・・携帯の傍受など難なくできる環境をよかならぬ国におこなえる可能性を与えてしまう。合法的ハッキングと個人情報の垂れ流しになる。

最近でも、国会議員のPCがハッキングされたのが報道されたが、PCどころか日本国の国会議員や外務省官僚の携帯電話の通話を傍受されては国益が多きく損なわれる。

と言うわけで・・・

とにかく

「外人に貴重な我が国の貴重な財産を渡すな・・・」

官僚の電話に続いて・・老政治家のキツイお達しが私に来た。

うーぬー・・・

言う方は楽だが・・やるほうは大変だ(笑)

まるで、ウチをCIAかFBI・・・NSAと勘違いしているのじゃないか・・・

まぁ・・日本には、CIAのような対外諜報機関もなければ、国内のビジネスに絡んだ経済的国益を死守する組織と言うものは法的には存しない。

何も軍事介入やトム・クルーズのイーサン・ハントを使わなければ、他国から自国の「国益」を奪取することはできないわけではない。

非合法のスパイ活動の何万倍も合法的且つ経済活動の延長線上で外国は日本国から重要な資源や、情報、製品等を自国の国益に供するために日々持ち去っているのだ。


合法的経済活動の延長線上にある国益の損失のブロックは、特に個別の案件ごとでは、優秀な官僚でも対処は難しい。よって、ウチのような日本国の法律を屈指し、M&Aのノウハウを屈指し、最後は日本人の根性をみせる組織という・・・・ニーズ(依頼)は、発生するのだ(笑)


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投資家Z


Zは、業界では有名な奴だ。

カダフィにもビンラーディンにも、金正日にでも、金になれば、日本の重要な資源を誰にでも売り飛ばす。

倫理感や国家の威信(プライド)などというものはない。

逆にいえば・・・それだけプロだということだ。

今回は、ふざけたことに、日本のメディアを中国かロシアにでも売り飛ばす気なのだろうか?・・・

まぁ・・ビジネスだからな。

社会主義国の〇〇通信社の日本進出を手助けしたのはZだ。この野郎は金になれば金閣寺だろうと東京タワーだろうと富士山だろうと売り払いかねない。

そのZだが・・・面白いことに最後まで出てこない。最後の最後まで・・・誰も見たことがない。だから「Z」と呼ばれるのだか・・・

ほんとは実在しないのではないか・・・(笑)私はそう思っているが・・・

昔は武器商人というのがいた。

ニコラス・ケイジが演じた映画ロード・オブ・ウォーは、実在する元ロシア人陸軍中佐をモデルとしている。

ノーベル賞のノーベルも武器商人で巨万の富を得て、贖罪の気持ちからかノーベル賞を創った。

横浜のグラバー邸で有名なトーマス・グラバーも幕末の武器商人である。

坂本竜馬の作った海援隊も何のことはない武器商社である。

現在は、昔のように武器を左に右に売ることは困難になってきている。

なぜなら国同士がもめるよりも現代は、国VSテロリストだからだ。

テロリストやコロンビアの麻薬組織にでも売れば、即逮捕だ。大義などない事は明白になってしまう。

で・・・

経済的武器とでもいおうか、国益に関する国家資源やライセンス、そして金融商品(為替やヘッジファンドも含む)を扱う者が増えた。

その一人が、「Z」だ。

その存在は、ゴーストかファントム(幻影)か・・・神秘の男 「Z」

現代版Merchant Of Death(死の商人)・・・・言い過ぎか・・・(笑)

ちなみに2010年以降の現代では、サイバーテロシステムや金融システム系及びVIPの秘匿情報の売買が多くなっているらしい。

「情報」の売買というわけか。

・・・経済武器商人・・・「Z」

何者だよ(笑)会ったこともしゃべったこともない。

そんな奴と戦うの?・・・冗談じゃない。 噂では、トルコ生まれのユダヤ人ともサウジアラビア系とも言われているが・・・

しかし、

出てこなければ商売(交渉)できないだろう?

当然の疑問だ。

その通りで・・・

代わりに、そのZの意のままに動くマシ―ン・・・・「バロン」と言うやつがでてくる。アジア人と英国のハーフらしい。
バロンというのはもちろんあだ名であって・・・男爵と言う意味だ。

男爵というあだ名は、その白髪の髪形や、まるでどこぞの貴族の執事のような容貌と、昔、「Z」がイギリスで大儲けした時の立役者だったから付いたという噂だ。実際に英国でバロンの称号をもらっているという噂もある。

ほんとのところは誰も知らない。みんなが「男爵」と呼ぶからそう呼んでいるだけだ。

今回の直接の交渉相手は、このバロン(男爵)だ。どうせ闘いうなら髭男爵かエロ男爵なら良かったがな(笑)

テロリストにでも、金になれば何でも売り払う「テロ男爵」とは・・・・。

M&Aという戦場で・・・このバロンと今回は激突する。正確には、バロンの後ろにいる・・・誰も姿を見たことがないという・・・Zの猛攻からWAVEという会社を守ることだ。

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「とにかく・・・守ればいいんだな。社長・・・そのエロ男爵から・・・」クライムが白い息を吐きながら言う。

「社長はやめろよ。お前だって今は社長だろう。」

「いつまでたっても・・・俺には社長は・・・社長だよ。」

クライムは、ウチに勤めている時には着てなかったような高かそうなコートの襟を立てたながら言った。

「責めるより・・・守りはもっと大変だよ。」タチバナが空になったタバコの箱を潰しながら言う。

「さっさと決めて・・・早めに俺は帰るよ(笑)・・・2日には、彼女と旅行が決まっているんだ」イチロウは最近できたダンサーの彼女の自慢で忙しい。

「さぁ・・・みなさん・・・大晦日の長い闘いの始まりですよ。」官僚が手を叩きながら言う。

官僚と言うのももちろんあだ名だ。

「よし、じゃぁ・・・打ち合わせ通りに皆動いてくれ。クライムとイチロウは例の株主のところへ。官僚は社長Tのところ、タチバナさんとマウス、先生(ピエール)は私と、バロンのところに向かう。」


「了解」


来年まで

残り42時間36分12秒。

♪♪♪


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