屋久島から帰ってきた。
私はなにかを持ち帰れただろうか。
またはなにかを手放してこられただろうか。

これからの日々でそれは私の中で熟していくと思う。今は思い出せることだけ書き留めておく。

18日に出発の予定だった。
台風14号がその日鹿児島に上陸しそうとの予報。19日朝は台風が名古屋に近づいてくるので20日しか飛べない。リトリートは21日午前中まで。それでは意味がない。
やめるか、早めて17日に出るかのニ択。
迷った。

これは試練なのか、それともやめなさいとの啓示なのか。悩んで、迷って、誰かに決めてほしいとも思った。

台風情報に久しぶりにTVに釘付け。ただ、夫は一言もやめた方がいいんじゃないかとは言わなかった。台風を弱めておいたからとだけ。

予定を早めて16日に入ってる人達のことも後押しになった。やっぱり行きたいという気持ちに従うことにした。17日の便で鹿児島までとにかく行こう。そこから屋久島に行けなかったら帰って来ればいいだけのこと。そんな冒険しただけでも面白いじゃないかと。あとは運を天に任せて出発。

無事、鹿児島到着。朝の便にして正解だった。空港で食事をしたりしている間にどんどん欠航が増えていく。

あまり空港でのんびりしていると、まずいかなと思いホテルのある中央駅までのバスに乗る。

チェックインまでの時間を近くのミスタードーナツで過ごす。ここのバイトさんたちは皆一生懸命で真面目だ。声を聞いてるだけでも元気をもらう。コーヒーもおかわりを持ってきてくれて、これがまたいつになく美味しかった。鹿児島の人温かい。好きかも😊

18日。こんな日でもホテルの従業員さんたちは気持ちよく対応してくれて、朝からおいしい和定食を食べられた。ありがとう。

ホテルに缶詰は覚悟の上だった。

どの店も朝から休業。雨風も強くてとても外には出られない。この際ファスティングだーっとナッツとコーヒーとお茶だけで1日過ごす。

停電に備えてこまめに携帯の充電をし、お風呂を早めに済ますことにする。

風でホテルが揺れるくらい。屋久島の人たちはさぞや怖いだろうと思う。どうぞ被害が出ませんように。

とにかく暇だけど不思議と不安や負の感情はない。

昼ごろ、飛行機が明日午後から飛びそうだとわかるが、すでに満席。しかたないので20日朝の便を予約。夕方、19日15時の便が残り一席との表示。やったー！これで19日中に屋久島に入れる！

スマホだと、こういう予約やキャンセルが簡単にできて本当にありがたい。

19日。高速道路が通行止めで、飛行場までのシャトルバスがなかなか運行開始にならない。

チェックアウトしたものの、まだ駅前のモールも開店していなくて、近くのアーケード商店街をぶらぶらしてみる。昔ながらの喫茶店を見つけた。台風の後始末をしているマスターと思しき人に聞くと「ちょっと待ってもらえたら」と快く入れてくれる。

落ち着いたいい店。コーヒーも美味しかった。おまけでかるかんも出してくれて、屋久島に行くんですと言ったら、帰りにまた寄ってねとにっこり送り出してくれた。やっぱり鹿児島の人あったかい。

念のため昼前にバスターミナルに行くと下道で行くから時間はかかるが運行は開始になった。

屋久島が近づいてきたぞ😊

ワクワク。でもドキドキ。

ただ屋久島に着いた後、どこへどうやって行くのか全く知らされてなくて、連絡も来なくて不安になる。きっと大丈夫と言い聞かせていた。

屋久島に着いたー。晴れ間も見える。

やっと屋久島に入れてもらえたと思ったら涙が出た。

ようやく、連絡が入ってお迎えにきてくれるという。やれやれ。助かった。今まで、一人でやっぱり不安だったんだろうか、どこか緊張していたらしい。迎えのこんがり焼けたスタッフさんの顔を見たら、ほおっと力が抜けるのを感じた。

40分ほどの道のり。遠い所まで往復してくれてありがとう。途中、薙ぎ倒されたバナナやみかんの木、

折れたり倒れたりしている木がたくさんあって、嵐のものすごさを垣間見る。

リトリート開催場所では、川から戻ってお昼寝をしたりしていた。ちょうど休憩中に着いたようだった。外にいた方が笑顔で迎えてくれて、初めて会ったというよりは久しぶりに会った親戚みたいな感じがして不思議。

今回のリトリートでは、

いつもならしないことをすること、

やりたいことはやりたいと言うこと、

誰にでも心を開くこと、

は絶対にしようと思っていた。

会ってすぐに、ハンモックにのってる二人の中に入れてーとのってしまうなんてことも、やっちゃった。

それを受け入れてくれる人たちだった。

ここでは、「ありがとう御座います」(漢字であることが意味がある)と

会った時、別れる時、ハグする

のが日常。

私はボディタッチが苦手だ。人と繋がりたいけど同時に距離を取りたいという矛盾も抱えている。最初はドギマギ、思いっきり腰が引けてたけど、最後には、心からハグしたくていけたのも我ながらびっくり。心を開くのってこういうことからかも。日常から離れた屋久島だったからこそできたことでもあった。

20日、リトリートのメイン、天と地と風と木を感じて「踊る」！？　これが一番苦手なことだ。どうすりゃいいの。。。

でも、顔にペイントしてもらったら吹っ切れた。

化粧することの意味もタッキーさんから教わった。

持って行ったスカーフを素敵にしてもらって、ええいままよ。タッキーさんのドラムが心地よく、心のままに「動いてみた」　

途中で、「まだ終わらない😂」とか思いながらも、木漏れ日が気持ちよくて幸せで、素足に触る枝や葉や砂も心地よくて、嬉しい楽しいそして全てに感謝の時間だった。

結局、宿泊したコテージは滞在中停電が復旧せず、ロウソクとランタンの生活。これはこれで素敵。

ただお風呂が使えないので、引き潮になった時だけ入れる海中温泉に夜連れて行ってもらった。真っ暗な中、波音を聞いて満天の星を見ながらのお風呂は最高！　まだ潮位が高めで潮が満ちてくるのが早くて波がお風呂に入るのも一興。

最後の夜、皆と話していたら夜が明けてしまった。こんなことしたのも学生の時以来。ゆっくりと一人一人の話が聞けてまた心の扉を開くことができた。皆大好きだ。ともみんなんて可愛い呼び名もつけてもらった。

たくさんたくさん皆から愛をもらって、私にも愛がいっぱいあるとわかって嬉しかった。

愛に満たされていたら、ちょっと不愉快なことがあっても気にならない。愛を満たすか否かそれもまた自分次第。