4月25日

 コスモの定番企画の一つに「店企画」というのがある。メンバーたちそれぞれが自分のいらなくなった物を、段ボールでつくったお店で売る。売る物のない人は「的当て」などのアトラクションを考えて商売する。コスモ版「お店やさんごっこ」だ。子どもたちはこの「ごっこ遊び」で、物の売り買いや、「競り」などを体験して楽しんでいる。「売る」と言ってもその媒介に円は使われない。使われるのはコスモ通貨「マメ」。その名前の由来はマメのように芽を出し、ツルを伸ばし、人とつながっていけるようにという説、通貨の発行に関わったメンバーの飼っている犬の名前からとったという説…と諸説ある(?)。

 今日はこの「店企画」の準備会議。議題は、次回の出店希望者とその内容の確認。しかし、ふたを開けてみると「最近どうも店企画盛り上がんないんだけど、なんでだろ」という話題で盛り上がった。だいたいどこの会議もそうなのかもしれないけれど、最近のコスモの話し合いは主題から離れた議論の方がおもしろくなることが多い。

「最近マメの回りが悪いのは、コスモのメンバーの数が少なくて全員が売る人になってしまって客がいないからだ」

「マメじゃなくて、地域通貨を使ったらいろんなところで使えて盛り上がるんじゃない?」

「地域通貨とマメじゃお金の目的が違うんじゃない?」

「プラスチックとかをMくんに売って、Mくんがそれで何か加工して、それをまた誰かが加工して売ってってやればいいんじゃない?」

「おおっ、循環しているね」

話は落としどころが見えなくなっていくけれど、おもしろいのでスタッフもつっこむ。

「魚とか野菜とかを捕ったりつくったりする産業を第一次産業、それを加工して売るのを第二次産業、ほかのサービス業とかを第三次産業っていうんだよ」

「おおっ、いろんな仕事がある!」

結局、どうしたら「店企画」が盛り上がるのかは結論が出なかったけれど、話のなかで自分たちで産業の仕組みなどを発見していけたことが楽しかったらしく、満足げな顔で会議は終わった。

 学びは必ずしも「主題、あるべき道筋」にあるわけではない。そこからそれたところにこそ、たくさん転がっているのだということを子どもたちから日々教わっている。

会議