【X'masナイト】翡翠の髪留め
(投稿者:Mさん)





市井を歩いていると、その先にヨンの姿を見つける。思わず嬉しくて、

「ヨン・・・・・」

呼びかけて口を噤む。目に映ったのは小物屋で女性と笑顔で話すヨンだった。

ちらっと目があった気がしたのに、ヨンは私を無視するようにまたその視線をその女性に向ける。

胸が苦しくなってその場から私は離れる。

夜、窓から降り注ぐ月明かりの中、窓に頭をもたれながら昼間の事を思い出す。

「もう、私なんていない方が良いのかな」

カタンと音がして、ヨンが入ってくる。

「何しに来たの」

振り向きもせず言葉を投げかける。

ヨンはふっと後ろから私を抱きしめて、

「そんな顔をしないでください。あのものはそなたが心配する様な関係ではない。ただの店の女だ」

「でも、私の事無視したじゃない」

「そのような事を言わずに。私にはそなたしか見えない。他の女など必要ない」

そう言うと、私の顎を自分の方に向け口づけを一つ。

私の頬を涙が一つこぼれた。

ヨンは私を抱き上げ、そっと床に降ろし覆い被さってきた・・・

「あの店にはこれを買い求めていたのです。やはりとてもお似合いだ」

そう言って、私の髪に翡翠の髪留めを挿した。

自分で描いていて恥ずかしい・・・・。

こんなことされたら・・・・一回でも良いからヨンにされたい・・・・



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MさんのX'masナイト

ヨンからの翡翠の髪留めのプレゼント…地獄から天国へ 見ているだけで、二人の街でのシーンが思いうかんできて嬉しくなってしまうようなお話でした

きっと、照れくさく思いながら一生懸命、翡翠の髪留めを選んだんだろうなぁヨンってば。

クリスマスに、ヨンとMさんから思いもよらぬプレゼントをもらったような気分です



翡翠の髪留め


スリバンからの帰り道、賑わう年の瀬の街中を、ヨンは一人のんびりと歩いていた

ふと視線を移せば、あの人に似合いそうな髪留めが、その店先に並んでいるのが目が留まる

そいつらに誘われるように、俺はその店に引き寄せられていった

「旦那様、いらっしゃいませ、どうぞご覧になってください」

店の女が笑顔を浮かべ、俺に声をかける

その女に、軽く会釈をし、俺は店先に所狭しと並べられた、鮮やかな飾りを見ていく

並べられた中から、いくつか見つくろうと、とりあえず選んだ髪留めを手に持ち、その人の事を思い描いた

あの人は、服や飾りが好きだと言う癖に、何だかんだと何もつけぬのだ

先日も共に買い物に出かけ、せっかく買って差し上げようとしたのに…

俺の小物入れに目が移ったあの方は、ご自分の事などそっちのけで

あーでもない、こーでもないと、はしゃいで、結局は俺の事ばかり

ならば俺が、あの方への贈り物を、買うて帰ってしまえばよい

あの方は、驚くだろうか?

思いついた妙案に、
チェヨンの胸が躍る

「奥様に贈り物ですか?」

「妻ではな…」

そう言いかけて、ヨンは口ごもる

あの方が、俺の妻か…そんな日が、いつか来るのだろうか

店の女に言われた、妻のために、その響きがくすぐったくて、顔がほころんでしまう

ゴホンと大きく咳払いをし、ゆるんだ顔を引き締めようとするも、にやつきを隠せなかった

おまけに、俺が女のために髪飾りを買うなんて、スリバンのあいつらが聞けば、きっとおかしくて笑うだろうな

ますます照れくさくなり、それを誤魔化すように、苦笑いを浮かべるヨン

奥様になら是非これをと、店の者が鮮やかに装飾された、髪飾りをいくつか俺に差し出してくる

「これは女人に、
今とても人気があるのですよ」

その煌びやかな髪留めたちに、視線をやるも…いや違う、このような物は似合わぬと、俺は首を振る

俺は髪留めを見て、考えていた。あの方はこのような派手な飾りをつけずとも、そのままで十分お綺麗だ

ならば、品がよく、あの方の美しさを、より引き立てるような、そんな髪留めはないのか?

透き通るような緑が美しい、一つの髪留めに目が留まる

「これは?」

「それは、翡翠です。
とても質の良いものです」

なかなか、それを選ばれる方はいないのに、さすがお目が高いと、店の者は少し驚いて答えたのだ

透き通るように美しい

翡翠の髪留めか…喜んで頂けるだろうか。これならば、あの方にとてもよく似合うのではないか

「これをもらおう」

少し気恥ずかしそうに、店の者に告げて、ヨンは嬉しそうにほほ笑んだ



M様へのお礼のお話です
本当にありがとうございました
二つ投稿頂きましたが、とっても素敵なので両方残しました



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