今まで、もみじ湖、高遠城址公園と紅葉の様子を確かめてきた私は、最後に横川渓谷を調査することにしました。
まずは、横川川上流に向かいます。
こちらが、車で行ける最上流にある、蛇石(じゃいし)で有名な横川国有林(地図 )です。
四阿(東屋)やトイレが整備され、バーベキューができる施設が整っているこのスペースですが、この時期は誰もいません
紅葉は、少し地味目なセーターみたいな色ですね。
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名 称 天然記念物 横川の蛇石
指定年月日 昭和15年7月12日
指定地域 上伊那郡辰野町大字横川(国有林)
辰 野 町 横 川 の 蛇 石
辰野町川島、横川川の渓流の中に横たわる大蛇のような形をした岩脈を、昔から蛇石と呼んでいる。これは、水成岩である黒色粘板岩の成層面に沿って火成岩の閃緑岩が迸入して岩床を形成し、この岩床をペグマタイト質の石英脈が、規則正しく百数十条貫入しているものである。蛇石は大小二脈あり、平行して走っている。大きい方は、長さ87メートル厚さ42センチ、小さい方は長さ17メートル厚さ30センチで、この両脈に貫入している石英脈の幅は約7センチで、石英脈と石英脈の間隔は、大体60センチほどである。岩床の閃緑岩は、緑青色を帯びているが、蛇石の部分は表面が褐色である。
白い石英脈を伴うこの梯状岩が流水の浸蝕によって、ある所は高く、ある所は低く、川の流水のまにまに見えがくれするさまは、まことに蛇腹を思わしめるものがある。このような梯状岩は、規模の上から言っても、成因の上からみても世界にもあまり類例のないもので、岩石学や鉱床学からみて、はなはだ貴重なものであるため国の天然記念物に指定され、県と辰野町が随時パトロールして保存管理にあたっている。
昭和52年11月 文 化 庁
長野県教育委員会
辰野町教育委員会
南信森林管理署
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難しくてよくわかりませーん
要するに、流水で岩が削れて蛇のようになったのですね。
こちらが蛇石。
確かに、人間が削ったのならいざ知らず、自然のなせる業だとしたらビックリです。
続いて、立派なトチノキを見つけました。
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浦の沢のトチノキ
町天然記念物 指定 昭和58年8月25日
このトチノキは目通り幹囲4.13メートル、樹高約30メートル、枝張り約35メートル。よく目立つ独立木で、その自然樹形が美しい。
トチノキは、昔から椀や盆などの器物の良材として利用されてきた。トチノキが多く自生していた横川の谷には、江戸時代多くの木地師が移り住み、ロクロを使った木地作りが盛んに行われた。
浦の沢は、「横川山12洞」と呼ばれた横川川に注ぐ12の支流の一つである。過去にはこの沢一帯にもトチノキが群生していたものと思われ、それが度重なる伐採によって次第に少なくなり、最後の一本が木地師の集落があったといわれるこの平に残されたものであろう。
大きな手のひら状の葉が繁った初夏、大きな円錐状に集まった白い花が枝張り全面に咲きみだれ、それを坂上の「木地師の墓」あたりから眺めた姿は壮観である。秋には果実がみのり、外皮が3つに割れて赤褐色の実を樹下に落とす。あくが強くてそのままでは食べられないが、よくさらしてあくを抜けば食料となり、昔は救荒食物として保存され、トチ餅やトチ粥にして食べられた。
平成12年3月
辰野町教育委員会
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おやおや、すでに実は落ち、全くの季節外れだったようですね
以前、下伊那で買ったトチ餅はとても美味しかった。
今度は花を見に来ましょう。
少しさみしい国有林を後にして、次は「よこかわ湖」(横川ダム)に向かいます。 (momo)