みのわ祭りは午前11時から様々な催しを行っていましたが、私が夕方に訪ねたのは、伝統の手筒花火を見るためでした。
19時半頃、ややフライング気味に手筒花火の会場「みのわ天竜公園」を訪れると、仕掛け花火の準備が整っていました。
ここでやるのか。
客席の前の方は、すでにビニールシートで場所取りがされています。
ただ、圧倒的に芝生の露出面積が広く、血眼になって場所取り合戦、というわけでもなさそうです。
1時間が経ちました。
「打上げ花火の時間が遅れておりますので、手筒花火は20分遅れて、20時50分から始まります。」とのアナウンスが。
えーっ?20時30分から21時までの予定が20分も伸びちゃうの?
携帯のワンセグでオリンピックの柔道を見ながらじっと待ちます。
今年の柔道は苦戦してますね。
「痛っ」
みんな、私の足を踏んだり蹴ったり。
ビニールシートを持ってこなかった私は、腰から下が芝生の色と同化してしまい、暗闇の中、みんなに蹴られてしまうのでした。
単に場所取り、ということでなく、足を蹴られないためにも、ビニールシートは持っていった方がいいと思います。
そして、20時50分。大変長らくお待たせしました。手筒花火のお時間です。
種火がワイヤーをつたって火花を散らし、大会の始まりを飾ります。
打上げ花火が何本か上がった後、「みのわ手筒会」のみなさんが整列しました。
まずは、7本の手筒花火です。
続いて、円盤状の板を花火の推進力で縦回転させる、いわゆる「巴車」(しゃくま)
(※ 大会独自の花火の呼称があったようですが、ここでは一般的な呼称を用います。)
赤とんぼの仕掛けが赤く煌いた後…
再度3本の手筒花火です。
そして大三国。
南信州ではすっかり有名な大三国ですが、手筒のように火花を噴射したかと思えば、妖艶な淡い炎をくゆらし、そうかと思えば、また豪快に噴射する。
都合4~5回くらい、そんなことを繰り返したでしょうか。
花火のテクニックとしては、手筒花火よりも数段難しい大三国ですが、途中で消えてしまったり、破裂してしまうこともなく、とても上手にできていました。
ここにいう三国とは、①三河を指す、②駿河、信濃、甲斐を指す、③日本、中国、インドを指す、と諸説あるそうですが、いずれにしても「三国一の花火」ですから、それほどすばらしい花火、という意味になりそうです。
続いて「絆」
そしてナイアガラの幻想的な炎を眺め、
最後に、女性数名を含む「若き13人の手筒師」が手筒花火を噴射し、短くも華やかな花火大会はクライマックスを迎えました。
花火大会というと、打上げ花火が一般的ですが、愛知県三河地方の文化を色濃く反映した仕掛け花火と手筒花火をこれだけ近距離で見る機会は、なかなかありません。
30分と短いですが、さほど混雑もせず、手筒花火や仕掛け花火が堪能できる「みのわ祭り」は、なかなかお勧めのお祭りと言えるでしょう。 (momo)