仕事と作業の差 | 西守 騎世将『折れないハート』ブログ

仕事と作業の差

約半年ぶりのブログです。

Facebookばかりやってまして、完全に


ブログサボってました。


「ブログは?」ってメールもたくさん頂きました。


どうもすみませんm(_ _)m



近況ですが、今年になってから、自社の


ハートランドエアーの仕事に加えて、災害支援機構


の活動もし、そして二つの航空会社のフライト


も嘱託で行っていますので、忙しいは忙しいです。



航空業界は飛行機もヘリコプターも超人手不足。


自衛隊から割愛で民間の航空会社に入れる、


なんて話も出ました。


なんでこんなに人手不足なのか?


実は、プロの資格を持った人、世の中には


たくさん居るんです。


資格だけ取って、就職できていないだけ。


ぶっちゃけた話をすると、「パイロット」はたくさん


居るんですが、「使える人材」が居ないんです。


まあ、高い飛行時間を持って即戦力となる人材


を求めるのはどこの会社も同じですが、


「育てて、未来の会社を背負ってほしい」という


人材が少なすぎると僕は感じています。



民間のフライトスクール、他はどうなのかは知りませんが


少なくとも僕はフライトの技術や知識を持たせ、


試験に合格させるだけではなく、そもそもの「仕事論」


「プロ論」、「労働の楽しさと尊さ」も教えています。


だって、プロを育てるということは職業訓練だから。


使えない奴育てたって意味が無いし、資格だけ


取らせて「はい、サイナラ」では無責任過ぎますもん。


だから僕はウチの訓練生には『この子、ウチで欲しい』


と自分が思えるように教育しています。


だからおかげさまで殆どの子が官公庁や民間の


航空会社に入って飛んでます。



学ぶ側も学ぶ側で、単に飛行機に、ヘリに乗りたい、


だけでは通用しない事を理解しないといけません。


まずもって、「仕事」が出来ないと土俵に立てないんです。


いくら航空機の操縦が上手くたって、航空会社の仕事は


それだけではなく、書類作成から始まる様々なデスクワーク、


お客さんや業者さん対応、ちょっとした整備の手伝いや


機体の出し入れ、オフィスの掃除だって、やらなきゃいけません。


これらは出来て当たり前で、しかも正確・確実に、そして


素早くきれいにやって、且つ社内全体の調和がとれて


初めて「仕事」です。


単体でやることは仕事ではなく作業なんです。



僕がお手伝いをさせて頂いている航空会社の一つですが


名古屋空港の「セコ・インターナショナル」さんという会社


があります。


ここは主にヘリでの遊覧や、撮影、ディナークルーズなど


を行っていて、僕も飛んでいます。


パイロット、整備士、営業さん、スタッフ全員が


「プロ中のプロ」です。


遊覧飛行は、プロアマ問わず、多くのパイロットが


やった事あるかもしれません。


「お客さんを乗せてくるっと回って降りて来る」


ですが、実は仕事でやるととても難しい。


コースも時間も決められているので、長すぎても


短すぎてもダメ。


僕は『15分コース』と決められていたら、15分30秒


きっかりに飛んできて降りるようにしています。


30秒のサービス。


これ以上長いと会社に負担が掛かりますし、


15分を切ることは、お客さんに対する債務不履行


です。


だから、プラス30秒。


しかも管制の都合で待たされたりするし、他の機体が


入ってくるし、お客さんを和ませて最後は笑顔で


降りてもらわないといけない。


そして極めつけは、「プロポーズ」もあること。


夜景をバックに二人の最高の思い出となる


プロポーズをしてもらうから、男性が緊張しすぎないように、


女性にも悟られず、且つ怖がらせず、て飛びます。


これらをすべてしっかりキメて、15分30秒きっかりに


終わらせる。


で、みんな満面の笑顔と最高の思い出。


おかげさまで、成功率100%継続中です。





このミッションは単に「飛ぶ」だけではありません。


あらゆる「作業」が組み込まれて、一つ一つの作業を


きちんと繋げ、組み上げたら「仕事」になってないと


いけません。



全国の訓練生の皆さん、そこまで必死になってやる


覚悟と度胸をもって初めて航空会社に履歴書を出さなければ、


一生声は掛からないですよ。


そして、それこそが、プロだと僕は思います。



西守 騎世将