AB型が旅をすると… | 西守 騎世将『折れないハート』ブログ

AB型が旅をすると…

先週末、岩手に復興視察の旅に行って


まいりました。




名古屋空港に朝7時集合!絶対に遅れるな!


という指示だったので、僕は時間通りに


行きましたが、誰もいない…


「ハメられたか?」と思いだした頃、遠くで


一人手を振ってます。


「あ、桑田だ」…そうです。彼はバンドのベース


でとても豪放磊落なオトコ。


ところが、『7時に来い』と言っていた秀一が


来ない。


やがて15分遅れで秀一がやって来ました。


「お前、何でそんなに酒臭いんだ?」に


「だって夕べは2時まで飲んでたから…」


とのこと。


なんだかんだ言ってギリギリで全員集合。


飛行機は花巻近辺で、それはそれは揺れました。


で、何とか無事に到着…猛吹雪でした…




レンタカーで移動するも、前が殆ど見えません。





で、まずは腹ごしらえということで、大船渡の


屋台村へ。




ここは震災後、プレハブで建てられた屋台村。

ここのお寿司屋さん「ささき」さんのまかない丼

は絶品。




これで980円です!


この屋台村、役場が個人から借地で借りて


各店舗に貸しているのですが、借地契約も


もう切れるそうで、地主さんも更新はしない


と言っているそうです。(地主さんは地元の


人ではありません)


「どうなってしまうんだろう…」と大将は不安


な顔をしていました。


今後の津波被害を考え、低い場所にはもう


新しい建物は建てられず、現在計画中の新しい


商店街もまだできません。


出来るのは山の高台だけですが、そんな遠くの


山までお客さんはお寿司を食べにきてくれません。


切実な問題です。


そんな事は一切世間には出てきません。


復興とは簡単なことではないのです。



ついで、陸前高田へ向かいました。


奇跡の一本松をこの目で見たかったからです。




この団地の最上階まで津波が達したそうで、

その証として今でも残されています。




全くイメージできませんが、ここは商店街が

ずらりと並んだメインストリートだったところ。

全部流されました…




JRバスのバス停ポールもグニャグニャに…




ここは「高田松原」と言われるほど、有名な

松林で、何万本もの松があったのですが

この一本だけを残して全部津波で流されて

しまいました。

でも、この松も腐食が進み、今では中

コンクリートが入れられています。



その後、地元の新聞社「東海新報」を訪れ


挨拶。


そこで面白い写真を見せてもらいました。


災害時の支援の様子ですが…



当時視察に訪れた東祥三・内閣府副大臣

の話をポケットに手を入れて聞く天野竹行…



東海新報の社長もヘリが大好きで、ヘリ談義


に花が咲きましたが、他のメンバーは退屈そう


だったので、早々に切り上げあせる


その後は住田町役場に行き、多田町長と懇談。


これからの新しい課題などについて話を


伺いました。




とても気さくな町長さん。
昨年はヘリでイベント会場から名古屋空港まで

お送りしました。飛行機の時間がギリギリで

駐機場からターミナルまでダッシュで走って

頂きました…走る人



愛知ネットはこの住田町にしっかりと腰を据え、


息の長い支援活動を行っています。


その宿舎となっている一軒家で今夜は宴会&宿泊。




今回の旅のメンバー五人。

なんと、全員AB型。

日赤からスカウトかかりそうです。献血の…




その後、地元の若者の集まって来て、熱い

話で盛り上がりました。

とても実直で優しく、真剣な人達です。

様々な本音を深夜まで聞かせてもらいました。




「俺、あったかいからコタツで寝るー」という

秀一のケツを叩き、フトンを敷いて、ファンヒーター

も置いてやりました。

そのあと、そのファンヒーターはまさかの灯油切れ。

僕の部屋のファンヒーターは満タンだったのに…

「耳が冷たくて痛かった…」そうです。




その翌日。

「なぁ、今日どこ行く~?」という、かなりまったりな

午前中。



で、結局「滝観洞」(ろんかんどう)という観光地に。


ここは、鍾乳洞の奥に滝があるそうです。




入り口で、長靴に履き替えさせられ、

ヘルメットまで着用。

なんか嫌な予感…




あぁ、やっぱり。
かなり狭く、ヘルメットが無ければ大流血です。

ほぼ屈んで行かないと進めない所が何か所も

あり、結構キツイ…




ゴールの滝まで800m。

往復1.6キロの長くて、狭くて、低くて、

息切れする道のり。




これくらい広い場所もありますが、またすぐに

狭くなります。




でしょうね…




ここに行く時は、体力がある時にしてください。


観光というよりは、僕にとっては部活でした。


焦って進むと必ず息が切れます。


静岡の久能山東照宮の1159段の石段も


同じです。


ゆっくりと、確実に一歩づつ、人生のように。


じゃないと、疲れて動けなくなります。


…そんな反省もすぐに忘れるのが僕の欠点。



ここで3人は名古屋に帰り、僕と桑田は残って


花巻南温泉に移動。




江戸時代の人。





現代の人。




桑田はエレベータのこれに釘付けになりました。



普通の健全なショーですが、一人1000円らしく、


桑田はどうしても行きたいようです。


でも、聞けば予約が一杯で、立ち見も不可


とのこと。


食事を終え、部屋でゆっくりしていたら、


桑田が真顔で聞いてきました。


「なあ、西守ぃ~。もしお前がC.I.Aのスパイ


だったら、どうやって潜入する?」…


ショーの事を言ってるみたいです。


ん~…ポスター見たら二部制になってる


ようだから、まず一部でどんなチェック体制で


どれくらい甘いのか、スキがあるのか情報を


取り、二部で潜入する…とアドバイス。


「よっしゃ!」と納得して、彼は偵察に行きました。


30分くらいしても帰って来ません。


どうやらいきなり潜入に成功したようです。


そして、僕はそのまま爆睡…



朝起きたら、また雪。




桑田は4時半から起きて、温泉に行きました。


僕は7時半頃、「朝メシ無くなるぞ」と桑田に


起こされ、お風呂に行って朝ごはん。


岩手のお米は美味しいですよ~。


おかずが要りません。


で、部屋に戻ったら桑田はイビキをかいて


寝ています。


何のための早起き???


…まあ、旅だし、AB型だし、温泉だし…



チェックアウトして桑田と別れ、僕は帰路に。


桑田は今度は2キロ先の大沢温泉でもう一泊


とのこと。


2キロなら…と歩いて行ったそうですが、1時間半


も雪道を歩いたそうです。


よく遭難しなかったな…



AB型は変わり者が多いですが、変わり者も


たくさん集まれば、なぜだかまともに見えます。


って、そう思うところもAB型の変わったところかな…


でも、笑いの絶えない旅でした。



そして、一口に『復興』とは言いますが、そんな


言葉では片づけられないほど、大災害は大きな


傷跡を残すことも思い知らされた旅でした。


仮設住宅から出たくても出られない人達がたくさん


います。


校庭に仮設住宅があるから、子供たちは校庭で


遊ぶことはできません。


まだまだ問題はたくさんあります。


解決する時期すら見えません。


東日本大震災は、まだ終わっていないんです。