消費者心理とマーケティング-店舗の雰囲気No4- | 消費者心理学とマーケティング - 消費者心理学・消費者行動論の研究より -

消費者心理とマーケティング-店舗の雰囲気No4-

消費者心理とマーケティング-店舗の雰囲気No4-を取り扱います。

以前取り上げていた店舗の雰囲気について今回から少し掘り下げていきます。

環境心理学の古典的なモデルであるMehrabian Russellのモデル (1974)を取り上げます。このモデルは未だに消費者の店舗でのショッピングの分析に最もよく使われているモデルです。

1.Mehrabian Russellのモデル

外部刺激(例、店舗雰囲気)がどのように人間の感情に影響を与え、最終的に行動に影響を与えるというモデルです。

具体的には以下のようになります。

(1)外部刺激(2)感情(3)行動

ポイントは、外部刺激による人間の行動の変化は感情の変化が媒体になるということです。









2.外部刺激

外部刺激(例、店舗雰囲気)は人間(例、消費者)に知覚されます。

Mehrabian Russellの研究 (1974)によると、外部刺激は以下の3つの側面に分類されました。

主に以下の3つの側面の程度によって人間の感情が変化すると考えられています。

(1)目新しさの程度

(2)大きさの程度:広さ、混雑の程度など

(3)複雑さ:単調さなど

3.感情

感情は以下の3つの側面の程度で測定されます。

主に以下の3つの側面(快・不快、覚醒・昏睡が中心)の程度によって人間の行動が変化すると考えられています。

(1)快・不快:満足、幸福感の程度

(2)覚醒・昏睡:興奮している程度

(3)支配・従属:コントロールしている状況にあるか、コントロールされている状況にあるか

4.行動

上記の感情の程度によって接近と回避2通りの行動が現れます。

具体的には下記の4つの側面で接近と回避の程度が測定されました。

(1)状況に留まりたい

(2)状況を探索したい

(3)状況で作業した

(4)状況に属したい

5.重要性

(1)消費者行動との関連

分かり易いように具体例を一つ取り上げます。

非常に混雑している店舗を考えて下さい。

非常に混雑しているという外部刺激は大きさが相応しくないように知覚されます。すると不快という感情が高まり、結果として回避(店に留まりたくない、店の中を探索したくない、店の従業員とは話したくない、贔屓にしたくない)という行動に結びつきます。

注意;この欄(5.重要性)は私の個人的見解(仮説)で過去のリサーチなどに基づくものではありません。

《お願い》

皆さんの実例があると、わかりやすく内容も発展しますので、皆さんの実例やコメントをどんどんお待ちしています!!下記コメント欄からお気軽に書き込んでください。

次回は外部刺激と感情の関係をより詳細に扱います。

主な参考論文

Mehrabian.A., & Russell,J.A. (1974). An approach to environmental psychology, Cambridge, MIT press.